スポーツ選手をお子さまに持つ親御さまから、「子供が選手として、練習の毎日という寮生活をしていて、身体の事を考えた寝具を持たせたいと思っているが、どんな寝具を持たせたらよいですか?」といった質問を頂戴します。ご家族から離れ、スポーツのために寮生活をしてらっしゃるお子さまの親御さま方で、健康管理とパフォーマンス向上のために、睡眠の質が大切なことを重々承知の方々です。ここでは、どんな寝具を選べばいいか、お答えしている内容を、ご紹介します。
寮生活をするスポーツ選手が、質の良い睡眠をとるための寝具の条件
ここでのスポーツ選手とは、若い10代から20代で、トップアスリート、もしくは、トップアスリートを目指していて、寮生活をされている方々のことです。寮生活をしていなければ、親御さんやご家族が、寝具の湿気対策や衛生管理などのサポートをすることが可能ですが、寮生活の場合、それがありません。かといって、練習や学業などで時間を費やしている中で、ご本人方が、寝具の管理に気を配るには限度があります。
寮生活をするアスリートの方が、質の良い睡眠をとるための寝具の必要条件は下記になります。
- 身体の疲労回復が可能な寝具
- 体に負担がかからない寝具
- 睡眠中の生理的な体温の低下、発汗量の増加に対応した寝具
- 手入れをしなくても、衛生的に使える寝具
- 干さなくても、湿気対策を気にする必要がない寝具
条件を満たす、おすすめしている寝具
ご相談をお寄せくださる親御さま方には、前に述べた条件を満たす、次の寝具をご案内しています。
- ムアツ、整圧、エアーに代表される表面が凹凸になった快眠マットレス
- 布団用湿気取りシート
- 羽毛布団もしくは、ホコリの出ない化繊わたの掛け布団
- ご自身の好みや身体に合った枕
- お好みのタオルケット類
- 手入れが簡単なお好みのカバー、シーツ類
です。
それぞれについて、おすすめしている理由をお伝えします。
睡眠の質を左右するマットレス
睡眠の質を一番に左右する寝具は、敷き寝具です。敷き寝具とは、ベッドマットレス、マットレス、敷き布団などの、寝ている体を支える寝具のことです。敷き寝具選びが、快眠、良質な睡眠のためには、とても大切です。
寮生活の場合、畳ベッドや一般的なコイルのベッド(ベッドマットレスが快眠を考えられた高品質であることは稀です。)でしょう。その環境で使えて、良質な睡眠を得られる敷き寝具が、快眠のために作られている、表面が凹凸の形状の健康マットレスです。
具体的には、ムアツ、整圧、エアーなどの、マットレスの表面が凹凸になっている健康マットレスです。
おすすめしている理由は、表面が凹凸の形状のマットレスがもたらす効果が、先にお伝えした、5つの条件をすべて満たしているからです。
表面が凹凸の形状のマットレスがもたらす効果は、次の3点です。
血流、リンパの流れを妨げない
ムアツ、整圧、エアーに代表される表面が凹凸になった寝具は、その形状により、身体がマットレスに密着していません。そのため、背中の毛細血管がつぶれたり、圧迫を与えないため、血流やリンパの流れを妨げないのです。血流、リンパの流れがスムーズに流れると、疲労回復もしっかり可能になります。
これにより、満たされる条件は、先の
1.身体の疲労回復が可能な寝具
2.体に負担がかからない寝具
になります。
寝がえりを打つ回数が減る
体が密着し、さらには、腰が沈んでしまうような敷き布団やマットレスに眠ると、寝がえりを一晩のうちに、50~60回もしてしまうということが伝えらています。寝返りを打つことで、身体の圧迫を回避しているわけですが、一方、内臓にも負担が掛かり、熟睡を妨げていることにもなります。
凹凸形状のマットレス、具体的には、ムアツふとんの場合、寝返りの回数が、15~30回とメーカーの検証結果が出ています。寝返りのたびに起こる内臓への負担が減少されます。また、寝返りの回数の減少により、仰向けに寝ている睡眠時間が、一晩の睡眠時間の60%となり、熟睡の時間が増えることにつながります。(寝がえりを50-60回繰り返す場合は、仰向けで寝ている睡眠時間は、一晩の睡眠時間の15%)
寝返りを打つことは、快適な睡眠のために必要ともいわれていますが、身体に圧迫がなく、暑さや発汗などの不快さを身体が感じなければ、寝返りを打つ必要性がないわけです。寝返りを打つ必要性を、最小限にしたのが、ムアツ、整圧、エアなどの凹凸形状のマットレスということになります。
これにより、満たされる条件は、先の
1.身体の疲労回復が可能な寝具
2.体に負担がかからない寝具
3.睡眠中の生理的な体温の低下、発汗量の増加に対応した寝具
になります。
湿気がこもらない、蒸れない
ムアツ、整圧、エアーに代表される表面が凹凸になった寝具は、上質なポリウレタンフォームで、凹凸形状になっているため、湿気をマットレスの中にこもらせません。一般的な敷き布団は、綿わた、ウールわたなどが使われ、吸湿性は優れていても、放湿機能がない、もしくは、限られているために、どうして湿気が寝具の中にこもってしまいます。
湿気のこもった敷き布団は、干したり、ふとん乾燥機を使い、湿気を発散させる必要があります。湿気がこもった寝具で眠ると、発汗性がさらに高まり不快さを感じたり、湿気が冷たくなり身体を冷やしたりして、熟睡の妨げになります。また、カビ、ダニなどが発生する原因となり、不衛生になるからです。
湿気がこもらないマットレスにより、満たされる条件は、先の
3.睡眠中の生理的な体温の低下、発汗量の増加に対応した寝具
4.手入れをしなくても、衛生的に使える寝具
5.干さなくても、湿気対策を気にする必要がない寝具
になります。
表面が凹凸状のムアツ、整圧、エアーなどの健康マットレスは、上記のほかにも、ホコリがたたない、ダニを寄せ付けないですとか、寝姿勢を正しく保つなどの、快眠のために良い条件もございます。
寝具用湿気取りシート
寝具の手入れに掛ける時間は、ほぼ無い条件での生活をしてらっしゃることでしょう。手間をかけずに、寝具の気対策ができるのが、寝具用湿気取りシートになります。
凹凸形状の快眠マットレスの下に敷いて使います。敷くだけで、湿気を吸い取りますので、マットレスの下の畳やベッドマットレス、または、フローリングがかびたり、湿気により傷んだりすることがありません。
これにより、満たされる条件は、先の
4.手入れをしなくても、衛生的に使える寝具
5.干さなくても、湿気対策を気にする必要がない寝具
になります。
羽毛布団もしくは、ホコリの出ない化繊わたの掛け布団
掛け布団は、軽くて保温性の高いものが、体に負担がかからず、熟睡を可能にします。上質な羽毛布団、もしくは、ホコリの出ない化繊わたの掛け布団が、その条件を満たします。いずれも、寝具の手入れが必要ありませんので、掛け布団には最適です。
これにより、満たされる条件は、先の
3.睡眠中の生理的な体温の低下、発汗量の増加に対応した寝具
4.手入れをしなくても、衛生的に使える寝具
5.干さなくても、湿気対策を気にする必要がない寝具
になります。
ご自身の好みや身体に合った枕
最適な枕は、個人差が大変ありますので、必ず、お子さまご自身で選んでいただくことをおすすめしています。好みの固さ、身体に合った高さの枕は、睡眠の質に影響します。枕の固さの好み、首、背中の形状による適した高さは、ご本人が実際に試さないと選べません。お忙しいアスリート生活と思いますが、気に入った枕、適した枕をご自身で選んで、持たせてあげてください。
条件としては、高さ調節が、ご自身で可能なものをお選びになることもおすすめしています。体調、季節によって、枕の適した高さが変わることは多くあり、簡単に高さ調整をご自分でできることが、快眠につながるからです。
これにより、満たされる条件は、先の
1.身体の疲労回復が可能な寝具
2.体に負担がかからない寝具
になります。
タオルケット、カバー、シーツ類
補助寝具となる、タオルケットは、好みの素材や掛け心地でお選びください。カバーシーツ類は、好みの肌ざわりはもとより、お手入れのしやすいもの、乾きやすい素材をお選びになることをおすすめしています。
肌に実際に触れるものになりますので、好みの素材で選ぶのが、心地よく眠ることにもつながります。
以上が、スポーツ選手をお子さまに持つ親御さまへお伝えしている、寮生活で質の良い睡眠ができる寝具のご回答になります。
自信を持って、今回ご紹介しているのは、実際の事例と、アスリートの親御さまとの会話の経緯があるからでございます。私どものお客さまのご子息さま方で、上記の寝具を、ジュニア時代や学生時代の寮生活で使って、先だってのリオオリンピックに出場、入賞した選手の方がいらっしゃったのも事実です。
ご相談をお受けして、色々お話をして、その結果、何をお選びになるかは、親御さまです。事例の中でも、すべてのお客さま方が、上記をお選びになっているわけではありません。この記事が、親御さま、もしくは、アスリートのお子さまご本人にとって、本当に快眠できる健康寝具を、じっくり納得してお選びできるご参考になれば幸いでございます。
寝具によって、睡眠の質は、確実に変わります。スポーツ選手、アスリートの皆さまが、寝具のプロに相談することで、寝具を選ぶという負担がなくなり、パフォーマンス向上に集中していただければと願っています。
ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。
この記事を書いた人
シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。
専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。
前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。
たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。
ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。