公開日:2013.12.12

羽毛布団の価格は、どうして差があるのですか?

羽毛布団の価格は、1万円台から200万円以上の品までさまざまです。なぜ、このように価格に差があるのか、値段の違いによって、どう違いがあるのか、疑問を持たれる方が多いようです。羽毛布団の価格は、次の3点によって決まります。そして、その3点の品質の違いが、価格の違いとなってまいります。ここでは、羽毛布団の価格に差がある理由、をお伝えします。

羽毛布団の価格に差がある理由

羽毛の品質

品質の良い羽毛は、ダウン(ダウンボール)の一粒が、大きい

品質の良い羽毛は、ダウン(ダウンボール)の一粒が、大きい

羽毛布団の価格の違いは、やはり、中に使われている、羽毛(ダウン)の品質の違いが大きく影響します。一粒のダウン(水鳥の胸毛の部分のタンポポの綿毛のような、ダウンボールと呼ばれている)が、大きいものほど、羽毛(ダウン)の品質が良い、とされています。

具体的には、極寒地方で3~4年飼育された水鳥、マザーグース、の胸毛で、職人さんの手によって、丁寧に採取された羽毛(ダウン)は、大粒のものが多く上質です。羽毛の粒が大きいと、空気をたくさん含ませることができ、大きく膨らみ、保温力が高くなります。

逆に、ダウンと表示されていても、赤ちゃんの水鳥からとれたような、羽毛の毛羽が全くないような、粒の小さなダウンは、品質があまり良くありません。理由は、羽毛の毛羽が短いと、その一粒のダウンに、空気を含ませることができず、保温効果が期待できないからです。

羽毛の原毛が、羽毛布団に使われるまでには、羽毛の粒の大きさの振り分け、洗浄の工程が加わります。羽毛は、ご想像されるように、非常に繊細で壊れやすいものです。品質の良い粒の大きい羽毛は、一粒のダウンが壊されないように、丁寧に選別され、洗浄されます。品質が良くなれば良くなるほど、技術と手間がかかることになります。

品質の高い粒の大きなダウンボールが原毛として輸入されるまでの段階で、飼育の方法や年数、採取の方法(手摘み)などに、手間がかかります。その後、原毛が羽毛布団に使える状態にするまでにも、手間と技術がかかるということです。そして、それが、価格に反映されることにつながります。

よく頂戴する質問で、「羽毛布団で、ポーリッシュダウン90%という表示は同じなのに、どうして、価格が大きく違うことがあるのですか?」などがございます。

同じ、ポーリッシュダウン90%といえども、まず、ポーリッシュダウンの品質(ダウンの粒の大きさ) が異なれば、羽毛布団の質(価格)が変わります。大粒のダウン90%が使われているのか、粒の小さな赤ちゃんダウンが90%使われているのかで、羽毛布団の保温性は全く異なり、品質が異なります。よって、価格が異なってくるわけです。

ダウンボールの大きさが値段に反映されない例外について

ダウンボールの大きさによって、品質の良さが決まるとお伝えしていますが、例外もございます。それは、羽毛布団の最高峰といわれる、アイダーダウン羽毛布団に使われる、アイダーダウンです。アイダーダウンは、一般的なダウンとは、別次元のダウンで、一粒は決して大きくはありません。アイダーダックは、アイスランドの最北端の海岸線に生息する希少な野鳥で、その特性から、アイダーダックの羽毛(胸毛)自体に保温性があります。アイダーダックの親鳥は、卵を温めるために、自ら胸毛(ダウン)を取り、卵にまとわせるほどです。アイダーダウンの一粒の大きさは、一般の上質なマザーグースの一粒のダウンボールより、小さくなりますが、保温性は高く、価格も高くなっています。これは、例外として、記しておきます。

側生地の品質

羽毛布団に使われる、側生地のランクによっても、羽毛布団の価格は異なります。品質の良い羽毛の保温力を存分に引き立たせるには、羽毛のふくらみを妨げない軽さと、温まった空気を閉じ込める機密性のある、上質な側生地が必要になります。しなやかで、軽く、生地目のつんだ上質な生地です。

具体的には、シルク(絹)、超長綿の40綿サテン生地、特殊軽量生地、40ツイル生地などの側生地が使われると、羽毛布団のふくらみを十分に生かし、空気を閉じ込める、保温性の高い上質な羽毛布団になります。

例えば、同じ品質のポーリッシュダウンを使った羽毛布団であっても、上記の側生地が使われた羽毛布団と、それ以外の側生地が使われた羽毛布団では、保温性が変わり、さらには、耐久性も異なり、羽毛布団の質(価格)が変わってくるのです。

キルティングの方法

羽毛布団は、中の羽毛が移動しないように、マスのように仕切られた、キルティング仕様になっています。その、キルティングの方法によっても、羽毛布団の品質は異なってきます。それによって、保温性が異なるためです。

具体的には、羽毛を十分に膨らませることができる立体キルトで、さらには、体にフィットするようなお椀状のキルトがされているものが、グレードの高いキルティングとなります。

例えば、同じ品質のポーリッシュダウンで、 同じ上質な側生地を使って作った羽毛布団でも、キルティングが異なれば、保温性が変わり、品質に差が出ます。羽毛のふくらみが最大限に生かされ、体の上にたっぷりと羽毛がのり、羽毛布団が、身体に添ってくるような設計の特殊立体キルトの羽毛布団と、そうではない、単に、立体的に仕切られた通常の立体キルトの羽毛布団では、保温性、掛け心地が、まったく異なります。つまり、羽毛布団の質(価格)が変わってきます。


以上、羽毛布団の価格に反映される、3つの品質の違いをお伝えしました。

同じ羽毛の産地や入れ目(重量)、でありましても、価格が異なるのは、 羽毛布団の品質の違いと思っていただけますればと存じます。ですので、同じ産地、入れ目で、価格が異なれば、信用のおけるお店でありますれば、通常は、その品質は価格に表れている、となるのが正しいということになります。

あくまでも、”信用のおけるお店”ということが、条件でありますので、羽毛布団をお求めになられる際は、 信用のおけるお店さまで、ご自分の望む品質の羽毛布団をお選びになられるとよろしいかと存じます。また、羽毛ふとんの選び方もご参考にどうぞ。


ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。


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