公開日:2018.11.14

ぐっすり眠るための、就寝中の照明の選び方

ぐっすり眠るための、就寝中の明かりの選び方

ぐっすり眠るための、就寝中の明かりの選び方

「真っ暗にしないと眠れない」、「小さい電気をつけていないと眠れない」、など、就寝時の明かりの好みは、さまざまです。睡眠の質を高めたい方にとっては、より、深く眠れる照明を選びたいところです。ここでは、就寝中の睡眠の質を高める明かりの選び方をお伝えします。

目次

就寝中の明るさは、睡眠の質に影響する?

真っ暗にした寝室と、小さな明かりをつけた寝室、どちらが、ぐっすり眠れると思いますか?

真っ暗にした方が、深く眠れるような気がしますが、実際のところは、やわらかな小さな照明をつけたほうが、睡眠の質が高まることがわかっています。

良質な睡眠のための寝室環境の研究をされている北堂真子氏は、論文の中で

睡眠中における光の影響については、睡眠中にも瞼を通してはいる光に対する反応が生じることが確認されている。睡眠の深さに及ぼす就寝中の環境照度の影響を調べた報告では、終夜の平均睡眠深度が0.3lx で最高となり 30lx 以上では顕著に浅化する傾向が示されている。また、暗闇(0.1lx)では 0.3lx に対して顕著な浅化が認められ、50lx以上では腕や布団で顔をおおうなどの遮光動作が観察されている。睡眠中は、 0.3 ~ 1lx が推奨照度と考えられている。

(北堂,2005)
とあります。

要約すると、

  • 眠っている間も、ヒトは光を感じ、明るさが睡眠に影響を与える
  • 真っ暗な空間より、少し明かりを感じるぐらいが、いちばん深い睡眠を得られる

と教えてくれています。

睡眠の質を高めて、ぐっすり眠り、翌朝すっきりと目覚めたい方は、少し、明かりをつけたまま、眠ってみましょう。

真っ暗にしないと眠れない、という方も多いと思います。就寝中の明かりの好みは、場合によっては、それが習慣となっていて、癖の一つになっているだけかもしれません。健康的な睡眠をとりたい方は、一度、試しに、小さな明かりをつけてお休みになってみるとよいでしょう。そのほうが、ぐっすりと眠れることを実感できるかもしれません。

睡眠の質を高める、就寝中の明かりの選び方

小さな明かり、” 0.3 ~ 1lx が推奨照度”といっても、どのぐらいの明るさか、はっきりしませんよね。0.3lx(ルクス)は、室内の中がうっすら見える程度の明るさですが、実際には、どんな照明器具を使ったらよいでしょう。

睡眠の質を高めるための、就寝中の照明は、次のようなタイプを選ぶのがおすすめです。

明暗センサー付きの足元ライト

  • コンセントに差し込んで使うタイプ
  • 暖色、電球色タイプ
明暗センサー付き足元ライトが、就寝中の明かりにおすすめ

明暗センサー付き足元ライトが、就寝中の明かりにおすすめ

暖色の、明暗センサー付き足元ライトが、就寝中の明かりにおすすめ

暖色の、明暗センサー付き足元ライトが、就寝中の明かりにおすすめ

足元ライトを選ぶ理由は、目元から、明かりを離すことで、ライトの明るさを、極力少なくすることができるからです。

コンセントタイプを選ぶのは、場所を取らず、足元の邪魔にならないことです。

暖色や電球色タイプを選ぶのは、”赤みを帯びた光ほど気分を落ち着かせる作用があると言われている” からです。(北堂,2005)

明暗センサー付きを選ぶ理由は、就寝前までは、枕もとの卓上ライトを点灯させて、お休みになるときは、卓上ライトを手元で消し、消したと同時に、足元ライトが点灯するからです。

お休みの直前までは、読書などの時間を楽しみ、その後は、理想の明かりでぐっすり眠る、ということを可能にします。

明暗センサー付きのコンセントタイプの足元ライトは、1個あたり、数百円程度で購入できますので、手ごろな価格で手に入れやすい、快眠グッズの一つです。

途中で目覚めた後も、すぐに眠れるようにするためには

トイレなど、途中で目覚めた後でも、眠りにすぐに戻りやすくするためには、明かりの使い方が重要になります。

途中で目覚めてしまった時の、光の強さが、再入眠のしやすさに影響があるというのです。

前出の北堂真子氏は、

点灯時の自立系への影響は再度の消灯後にも持続することが報告されている

(北堂,2005)
としています。

つまり、トイレなどで、目覚める際、浴びる明かりを最小限に抑えたほうが、眠りに戻りやすい、と伝えてくれています。

トイレの照明は、ある程度の明かり、(JIS基準では、300ルクスを推奨)が必要ですので、あまりいじることはできません。ただ、寝室とトイレの間の、廊下の照明の明るさを最小限にすることで、再入眠しやすいように工夫ができます。

うっすらとした明かりでも、足元が危なくないようにするには、廊下も、明暗センサー付きのコンセントタイプの足元ランプが役立ちます。

顔や目で浴びる明かりを最小限にしながら、足元ライトの明かりがあれば、安全に歩けます。

高齢になると、就寝中に、何度も目が覚めたり、トイレに起きたりという状況が増えてきます。そのような状況下でも、なるべく、すぐに、眠りに戻れるように、明かりを工夫しましょう。

以上、睡眠の質を高めるための就寝中の明かりの選び方をお伝えしました。

真っ暗よりも、やさしく暖かみのある、足元ランプを活用し、ぐっすりと眠れる工夫で、手軽に簡単に、睡眠の質を高めてみましょう。

 
 
 

脚注

文献

北堂真子,良質な睡眠のための環境づくり -就寝前のリラクゼーションと光の活用-,バイオメカニズム学会誌,Vol29, No.4,2005.


ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。


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