Monthly Archives: 12月 2018

年末年始の休業のご案内

毎度ご利用いただきまして、誠にありがとうございます。

誠に勝手ながら12月29日から1月6日まで、年末年始の休暇を頂戴いたします。

インターネットショップでのご注文は、24時間お受けしておりますが、メールでのご返信、お品のご発送などは、1月7日以降、随時いたします。ご不便をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

12月28日午前9時までのご注文は、在庫のある商品につきましては、即日ご発送いたします。在庫状況により、お届けが、年明けになってしまうこともございます。ご迷惑をおかけいたしますこと誠に申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます。

冬の睡眠の質を高める、すぐできる簡単な方法

冬の睡眠の質を高める、すぐできる簡単な方法

冬の睡眠の質を高める、すぐできる簡単な方法

冬の朝、目覚めがすっきりしなかったり、疲れが残っていたり、ありませんか? 冬は、無意識の中で、睡眠の質が低下していることがあります。ある実験結果では、布団の1か所を暖めることで、冬の睡眠の質の向上を図れると示しています。ここでは、布団のどこを暖めると、効果的に睡眠の質を高め、ぐっすり安眠できるのか、と、その根拠を、お伝えします。

目次

冬、睡眠の質を高めるために、暖めるべく寝具の場所とは

布団の1か所を暖めることで、睡眠の質を、効率的に、高められるとされています。

その場所は、敷き布団やベッドの、足のあたりです。

具体的な場所は、足からふくらはぎが、敷き寝具と触れる場所です。

冬は、足のあたりだけ、暖める工夫をなさることをおすすめします。寒い季節も、ぐっすりとお休みいただけます。

足元を暖める具体的な方法は、次の項目でお伝えします。

足元だけ暖めるのが効果的、とお伝えする、根拠につきましては、この記事の最後に、まとめてお伝えします。

寝具の一部を暖める具体的な方法

敷き布団や、ベッドの足元だけでも、暖めるって、具体的にはどこ? どんなふうに? と思われる方もいらっしゃるでしょう。

敷き寝具を暖める、具体的な場所は、足からふくらはぎが、敷き寝具と触れる場所です。

足元だけ暖める、具体的な方法としては、

  • 湯たんぽで、足元を暖める
  • 足元のあたりだけ、毛布を敷く
  • 電気敷き毛布、電気ひざ掛け毛布、電気毛布を、足の部分だけ使う
  • 布団乾燥機を、足元のあたりが暖まるように使う
  • ドクターセラ温熱マットスリープコンディショナーなどの温熱治療タイプパッドを足部保温設定で使う

などです。とっても簡単で、すぐにできることもありますよね。

足元だけ、毛布を敷く場合は、毛布を足の部分がポケットになるように折って使ったり、敷き布団やベッドマットを包むようにして使ったりします。

足元用に使う、毛布の素材で気をつけたい点

毛布を選ぶ際には、気をつけたい点があります。

  1. 吸湿性の低い、化学繊維、たとえば、フリース素材やアクリル系の素材をなるべく避けること
  2. 電気毛布や電気敷き毛布は、入眠時には、スイッチをオフにすること

です。

1.吸湿性の低い、化学繊維、たとえば、フリース素材やアクリル系の素材をなるべく避けましょう

足元に毛布を敷く場合、おすすめの素材は、ウールやキャメル、シルク、綿毛布などの吸湿性のある、天然素材がおすすめです。

フリース、ポリエステルやアクリルのニューマイヤーなど化学繊維の毛布は、汗の吸湿性が低いのでおすすめしません。理由は、足にかいた汗が、吸湿性の低い化学繊維に付着し、時間の経過とともに、その湿気が冷たい水滴となって、足を冷やしてしまうからです。

足を暖めることで、効果的に、安眠をするつもりが、逆に、足を冷やして、眠りの妨げになってしまいます。

2.電気毛布や電気敷き毛布は、入眠時には、スイッチをオフにしましょう

電気毛布や、電気敷き毛布、電気ひざ掛け毛布は、ベッドや布団に入る、30分から1時間ぐらい前にセットをします。入眠時には、必ず、スイッチを切って、眠るようにします。

スイッチが入ったままですと、布団の中の温度が高すぎてしまい、深い睡眠の妨げとなります。また、電気の熱で、肌やのどを乾燥させることもあります。

冬、朝までぐっすりと、安眠するためには、スイッチは、切るようにしましょう。

冬の睡眠の質の低下と、保温による睡眠の質の向上の根拠

ここからは、この記事の内容の根拠をお話します。お伝えするのは、次の2点です。

  1. 冬は無意識の中で、睡眠の質が低下していることがある
  2. 足元を暖めることで、安眠につながる

順にお伝えします。

1.冬は、無意識の中で、睡眠の質が低下していることがある、とする理由

冬は、睡眠の質の低下を実感される方は、あまりいらっしゃらないかもしれません。

実際には、冬、無意識の中で、睡眠の質が低下していることがあります。

理由は、ヒトが生きるために備えている、体温調節機能の働きに関係するとされています。

12月~3月、仙台市内、平均外気温2.1℃、最低外温度-7.4℃で、行われた、低温の環境時の、睡眠に関する実験結果を伝えた報文によると、

睡眠時の体温調節機能は覚醒時より低下し、レム睡眠ではノンレム睡眠よりも体温調節機能が低下する。したがって、低温環境ではレム睡眠を減少し、覚醒を増加することで体温調節機能を維持していると考えられる。

(水野、水野、松浦、松尾、岩田、城島、白川、マットレスとベッドパッドの素材の違いが低温環境での入眠過程に及ぼす影響、日本家政学会誌、Vol.67、No.7、367-374、2016)
 
と伝えています。

上記は、冬など、睡眠環境の気温が低くなると、睡眠中に適した体温を維持するために、レム睡眠を減少させ、覚醒が多くなる、つまり、気温の低さによって、眠りが浅くなったり、眠りの途中に目覚めてしまう時間が増える、としているのです。

ここで、レム睡眠、という言葉をご存じの方は、

「レム睡眠は、そもそも浅い眠りのことなので、減少しても、深い眠りの時間には影響しないのでは?」

と思う方もいらっしゃるでしょう。

レム睡眠の解明を進めている、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構、林研究室の林悠氏によると、

通常レム睡眠において、レム睡眠の持続時間が長いほど、その後のノンレム睡眠で余波が増加するという、有意な正の相関が認められた。 中略 レム睡眠は、余波を増強することで、睡眠そのものの質を高める作用があると考えられる。

(林悠、レム睡眠の意義の解明、https://www.astellas.com/jp/byoutai/other/reports_h25/pdf/25-34_hayashi.pdf )

と、伝えています。

上記の、

  • 余波、余波睡眠とは、睡眠の前半で発生する、ノンレム睡眠の中で一番深い睡眠

です。
 
先の、林氏の引用を要約すると、レム睡眠が、邪魔されることなく長く続くと、その後に続く、ノンレム睡眠の、余波睡眠が、増えることがわかったと、教えてくれています。余波睡眠が増えることで、睡眠の質も高まる、と伝えてくれているのです。

最初にお伝えしたこととつなげると、

  1. 睡眠環境の温度が下がると、ヒトの体温調節機能によって、体温を適度に保とうとする
  2. 体温を適度に保つために、睡眠時、レム睡眠が減少し、覚醒状態が増える
  3. レム睡眠が減少すると、ノンレム睡眠の中でも、一番深い睡眠の、余波睡眠に影響を与え、睡眠の質が低下する

ということになるのです。

これが、冬、低温環境で、無意識の中で、睡眠の質が低下する、とお伝えした理由です。

2.足元を暖めることで、安眠につながる、とする理由

次に、足元だけ暖めることで、低温環境でも、安眠につなげることになる、という根拠をお伝えします。

前出の、仙台市で実施された、冬の低温環境時の睡眠状況を調べる実験では、保温性の高いキャメルのベッドパッドと、保温性のあまりないポリエステルのベッドパッドを使用した場合を比べ、睡眠の質の違いを明らかにしています。

結果を伝える報文によると、キャメルのベッドパッドを使用した場合のほうが、ポリエステルのベッドパッドの使用時よりも、足部の寝床内温度、皮膚の温度、温冷感が、高く、その結果、レム睡眠に影響を与えた、と伝えています(水野他、マットレスとベッドパッドの素材の違いが低温環境での入眠家庭に及ぼす影響、日本家政学会誌、Vol.67、No.7、367-374、2016)。

特筆すべきは、同報文は、足部以外の、腰の下や胸の部分においては、キャメルのベッドパッドの使用時と、ポリエステルのベッドパッドの使用時でも、足部で見られたような、違いがなかった、と伝えている点です。

報文では、

ポリエステルのベッドパッド(条件 S)およびキャメルのマットレスとベッドパッド(条件 C )を比較した。 中略 睡眠脳波記録、皮膚温、寝床内気候、衣服内気候を測定し、温冷感、湿潤感、快適感や睡眠感等の主観申告を申告させた。条件 C で条件 S よりも優位に睡眠効率、睡眠時間、レム睡眠が増加し、覚醒が減少した。中略 低温環境でのマットレスとベッドパッドの素材の違いは、睡眠、足部の寝床内温度、および足の温冷感に影響を及ぼす可能性が示唆された。

(水野他、マットレスとベッドパッドの素材の違いが低温環境での入眠家庭に及ぼす影響、日本家政学会誌、Vol.67、No.7、367-374、2016)

と結論付けています。

つまり、腰や胸の部分を暖めることは、暖めない時と比べ、睡眠の質に差はないが、足部に、保温性の高い寝具を使うことで、レム睡眠が増加し、覚醒が減少した、と伝えているのです。

冬の睡眠の質の理由をお伝えした項目で、レム睡眠が増加することは、深い睡眠のノンレム睡眠、余波睡眠を長くし、睡眠の質を高める、と記しました。

まさに、足を暖めることで、睡眠の質を高める、との研究結果となるのです。

以上が、今回の記事をお伝えした根拠になります。

 
冬、暖かく眠り、睡眠の質を上げて、すっきりと目覚めたいという方、足のあたりだけ、暖めて、おやすみになってみてください。

栃木県日光市 T.H.様より

注文してすぐ送っていただきまして有難うございました。
依然頼んだお店を忘れてしまい、
たまたまネットで見つけて頼みました。偶然でビックリしました。

何年も前のベッドシーツでがとても丈夫でいまだにゴムも伸びず使わせていただいております。
同じお店に頼みたいと思ってましたが、忘れてしまい試しに頼んでみました。

届いた物は、光沢がありゴムもしっかりしていて、頼んで良かったと思っていました。
今度は登録しておきます。


お求めいただきましたお品:
マチ30cm 新疆綿平織りボックスシーツ

東京都品川区 S.K.様より

商品到着しました。
クイーンサイズのBOXシーツは、なかなか見付からず、あっても好みに合わずで困っていました。

そろそろ、肌寒くなってきたし、暖かそうな物を探していた所、見付けました!
しかも、待たずして手元に届くなんて嬉しかったです。
起毛し過ぎず、滑らかで肌触りがしっとりしているので、寝付きが良くなりそうな予感がしています。

お店の方の丁寧な✉に安心して買い物が出来ました。ありがとうございました!


お求めいただきましたお品:
綿ボアあったかボックスシーツ(秋冬限定)

愛知県名古屋市 M.K.様より

いろいろご連絡ありがとうございます。

子供が生まれて、ベッドで一緒に寝ているのですが、
ベッドが柔らかすぎて、子供が沈み気味なのが心配で
何がないかと探していたら、
ちょうど、固めのベッドパッドを
見つけました。

届いたら、安心して寝られそうです。


お求めいただきましたお品:
固わたベッドパッド

兵庫県神戸市 N.T.様より

早速の手配ありがとうございます。
昨日届きました。マットレスと合うのをと探しておりましたところ、貴社のHPで
使用方法のアイデアに、なるほどと思い購入させて頂きました。
ボアシーツはとても暖かく、これで寒い冬も快眠できそうです。


お求めいただきましたお品:
綿ボアあったかフラットシーツ ベッド用

羽毛布団選びに役立つ、羽毛布団の品質説明に使われる用語集

羽毛布団選びに役立つ、羽毛布団の品質説明に使われる用語集

羽毛布団選びに役立つ、羽毛布団の品質説明に使われる用語集

羽毛布団を、テレビショッピングや通販など、店頭以外でお求めになる方が増えているようです。一方で、広告の雰囲気にのまれて、望む品質とは異なった商品を買ってしまったというお声も頂戴します。ここでは、羽毛布団の商品説明に、頻繁に使われる、専門用語の意味を用語集にしてお伝えします。きちんと意味を知っていれば、羽毛布団選びの失敗も防げます。望む品質の羽毛布団をご自分で選ぶ場合に、お役立て下さい。

目次

羽毛布団の品質説明で使用される用語の、五十音順インデックス

羽毛布団の品質説明で、頻繁に使われる用語を、五十音別に並べてあります。目次、早見表としてご利用ください。

用語をクリックすると、用語の説明の項目に移動します。すべて、このページ内にあります。スクロールしても、ご覧いただけます。

表の説明

  • 専門用語は、羽毛布団の品質説明に使われる用語です
  • カテゴリは、その用語がどんなときに使われるか、何を表すときに使われるかの分類を記しています

羽毛布団の品質を表す用語の、五十音順インデックス(目次)

(お知りになりたい用語をクリックしてください。意味、説明をご覧いただけます。)

 専門用語属するカテゴリ
あ行羽毛カセット羽毛布団のタイプ
 羽毛の片寄り羽毛布団の状態
 羽毛の洗浄製造過程・品質
か行かさ高品質
 キルト・キルティング仕様・品質
 グースダウン羽毛の種類
さ行シルバーグース水鳥の種類
 シルバーダック水鳥の種類
 スモールフェザー羽毛の種類
た行ダウンパワー品質
 ダウンプルーフ加工仕様・品質
 ダウンボール羽毛の種類
 ダウン率仕様・品質
 タタキキルト仕様・品質
 ダックダウン羽毛の種類
 手選別ダウン羽毛の種類
 手摘みダウン羽毛の種類
 デュエット羽毛布団羽毛布団のタイプ
 ドレープ性品質
な行2枚合わせ羽毛布団羽毛布団のタイプ
は行フィット性品質
 フェザー羽毛の種類
 ホワイトグース水鳥の種類
 ホワイトダック水鳥の種類
ま行マザーグース水鳥の種類
 マス仕様・品質
や行ヨーロッパキルト仕様・品質
ら行立体キルト仕様・品質
 ループ(8箇所ループなど)仕様・品質

羽毛布団の品質説明で使用される用語とその意味

ここからは、羽毛布団の品質説明に使われる、専門用語とその意味を、カテゴリ別にお伝えします。

  1. 羽毛布団のタイプ
  2. 水鳥の種類
  3. 羽毛の種類
  4. 羽毛布団の仕様・品質
  5. 羽毛布団の品質
  6. 羽毛布団の製造過程・品質
  7. 羽毛布団の状態

1.羽毛布団のタイプ

羽毛カセット

羽毛カセットとは、側生地が白やオフホワイト、生成り色の、無地の側生地を使った羽毛布団のことです。

掛け布団に柄や、濃い色が使われていないため、白の掛け布団カバーを使っても、中の布団の柄や色が、透けて見えません。そのため、掛けふとんカバーの色や柄を、自由に変えて、寝室のインテリアを楽しむことができます。

デュエット羽毛・2枚合わせ羽毛布団

デュエット羽毛布団、2枚合わせ羽毛布団とは、薄手の羽毛肌掛け布団と、少し厚めの合掛けタイプの羽毛布団の2枚セットになっている、羽毛布団です。デュエット羽毛布団と、2枚合わせ羽毛布団は、同じ意味です。

夏は、羽毛の肌掛け布団を1枚で、春と秋は、合い掛けタイプを1枚で、晩秋から冬は、2枚合わせて使うなど、季節の気温に合わせて、2枚を組み合わせてお使いいただけます。気温や、保温性の好みを、自由に変えられるので、いつでも、快適な保温性で、快眠を楽しめます。

2.水鳥の種類

マザーグース

マザーグースとは、羽毛布団の商品説明などで使われる用語で、生後3~4年の親鳥の水鳥のことを指します。数年飼育された水鳥ですので、羽毛の粒が大きいのが特徴です。

一般的な羽毛布団は、若い水鳥のダウンが使われるます。マザーグースから採取されるダウンは、貴重で、粒が大きいため、高級羽毛布団にのみ使われます。マザーグースダウンと呼ばれます。

ホワイトグース

ホワイトグースとは、羽毛布団の商品説明などで使われる用語で、白い羽毛が採取できる、がちょうに分類される水鳥のことです。

ホワイトグースから採取できる羽毛を、ホワイトグースダウンと呼びます。ホワイトグースダウンは、真っ白な羽毛で、羽毛の粒が大きいのが特徴です。羽毛の粒が大きいと、空気をたくさん含ませることができますので、保温性の高い羽毛布団を作ることができます。

ポーランド、ハンガリー、ロシア、フランスの、寒い地域で育てられたホワイトグースから採取できる、ホワイトグースダウンは、粒が大きいとされます。羽毛の品質にもよりますが、高級羽毛布団に使われるのは、上記の地域で飼育されたホワイトグースダウンが使われる場合が多くあります。

ホワイトダック

ホワイトダックとは、羽毛布団の商品説明などで使われる用語で、白い羽毛が採取できる、アヒルに分類される水鳥のことです。

ホワイトダックから採取できる羽毛を、ホワイトダックダウンと呼びます。ホワイトダックダウンは、真っ白な羽毛ですが、羽毛の粒は、グースダウンより、小さくなります。

一般的に、ダックダウンは、グースダウンに比べて、羽毛の粒が小さく、膨らみが少ないとされます。ダックダウンの品質にもよりますので、一概にはいえませんが、一般的には、グースダウンよりダックダウンのほうが、ランクが下になります。

シルバーグース

シルバーグースとは、羽毛布団の商品説明などで使われる用語で、グレーがかった色の羽毛が採取できる、がちょうに分類される水鳥のことです。

シルバーグースから採取できる羽毛を、シルバーグースダウンと呼びます。シルバーグースも、ホワイトグースダウン同様に、羽毛の粒が大きいのが特徴です。羽毛の粒が大きいと、空気をたくさん含ませることができますので、保温性の高い羽毛布団を作ることができます。

シルバーグースも、ホワイトグースダウン同様の、粒の大きさや、保温性がありますので、色の違いのほかは、あまり差がありません。ただ、白や生成り色の側生地の羽毛布団の場合、中の羽毛の色が、グレーっぽく、羽毛の品質が良くないのでは、と思われることもあります。商品の、膨らみを、実際に確認するなど、品質をしっかり見極められれば、シルバーグースでも、ホワイトグースダウンに匹敵する、品質の良い羽毛布団を手に入れることは可能です。

色の違いから、品質が同じであっても、ホワイトグースダウンの羽毛布団より、シルバーグースダウンの羽毛布団のほうが、価格が安い場合があります。

シルバーダック

シルバーダックとは、羽毛布団の商品説明などで使われる用語で、グレーっぽい色の羽毛が採取できる、アヒルに分類される水鳥のことです。

シルバーダックから採取できる羽毛を、シルバーダックダウンと呼びます。シルバーダックダウンは、グレーっぽい色のついた羽毛で、羽毛の粒は、グースダウンより、小さくなります。

羽毛布団のランクとしては、一般的には、シルバーダックダウンが、そのほかのダウンに比べて、一番下の部類になります。

例外:色のついたダックダウンで、アイダーダウンと呼ばれる、大変貴重で、保温性が特に高い素晴らしいダウンもあります。アイダーダウンは、グレーから茶色がかった色で、粒も小さいですが、保温性は、そのほかのダウンに比べて大変高く、羽毛布団の価格も、2百万円以上のお品になります。

3.羽毛の種類

グースダウン

グースダウンとは、羽毛布団の仕様を表す言葉で、白い羽毛が採取できる、がちょうに分類される水鳥から採取される、羽毛のことです。

グースダウンは、ダックダウンに比べて、羽毛の粒が大きいのが特徴です。

ただ、羽毛布団の品質は、グースダウンだから良い、ということだけでは決まりません。グースダウンの品質、粒の大きさ、量、洗浄具合、キルティング、側生地、など、様々な複合的な要素によって、羽毛布団の品質の良し悪しが決まります。

羽毛布団をお選びになる際は、グースダウンだから安心、ということではないことを、ご留意くださいませ。

手摘みダウン

手摘みダウンとは、羽毛布団の仕様を表す言葉で、羽毛を、水鳥から、人間の手で丁寧に採取した羽毛原料のことです。手で摘むことで、繊細な羽毛の粒を、壊さず、大きいまま採取することができます。

羽毛の粒が大きいまま採取できること、手間がかかることから、ダウンの中では、ランクが高く、高級羽毛布団に使用されます。

一般的なダウンは、機械で採取されるため、手摘みダウンに比べると、採取の際に、羽毛が壊れやすくなります。

手選別ダウン

手選別ダウンとは、羽毛布団の仕様を表す言葉で、羽毛の粒を、サイズ別にクラス分けする最後の工程で、人間の手によって、グレードの高い、粒が大きくきれいな羽毛だけを選別したダウンのことです。

大きく、丸い粒のそろった羽毛の粒のみが、ヒトの目で選別されていますので、手選別ダウンは、最高級羽毛布団に使われます。粒のそろった、大きい羽毛は、空気をたくさん含みますので、保温性が高くなるからです。

ダックダウン

ダックダウンとは、羽毛布団の仕様を表す言葉で、がちょうに分類される水鳥から採取される、羽毛のことです。

ダックダウンは、グースダウンより、羽毛の粒が小さくなるのが一般的です。羽毛の粒が小さくなると、保温性が少なくなります。

一般的に、ダックダウンの羽毛布団は、グースダウンを使った羽毛布団より、価格が低くなります。

羽毛布団の品質は、グースダウンだから良い、ということだけでは決まりません。グースダウンの品質、粒の大きさ、量、洗浄具合、キルティング、側生地、など、様々な複合的な要素によって、羽毛布団の品質の良し悪しが決まります。

ダックダウンの羽毛布団でも、場合によっては、グースダウンの羽毛布団より、品質が高くなることもあります。商品をしっかりと見極めることが大切です。

スモールフェザー

スモールフェザーとは、羽毛布団の仕様を表す言葉で、硬い部分がある小さい羽根のことです。どんな、羽毛布団でも、5%程度以上は、スモールフェザーが含まれています。

スモールフェザーの割合が多い羽毛布団は、かさはあっても、その分重くなり、がさごそと音がして、膨らまず、保温性が低くなります。

夏に使われる、ダウンケットと呼ばれる、羽毛の肌掛け布団は、スモールフェザーの割合が多い商品があります。それは、夏掛けは、保温性の高さより、通気性の高さが重視されるためです。スモールフェザーの割合を多くして、価格をおさえた商品を作る場合があります。

フェザー

フェザーとは、芯のある、羽根のことです。品質が確かな羽毛布団には、通常は、フェザーは使われません。

枕の素材として、使われることはあります。

ダウンボール

ダウンボールとは、羽毛布団の仕様を表す言葉で、羽毛の粒のことです。たんぽぽの綿毛のような、まるい、ふんわりと空気をたくさん含む、羽毛の粒です。

ダウンボールが大きく、形がきれいなほど、空気をたくさん含み、膨らみますので、保温性も高くなります。

ダウンの保有率の表示が、90%の羽毛布団であっても、ダウンボールの大きさが異なると、保温性は異なります。ダウンの保有率が同じであっても、大きい粒のダウンボールが入った羽毛布団の方が、グレードが高く、保温性が高くなります。

羽毛布団の品質表示タグには、ダウンの保有率は記載されていますが、粒の大きさまでは記載されていません。広告で、ダウン90%の羽毛布団が、なんと●●円!となっていても、そのダウンの粒は、とても小さい場合もあります。小さい粒のダウンボールは、保温性が低く、価格が低くなります。ダウン率だけで、羽毛布団の保温性や品質を見極めることはできません。

4.羽毛布団の仕様・品質

ダウン率

ダウン率とは、羽毛布団の仕様を表す言葉で、羽毛布団の中の詰め物のうち、ダウンが占める割合のことです。

一般的には、羽毛布団は、ダウンの割合が高いほど、保温性の高い羽毛布団である場合が多いです。ただし、ダウンは、品質の違いが、大きくあり、同じダウン率の羽毛布団でも、保温性や、グレードが、まったく異なることがあります。

理由は、ダウンの産地、品質、ダウンの粒の大きさ、洗浄の方法、採取の方法、によって、同じ量のダウンが使われていても、ダウンが含む空気の量が異なり、保温性が全く異なるからです。

羽毛布団の商品タグには、ダウン率は記載されていても、ダウンの品質は、記載されていません。羽毛布団の品質の良し悪しを、ダウン率だけで見極めることはできません。目安としては、やはり、羽毛布団の製造元、メーカー、価格を、加味して、品質を見極める必要があります。

ダウンプルーフ加工

ダウンプルーフ加工とは、羽毛布団から、羽毛が吹き出ないようにするために、側生地に施される加工のことです。

羽毛布団の側生地は、生地密度の高い、高級生地が使われるのが一般的です。羽毛が、羽毛布団の側生地の隙間から、吹き出てこないためです。羽毛の吹き出しを、さらに、防ぐために施されるのが、ダウンプルーフ加工です。

現在では、ほとんどの羽毛布団が、ダウンプルーフ加工が施されているとは思いますが、メーカー、商品によっては、施されていない場合があります。商品をお求めの差異は、ダウンプルーフ加工の施された、側生地の、羽毛布団を求めることをおすすめします。

キルト・キルティング・マス

羽毛布団は、中の羽毛が、布団の中で移動しないように、いくつかのマスに、区切って作られます。マスの区切りを、キルト、キルティングと呼びます。

羽毛布団を、いくつのマスにキルト、キルティングするか、キルティングのタイプによって、同じ羽毛や、側生地が使われていても、羽毛布団の保温性や掛け心地が異なります。

羽毛布団のグレード、品質、掛け心地、保温性を左右する要素の一つになります。

メーカーによって、体の真上になる部分のマスを大きくお椀状にキルトして、体に沿うように、保温性を高める羽毛布団に仕上げている商品を作っているところもあります。

また、ベッドからずれ落ちにくような、ベッド用キルトを施した羽毛布団を販売しているメーカーさまもあります。

キルティングの方法で、掛け心地が変わります。羽毛布団を選ぶ際には、重要な要素となりますので、チェックポイントの一つとされることをおすすめします。

立体キルト・完全立体キルト

立体キルトとは、羽毛布団の仕様で使われる用語で、羽毛布団をいくつかのマスにキルトする際に、マチの布を使って、マスに高さをつけて、キルトする方法のことです。立体キルトをすることで、羽毛布団の羽毛が空気をたくさん含んで、膨らむことを可能にします。

羽毛布団は、羽毛の粒が空気をたくさん含んで膨らむことで、保温性を高めます。立体キルトのマチの高さによって、羽毛の特性が発揮されることになります。

現在の羽毛布団は、立体キルトの商品がほとんどです。ただ、メーカーによっては、そうでない場合もありますので、最低限の確認をしておくようにしましょう。

特に、立体キルトでも、それぞれのマスが、独立せず、一部、縫い合わせをしない、キルトの方法があります。これは、羽毛を、羽毛布団に充填する際に、一か所から、一度に入れて、そのままにしているキルトです。その場合、羽毛布団を使っているうちに、羽毛が、ほかのマスに移動してしまい、足のほうだけ羽毛があって、襟元にない、体の上にない、といった症状の原因になります。

立体キルトでも、完全立体キルトと記してある羽毛布団は、マスが、完全に独立していますので、羽毛が移動してしまうことがありません。キルトを選ぶ際は、立体キルトでも、完全立体キルトになっているかも、確認するようにしましょう。

完全立体キルトの中でも、マチの高さを変えるなどで、より、保温性や掛け心地を良くする、特殊な立体キルトの羽毛布団を作っているメーカーもあります。体の上になる部分だけ、マチを高くして、羽毛を多く入れ、保温性が高くなるようにする方法もあります。

羽毛布団をお選びになる際、立体キルトのタイプが、どのようになっているかも、確認すると、望む品質の羽毛布団を見極める、一つのポイントになります。

ヨーロッパキルト・タタキキルト

ヨーロッパキルト、タタキキルトとは、羽毛布団の側生地の表と裏を、そのままぬ合わせるキルトの方法です。羽毛布団のマスに、高さがないキルトの方法です。

保温性の高さを重視しない、羽毛の肌掛け布団に使われるキルティング方法になります。

ループ(8箇所ループなど)

羽毛布団のループとは、羽毛布団の仕様で使われる用語で、8箇所ループ、10箇所ループと表示されているのは、羽毛布団と掛けふとんカバーがずれないように、結束するための、ループの数のことです。

8箇所は、羽毛布団の四つ角と、それぞれの辺の中央に、ループ(輪)が縫い付けられています。このループに、掛けふとんカバーに縫い付けられている、ずれ防止の紐を結束します。(リンク)結束することで、羽毛布団が、掛けふとんカバーの中で泳いだり、ずれたりせずに、心地よく、掛けていただけます。

10箇所ループの場合は、羽毛布団の四つ角、左右の辺の中央、足の方の辺の中央、襟元の辺には、3箇所、合計10箇所にループが縫い付けられている羽毛布団になります。よりずれないための仕様ですが、掛けふとんカバーも、10箇所同じ場所にないと、上手に結束できません。掛けふとんカバーの紐の数も、確認するようにしましょう。

5.羽毛布団の品質

かさ高・ダウンパワー

かさ高やダウンパワーとは、羽毛のふくらみの度合い、高さを表す用語です。かさ高やダウンパワーの数値が高いほど、羽毛が膨らむ力が強く、空気をたくさん含み、保温性が高い羽毛布団になるという数値です。

かさ高は、JIS(日本工業規格)で定められた数値で、円柱の中に、羽毛30gを自然落下させ、その後、120gの円盤をのせ、2分後の、円柱の底から円盤の位置までの高さで表されます。

ダウンパワーは、羽毛原料1gあたりのふくらみを体積で示した数値です。

メーカーによって、羽毛布団の品質を表す際に、表示している場合とそうでない場合があります。羽毛布団を選ぶ際の一つの目安になります。

ドレープ性・フィット性

羽毛布団のドレープ性、フィット性とは、羽毛布団を掛けたとき、羽毛布団がどれだけ、体に沿うようにフィットするかを表現するときに使う用語です。

高級羽毛布団、掛け心地や保温性の高い羽毛布団は、ドレープ性やフィット性が良い、高いとされます。

ドレープ性やフィット性の高さは、羽毛布団の側生地の品質、キルティングの方法、羽毛の品質の高さによって異なります。

羽毛布団の側生地に、品質の高い超長綿で、糸番が細く、密に織られ、軽く上質な生地が使われると、体に沿うような、フィット性の高い羽毛布団になりやすくなります。

羽毛布団のキルトが、お椀のような、羽毛布団の内側が、丸く膨らむようなキルトが採用されていると、体と羽毛布団の間に、隙間ができにくくなり、フィットして、保温性が高くなります。

羽毛の品質が高いと、粒が大きく、きれいな形で、均一になりますので、羽毛が空気をたくさん含み、体に沿うように膨らみます。ドレープ性やフィット性が高い羽毛布団となる一つの要素です。

上記のような要素が、複合的に合わさって、ドレープ性やフィット性が高くなり、保温性が高く、掛け心地の良い羽毛布団になります。

ドレープ性やフィット性の高い羽毛布団をお選びになりたい場合は、側生地の品質、キルトの方法、羽毛の品質を、確認するようにします。高級羽毛布団であるほど、ドレープ性が高くなりますので、ある程度の予算を見込むことも、頭に入れておきましょう。

6.羽毛布団の製造過程・品質

羽毛の洗浄

羽毛の洗浄とは、羽毛布団の製造過程で行われる工程の一つです。洗浄具合で、羽毛布団の品質に影響します。

羽毛の原毛は、水鳥から採取されて、そのまま、日本に輸入されます。洗浄することで、羽毛布団に使える状態にします。水鳥の羽毛の原毛の状態では、ゴミや汚れが付着しています。それを、工場で、洗浄して清潔にします。

メーカーによっては、洗浄を7回繰り返して、羽毛布団の中材として使う会社もあります。洗浄を繰り返すことで、羽毛に付着した汚れが取り除かれ、においはもちろんのこと、アレルギーの原因を取り除き、空気をたくさん含むことも可能にします。

洗浄具合を、羽毛布団の特性として、表示している羽毛布団は、その特性の表示内容が正しい場合は、清潔で、安心で、丁寧に作られた羽毛布団ということもいえるでしょう。

7.羽毛布団の状態

羽毛の片寄り

羽毛の片寄りとは、羽毛布団の羽毛が、均一でなく、片寄ってしまうことを表現する言葉です。羽毛の片寄りがある羽毛布団は、足元にだけ羽毛が固まってしまうなど、羽毛布団の品質が、一定水準以下で、保温性も期待できない商品の状態です。

羽毛の片寄りが、新しい羽毛布団で発生してしまった場合は、キルティングの方法が、粗悪だったということになるでしょう。

数年使っているうちに、羽毛の片寄りが発生した場合は、キルティングの方法が、完全立体ではなかった、使っているうちに、側生地が傷み、羽毛が移動してしまったといったことが考えられます。

羽毛の片寄りが生じた羽毛布団は、保温性がなく、掛け心地が悪い状態ですので、羽毛布団のリフォームや、買い替えで対処することをおすすめします。

以上、
羽毛布団選びにお役立ていただくために、羽毛布団の品質説明で使われる用語の意味をお伝えしました。

羽毛布団の品質は、一つの要素、例えば、羽毛の産地やダウン率では、決められません。羽毛の品質、産地、側生地、キルティングなど、様々な要素が合わさって、グレード、掛け心地が決まります。

じっくりと、商品を吟味することで、ご満足する羽毛布団を選んでいただければ幸いです。

セミダブルに二人は狭いですか? 快眠に必要なベッドの幅とは

セミダブルに二人は狭いですか? 快眠に必要なベッドの幅と

セミダブルに二人は狭いですか? 快眠に必要なベッドの幅と

「セミダブルのベッドは、二人で寝るには狭いですか?」と、お問い合わせを頂戴します。セミダブルならどうにか大丈夫なのでは、と思ってらっしゃる方が多いようです。ここでは、セミダブルのベッドの幅の疑問にお答えし、快眠に必要なベッドの幅をお伝えします。

目次

「セミダブルのベッドは、二人で寝るには狭いですか?」

「セミダブルのベッドは、二人で寝るには狭いですか?」の、お答えは、下記の二つです。

  1. セミダブルのベッドは、日常的に、お二人でお休みになるには、おすすめはしません。お二人で眠るには狭いです。
  2. 日常ではなく、来客時の対応として、お二人で眠るには、お使いいただけます。来客時だけなら、狭くても、どうにかお使いいただけます。

結論は、毎日お二人で使うには、幅が狭く、心地よく眠れない、ということになります。

理由は、セミダブルベッドの幅は、120cm で、お二人で眠ると、一人当たりのベッドの幅が、60cm しかない点にあります。

一人当たりのベッドの幅が、60cm ですと、

  • 仰向けの状態のままならば、横たわるのに可能なサイズ
  • 寝返りをするには、狭すぎるサイズ
  • ゆったりと心地よく眠るには、狭すぎるサイズ

なのです。

もう1点、セミダブルのベッドには、枕をふたつ、横に並べられない、ということもご承知ください。普通サイズの枕は、巾が63 ~ 65cmです。枕を二つ並べると、126~130cmです。セミダブルのベッドの幅が、120cmですので、二つ並べるとはみ出てしまいます。

上記のことから、セミダブルのベッドにお二人で眠るには、毎日の快眠には適さず、来客時の非日常の使い方には対応可能、なサイズ、となります。

「ひとりあたり、幅が60cmって、そんなに狭い?」と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。

一人当たりのベッドの幅、60cm が、寝返りには狭すぎる、としている根拠を、次の項目でお伝えします。

一人当たりに必要なマットレスの幅

一人当たりのベッドの幅が、60cm だと、寝返りをしたり、ゆったりと心地よく眠ったりするには、狭すぎる、とお伝えしました。その理由は、寝返りをするために、必要な、一人当たりの寝具の幅が、60cmでは足りないとされているからです。

一般的に、寝返りに必要な、寝具の幅は、肩幅プラス右側に 20cm 、左側に 20cm が必要とされています。

AIST人体寸法データベース, 1991-92 によると、日本人の肩幅は、男性の青年群で平均 45.6cm、男性の高齢者で平均 42.6cm、女性の青年群で平均 40.8cm 、高齢者で平均 39.9cm です。

データから計算すると、寝返りに必要な寝具の幅は、

  • 男性で、約 85cm 程度
  • 女性で、約 80cm 程度

です。いずれも、60cmより、幅が広く必要としています。

2015年に発行された、「健常者における睡眠中の寝返り回数と日間寝変動の検討」(第50回日本理学療法学術大会沙録集, VOL.42 Suppl.No.2)によると、

  • ヒトは、1日平均で、24回程度、寝返りをするとしています。
  • 多い人では、38回もの寝返りをした結果も伝えています。

20回以上繰り返される寝返りを、毎日、ストレスなく可能にするには、セミダブルベッドは、お二人で眠るには、適さないサイズということになるのです。

マットレスの幅の違いによる寝心地の差

では、男性 85cm、女性 80cm のベッドの幅があれば、快眠できるのでしょうか?

マットレスの幅が、78cm と 100cm の場合の、寝心地の良さを比べた研究結果があります。ここで、一緒に見てみましょう。
 

睡眠にとって不可欠な役割(睡眠段階を移行させるスイッチ、血液の循環のパターンの変化を促す、体温・寝床内機構の調節)を待つと考えられる寝返りについては 100cm において、78cm よりも寝返りしやすく、睡眠時間の多くの割合を占める仰臥位および入眠時の姿勢での寝心地に統計学的優位さはなかった。
(中略)
心理評価では、 100cm において優位に寝返りしやすく、入眠感調査表による入眠感評価尺度、寝心地評価の心地よさと寝つき良さの特典が高い傾向にあった。

(木暮貴政、白川修一郎、マットレスの幅が睡眠に及ぼす影響、日本生理人類学会誌、Vol.12、No.3、2007年8月)
 
とあります。仰臥位とは、仰向けに眠ることです。

要約すると、78cm 幅と、100cm 幅のマットレスを使った実験結果では、

  • 仰向けに眠っているだけの状態では、寝心地の差は、あまり認められない
  • 寝返りのしやすさは、100cm 幅のマットレスの方が、寝やすい
  • 心理的評価結果からは、100cm 幅のマットレスのほうが、寝返りが打ちやすく、寝心地の良さ、寝つきの良さが高い

と伝えています。

このことから、寝返りをしないで、仰向けの状態では、78cm幅の寝具でも問題はないが、寝返りをすることを考慮に入れた場合、ベッドの幅、男性 85cm、女性 80cm の数値は、最低限の数値で、ストレスなく寝返りをして、心地よく眠るには、ベッドの幅は、100cm が望ましい、となります。

マットレスの幅によって、ヒトは、寝心地の感じ方が変わるということがわかります。毎日の健康や元気につながる、心地よい睡眠を、無理せず確保しようとするならば、お二人用のベッドのサイズも、その点を考慮して選びたいところです。

快眠のための二人用ベッドのサイズ

では、快眠をするための、二人用のベッドサイズは、どんなサイズのベッドになるのでしょう。

前出の研究結果から、寝返りが打ちやすく、心理的にも寝心地が良く感じるのに必要な、一人当たりの寝具の幅は、100cm です。

お二人が一緒に寝るベッドで、それぞれが、ストレスなく寝返りできて、快眠できるベッドのサイズとしては、

  • 140cm 幅のダブル、一人当たりの幅 70cm
  • 155cm 幅のワイドダブル、一人当たりの幅 75cm
  • 160cm 幅のクイーン、一人当たりの幅 80cm
  • 170cm 幅のワイドクイーン、一人当たりの幅 85cm
  • 180cm 幅のキング、一人当たりの幅 90cm

の、いずれも、残念ながら、幅が満たないということになります。

心地よさを追求するならば、

  • 200㎝ 幅のワイドキング、一人当たりの幅 100cm
  • がベストということになるでしょう。

    100cm幅は、ちょうど、シングルサイズのベッドの幅です。200㎝幅のワイドキングは、シングルベッドを2台並べて、1台としてお使いいただくサイズになります。

    ワイドキングと聞くと、寝室のスペースが気になるという方もいらっしゃるかもしれません。

    6畳の広さがあれば、シングルベッドを2台並べてお使いいただけます。

    二人用のベッドサイズをお探しの方は、もし、毎日の快眠、安眠を第一に考えるならば、キングサイズよりさらに広い、シングル2台並べるワイドキングサイズを、検討してみることをおすすめいたします。