昼寝は何分とるのがよいの? 効率的に昼寝する方法

「お昼休み、昼寝をしたら、頭がすっきりした」「昼寝をしたのに、ぼーっとして、午後の効率が悪かった」など、昼寝は、効果を感じるときと、そうでないときがありますよね。昼寝の取り方によって、その効果も変わってしまうとされています。ここでは、午後の行動の効率性を上げるための、昼寝の方法をお伝えします。

昼寝は何分とるのがよいの? 効率的に昼寝する方法

目次

効果的な昼寝の長さ

効果的な昼寝のためには、適切な昼寝の長さで目覚めることが大切です。

  • 効果的な昼寝の長さは、20分程度が最適

とされています(堀、2008)。最適とは、20分程度の昼寝で目覚めると、日中の眠気が解消され、すっきりと目覚め、午後も活動的になる、ということです。

逆に、30分を超える昼寝は、起きた後、ぼーっとした眠気が残り、その後の行動の正確性などに影響がでてしまいます(堀、2008)。

20分が最適な昼寝の長さである理由

20分が最適な昼寝の長さである理由は、ヒトの睡眠のしくみによります。具体的には、ヒトは、目覚めのタイミングで、強い眠気が残ったり、疲労感が発生してしまうことがある、というしくみです。ここでは、くわしく、その理由をお伝えしていきます。

20分が最適である理由は、次の2点を知り、組み合わせることで、はっきりと見えてきます。

  1. ヒトの眠りのリズムは、睡眠の深さによって構成され、90分の周期になっていること
  2. 目覚めるタイミングで、目覚めた後に、脳や体の意識がはっきりしない睡眠慣性とよばれる状態が発生すること

上記の2点を、順番に説明していきます。

まず、睡眠のリズムについてです。

睡眠に関心のある方は、下のような図をご覧になったことがあるかもしれません。これが、睡眠のリズムを表した様子です。

 睡眠のサイクル(堀、2008)

睡眠のサイクル(堀、2008)

上の図は、浅い眠りから始まり、段階的に睡眠が深くなり、一番深い睡眠に達した後、再び、浅い眠りに戻る様子を示しています。この一つの周期にかかる時間が、90分です。

次に、目覚めのタイミングで起こる、睡眠慣性についてです。

睡眠慣性の詳しい説明は、「目覚めても、強い眠気が残る、睡眠慣性の原因と対処法」に記載をしていますが、簡単にお伝えすると、目覚めるタイミングで、目覚めた後に、強い眠気や疲労感が残ってしまう、という現象です。

具体的には、浅い睡眠の途中で目覚めると、睡眠慣性の発生が弱く、すっきりと目覚められますが、深い睡眠の途中で目覚めると、睡眠慣性の発生が強く、目覚めた後、強い眠気や疲労感が残ってしまう、という状態が発生します(堀、2008)。

勘の良い方は、もう推測ができるでしょう。睡眠の深さのサイクルが決まっていて、睡眠慣性の発生するタイミングもわかっているので、睡眠慣性の影響が一番少ないタイミングで目覚めるのが、ベストな昼寝の時間ということになるのです。

90分の睡眠サイクルの中で、深い睡眠状態になるのは、睡眠が始まってから、

  • 青年から若年成人は、15~20分程度
  • 中高年は、30分程度

経過してからといわれています(堀、2008)。

浅い睡眠の間に目覚めれば、睡眠慣性の影響が少ないので、深い睡眠に入る前に、目覚めれば、すっきりと目覚められます。

つまり、昼寝に適した長さは、

  • 青年から若年成人は、15~20分以内
  • 中高年は、30分以内

となるのです。

午後を効率的に過ごすための昼寝のタイミング

効果的な昼寝の長さが分かったところで、ここからは、いつ、昼寝をすれば効果的か、をお伝えします。

結論からお伝えすると、昼間の眠気のピークに合わせて昼寝をする、または、ピークの前に昼寝をする、の、二つのタイミングがあります。

え? 昼間の眠気のピークって、いつ?

日中の眠気を一番強く感じる時間帯は、いつだと思われますか?

答えは、14時です。多くの方が、やっぱり、と思われたのではないでしょうか。ご自身の体験から感じる、昼間の眠気のピークと同じ、という方も多いでしょう。

ですので、効果的に昼寝をとるには、

  1. 日中の眠気のピークの、14時にあわせて昼寝をして、眠気を解消する
  2. 12時過ぎに昼寝をして、14時の眠気のピークを予防する

の、どちらかがおすすめです。

昼寝の効果

医学博士の堀忠雄氏は、著書の中で、14時から20分の昼寝をとった効果と、12時20分から、20分の昼寝をとった効果とを比べた、実験結果を紹介しています。ここでは、実験結果の中で、興味深かった点をご紹介します。

14時から20分の昼寝の、実験結果からみた効果

  • 14時からの昼寝によって、眠気の強さは解消され、眠気の解消は、その後、2時間持続する。
  • 14時からの昼寝によって、覚醒度を測定するためのテストの結果に、効果がみられる。昼寝をしないと、15時以降に正解率の成績が下がるが、昼寝をすると、昼寝の後2時間は、正解率の成績が向上する。

(堀、2008)

12時20分から20分の昼寝、実験結果からみた効果

  • 12時20分からの昼寝によって、13~15時まで、眠気の強さが標準以下となり、昼間の眠気の予防となる。
  • 12時20分からの昼寝では、覚醒度を測定するテストの成績結果は、向上とはならなかったが、成績の自己評価に、よい現象がみられる。昼寝をしないと、自己評価を過小評価し、心理的負担が大きくなる傾向があるのに対し、昼寝をすると、その過小評価が減少し、達成感の感じ方、心理的負担が減少傾向にある。

(堀、2008)

上記をまとめると、

  • 14時からの昼寝では、眠気の強さの解消と、その後の行動の成果に効果が期待できる。
  • 12時20分からの昼寝では、14時前後の眠気のピークを予防でき、気持ち良く午後の行動ができる。

ことがわかります。

お勤めの方は、昼休みの取る時間帯が、決められているでしょう。多くの方は、14時前の時間帯ではないでしょうか。昼休みの時間の取り方を工夫して、食後に20分の昼寝、効果をお試しになってはいかがでしょう。

日中の眠気の原因

最後に、日中の眠気の原因についてお伝えします。

昼間の眠気は、ヒトのしくみによるものです。夜の睡眠を十分取っている方にも発生します。前出の医学博士の堀忠雄氏は、著書の中で、次のように伝えています。

日中の眠気は、前の晩に十分に睡眠をとっていてもおこる。中略 昼寝は体温リズムと関連し、エネルギー戦略に組み込まれたごく自然な休止相であり、ヒトはもともと昼寝をするようにできていることをしめしている。

(堀、2008)

上記は、昼間の眠気は、個々人の生活の違い、前日の睡眠の長さの違い、によって発生するのではなく、夜の眠りと同様に、ヒトのしくみに組み込まれている、と伝えてくれています。

昼間に眠くなることや、昼寝をすることに、ちょっと後ろめたさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。ヒトのしくみによるものだと知ると、ちょっと安心しませんか?

20分の昼寝、14時までのお昼休みの間に、組み込んで、午後の時間を、効率的にお過ごしになると、毎日の生活に良い変化が期待できるかもしれません。なんとも楽しみなことです。

 
 
 
文献

堀忠雄、(2008)『睡眠心理学』株式会社北大路書房.

宮崎総一郎、林光緒、(2017) 『睡眠と健康』一般財団法人放送大学養育振興会.


ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。

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