睡眠におすすめの香りと使い方。香り効果はあるの?

「安眠におすすめの香りはありますか?」「寝室には、どんなアロマを選べばよいですか?」と、お問い合わせを頂戴します。ご自宅でアロマを楽しむ方が増え、寝室には、心地よく眠れるアロマを準備したい、というお声を多く聞くようになってきました。ここでは、睡眠時におすすめの香りと、使い方、香りの効果についてお伝えします。

睡眠におすすめの香りと使い方。香り効果はあるの?

睡眠におすすめの香りと使い方。香り効果はあるの?

目次

睡眠におすすめの香り

睡眠におすすめの香りとして、ここでは、アロマテラピーに使われる、エッセンシャルオイルの香りの種類をお伝えします。

香りの種類をお伝えする前に、エッセンシャルオイルとは、と、その効果について、少しお伝えしておきます。

エッセンシャルオイルとは、”さまざまな芳香植物の全草、花、草、根や種子などから抽出された100%天然の比較的沸点の低い低分子量の非水溶性混合物”です(今西,2008)。精油とも呼ばれています。

香りを楽しむものとして、アロマオイルがありますが、エッセンシャルオイルとは、区別されます。エッセンシャルオイルは、100%天然成分であるに対し、アロマオイルは、合成香料が含まるとされています。

エッセンシャルオイルの効果について、医学博士で総合医療やアロマセラピーの専門家の今西二郎氏は、次のように伝えています。

エッセンシャルオイルには、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、鎮痛作用、抗不安作用、抗うつ作用、リラクゼーション誘導作用などさまざまな薬理作用がある

(今西,2008)

ここでは、アロマテラピーの専門家の文献をもとに、睡眠におすすめの香りをお伝えしていきます。

寝室で使いたい、睡眠におすすめの香りは次の通りです。

  1. ラベンダー
  2. 白檀
  3. 沈香
  4. シダーウッド

(宮崎,林,2017)

白檀は、サンダルウッド。沈香は、伽羅、アガーウッドが、馴染みのある名前かもしれません。

上記のほか、鎮静効果があるとされる、

  • ベルガモット
  • カモミール

をあげる専門家もいます。

上記の中で、特におすすめの香りが、ラベンダーです。

ラベンダーのエッセンシャルオイルだけ使っても良いですし、いくつかのエッセンシャルオイルをブレンドするのもおすすめです。

ブレンドの例を紹介します。先出の医学博士でアロマセラピーを医療に役立てていらっしゃる今西二郎氏が、論文の中で紹介している、不眠の症状に対するエッセンシャルオイルの処方例です。

不眠症状に対するエッセンシャルオイルのブレンド法

  • シダーウッド1滴、真正ラベンダー2滴あるいは柑橘系オイル3滴
  • ローマン・カモミール1滴、真正ラベンダー2滴あるいは柑橘系オイル3滴
  • シダーウッド2滴、ローマン・カモミール1滴

(今西,2008)

柑橘系オイルには、鎮静効果があるとされ、手にも入れやすいベルガモットを使ってみるのがおすすめです。

「ラベンダーってよく聞くけど、睡眠に本当に効果的なのかしら?」と、思う方もおられるでしょう。

実際の使い方に進む前に、ラベンダーの香りが睡眠や睡眠の質に与える影響について、お伝えすることにします。

ラベンダーが睡眠、睡眠の質に与える影響、効果

ラベンダーのリラックス効果は、すでに多くの専門家や研究で伝えられています。

リラックス効果が認められていますので、睡眠、特に、眠る前にラベンダーの香りを楽しむことは、よい影響がある、といってもよいでしょう。理由は、就寝前にリラックスできることは、快眠につながる、とされているからです(林,2017)。

では、睡眠の質との関連性はどうなのでしょうか?

睡眠学が専門で、学術博士の林光緒氏は、著書の中で次のように記しています。

ラベンダーの香りが睡眠に効果的であることが実験的に確かめられている。健常者を対象とした実験の結果では、室内にラベンダーオイルの香りを揮散させると香りがないときよりも余波睡眠が増え、実験に参加した人からもよく眠れたとの報告がえられた。

(林,2017)

上記の、余波睡眠とは、ヒトの深い睡眠、ノンレム睡眠、の中で、最も深い睡眠の状態です。余波睡眠が適切にとることが、睡眠の質に影響するとされています。

林氏は、ラベンダーオイルの香りによって、深い睡眠の時間が増え、良く眠れたと感じる 睡眠感も高まったと、伝えてくれているのです。

さらに、同著では、健常者に効果があったばかりでなく、不眠傾向者、および、不眠症患者の実験でも、睡眠改善効果がみられた、と伝えています(林,2017)。

ただ、アロマテラピーと睡眠の質との、科学的な関係性は、すべてが明確に解明されているわけではありません。睡眠学が、今だ、解明がされていない分野だからです。

睡眠の研究者の、水野一枝氏は、香りと睡眠について、著書の中で次のように記しています。

入眠および覚醒に劇的な効果を発揮するものではないが、補助的に使用することで入眠・覚醒手段の一助とすることができる。

(堀,白川,水野,ほか,2008)

私たちが、毎日の心地よい眠りのために、睡眠に効果的とされる、ラベンダーの香りを楽しみながら使うことは、否定することではなく、肯定的にとらえてよいのではないでしょうか。

寝室での香り、アロマの楽しみ方

ここからは、寝室での香り、アロマの使い方をお伝えします。

おすすめの方法は、次の通りです。

  1. アロマランプにエッセンシャルオイルを垂らして眠る
  2. エッセンシャルオイルとピロケースやシーツ、カバーに垂らして眠る
  3. リードディフューザーを使って、エッセンシャルオイルの香りを拡散させる
  4. 睡眠に効果的な香りのリネンウォーターをピロケース、シーツ、カバーに使う
  5. サシャをベッドサイドテーブルに置く

などです。

順に説明していきます。

1.アロマランプにエッセンシャルオイルを垂らして眠る

寝室で香りを楽しむ方法として、最初にお伝えしたいのが、アロマランプを使用することです。

アロマランプとは、電球の熱でエッセンシャルオイルを温めて、香りを楽しむ卓上用のライトのことです。

寝室でアロマを楽しむには、アロマランプがおすすめ

寝室でアロマを楽しむには、アロマランプがおすすめ

ベッドサイドテーブルに、ベッドサイドランプとして、このアロマランプを使います。眠る前の明かりとしての役割と、安眠を促す香りを拡散させる役割、両方効果的に使えます。

  1. ランプの明かりは、暖色系を選びます。
  2. エッセンシャルオイルの香りは、最初にお伝えした、ラベンダーを基本に、睡眠におすすめの香り選びます。
  3. エッセンシャルオイルを、アロマランプのオイルを垂らすくぼみに、数滴たらします。

心地よい香りが広がり、眠る前の時間を楽しんでいただけます。リラックス効果、質の良い睡眠も期待できれば、うれしいことです。

2.エッセンシャルオイルとピロケースやシーツ、カバーに垂らして眠る

次におすすめの方法が、エッセンシャルオイルを、数滴、ピロケース、シーツ、掛けふとんカバーの端に垂らして眠ることです。

エッセンシャルオイルは、油性なので、カバー類がしみになってしまうこともあります。万が一、シミになっても、目立たない部分に、垂らすようにしましょう。

エッセンシャルオイルの効果的な使い方で、コットンやティッシュペーパーに垂らして香りを嗅ぐことは、よく伝えられています(今西,2008)。寝室で効果的に香りを楽しむために、ピロケースやシーツ、カバーに垂らすというわけです。

香りは、1時間程度で消えていきます。洗濯すれば、匂いの残る心配もありません。

エッセンシャルオイルの香りは、最初にお伝えした中から選びましょう。

3.リードディフューザーを使って、エッセンシャルオイルの香りを拡散させる

リードディフューザーとは、エッセンシャルオイルの香りを拡散させるための器具で、小瓶の中にエッセンシャルオイルを入れ、スティックを数本立てて使います。スティックの本数で、香りの強さを調節できます。

リードディフューザーを使って香りを楽しむ

リードディフューザーを使って香りを楽しむ

寝室のベッドサイドテーブルに、リードディフューザーを置いて、香りを楽しみます。エッセンシャルオイルの香りは、最初にお伝えした中から選びましょう。

アロマがお好きな方で、日常的に、寝室を香りで満たしたい場合に、おすすめの方法です。

4.睡眠に効果的な香りのリネンウォーターをピロケース、シーツ、カバーに使う

次におすすめするのは、リネンウォーターです。リネンウォーターとは、エッセンシャルオイルと精製水が主成分の、やさしい香りの付いた水のことです。洗濯するときに柔軟剤代わりに使ったり、アイロンのスチーム代わりに使ったりして、布に香りづけして使います。

リネンウォーターの香りは、睡眠に効果的な、ラベンダーを選びます。

使い方は、

  • ピロケース、シーツ、掛けふとんカバーに、リネンウォーターを直接スプレーする
  • ピロケースやシーツ、掛けふとんカバーを洗濯する際に、リネンウォーターを柔軟剤の代わりに入れる

のどちらかです。

おすすめは、直接スプレーする方法です。

リネンウォーターは、強い香りではなく、香るか香らないか程度の、やさしい香りです。洗濯時に柔軟剤の代わりに使うと、香りは、思ったよりカバー類に付きません。あっという間に使いきってしまうので、コストパフォーマンスもあまり良くありません。

直接スプレーすれば、ほんのりとしたやさしい香りを、少ない量で、楽しんでいただけます。

5.サシャをベッドサイドテーブルに置く

最後にお伝えするのが、サシャの利用です。サシャとは、香りの小袋です。手作りもできますし、市販もされています。

手作りする際は、ポプリを小さな袋に入れたり、エッセンシャルオイルを染み込ませた布を小さな袋に入れたりします。

市販されているサシャは、かわいい絵柄の付いた小袋タイプがあります。ベッドサイドテーブルに立てかけたり、置いたりしても、かわいく使えます。

香りは、最初にお伝えした、ラベンダーや、睡眠におすすめの香りの中から選びましょう。

好みで、香りを選んでもよいの?

「香りは、好みで選んではダメなの?」
「ラベンダーはあまり好みではないのだけど、それでも効果はあるの?」

ここでは、香りと好み、その効果についてお伝えします。

香りは、好みが大きく分かれるのは、みなさんが感じるところでしょう。ラベンダーが睡眠に効果的とは知っていても、ラベンダーの香りが好みでない方もいらっしゃるでしょう。

結論からお伝えすると、ラベンダーの香りが、好みでなくても、リラックス効果はあります。ラベンダーが好みの香りであれば、その効果はより期待できる、とされています(秋吉,2015)。

アロマテラピーと看護学が専門の秋吉久美代氏は、精油成分と香りの好みが、リラックス効果にどう影響するか、の実験結果を論文で紹介しています。

ラベンダーと、ベルガモット、サイプレスの3種の香りを使って、好みとその効果の影響を調べた実験です。

実験の結果で注目する点が、二つあります。

  • 一つは、ラベンダーの香りを、嫌いと答えた人でも、好きな香り、ベルガモットやサイプレス、に比べて、ラベンダーの香りをかいだ時の方が、リラックス効果があった、という結果(秋吉,2015)
  • もう一つは、ラベンダーの香りを、好き、どちらでもない、と答えた人の方が、嫌いと答えた人よりも、リラックス効果は、大きかった、という結果(秋吉,2015)

です。

上記は、

  • ラベンダーが好みでなくても、リラックス効果はある、
  • ただ、ラベンダーが好みであれば、さらに効果は高い

と伝えているのです。

睡眠には、ラベンダーの香りが効果的とされていますが、もし、好みでなかった場合、最初にお伝えした、香りのブレンドを試されるのもよい方法でしょう。
 

以上です。

最後に、まとめとして、睡眠におすすめの香りを再度お伝えしておきます。効果は、エッセンシャルオイルの成分と好みの両方が影響します(秋吉,2015)。

リストの中から、お好みを見つけたり、ブレンドしたりして、ぜひ、心地よい眠りをお楽しみください。

睡眠におすすめの香りのリスト

  • ラベンダー
  • 白檀
  • 沈香
  • シダーウッド
  • ベルガモット
  • カモミール、など

 
 
 
文献

堀忠雄、白川修一郎、(2008)『基礎講座 睡眠改善学』一般財団法人日本睡眠改善協議会.

宮崎総一郎、林光緒、(2017) 『睡眠と健康』一般財団法人放送大学養育振興会.

今西二郎,香りと医療―メディカル・アロマセラピー,におい・かおり環境学会誌,Vol39, No.4, 2008.

秋吉久美代,リラックス効果に影響する精油成分と嗜好の関係: Lavandula angustifolia, Cupressus sempervirens, Citrus aurantium bergamiaを用いて心理的指標の検討,奈良県立医科大学医学部看護学科紀要,Vol11, 2015.

左達洋美,齋藤順子,永井正則,ラベンダーの香りがストレス負荷時の睡眠中の自律神経活動に及ぼす影響,富士山研究,Vol6, 2012.


ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。

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