清潔に使える掛け布団の選び方とお手入れ方法

「清潔に使える寝具を揃えたい」、「羽毛布団と洗える掛け布団、どちらが清潔に使えますか?」と、寝具の購入をご検討中の方から、お問い合わせを頂戴します。アレルギーなどでお困りでなくても、清潔さにこだわって寝具を選びたい方が増えているようです。ここでは、清潔に使える寝具の選び方と、お手入れ方法をお伝えします。

清潔に使える掛け布団の選び方とお手入れ方法

清潔に使える掛け布団の選び方とお手入れ方法

目次

清潔さを重視する場合の、掛け布団の選び方

清潔に使える掛け布団、というと、どんなイメージがあるでしょうか?

  • 汚れにくい
  • ハウスダスト、ダニ、カビの心配がない
  • 簡単な手入れで清潔に使える

などの特徴のある掛けふとんを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

ここでは、

  • じめっとせず、
  • さわやかに使え、
  • ハウスダストなどのアレルゲンの心配が少なく、
  • 簡単なお手入れで、清潔な状態を長く保てる掛け布団

の選び方をお伝えします。

重要なポイントは、次の通りです。

  1. 湿気のこもりにくい素材の掛け布団を選ぶ
  2. ホコリの立ちにくい素材の掛け布団を選ぶ
  3. お手入れが簡単にできる掛け布団を選ぶ

順を追って、詳しくお伝えしていきます。

1.湿気のこもりにくい素材の掛け布団を選ぶ

寝具の不衛生さ、不快さ、ダニ、カビなどの原因は、汗や室内の湿気によることが多くあります。清潔さ重視でお選びになりたい方は、湿気がこもりにくい素材の掛け布団を選ぶようにします。

湿気のこもりにくさで選ぶ場合の、おすすめの素材と、避けたい素材は、次の通りです。いずれも、掛け布団の詰めものとして使われれる、中材の素材です。

おすすめの詰め物の素材

  • 羽毛
  • 洗える合成繊維わた

避けたい詰め物の素材

  • 羊毛
  • 綿わた

寝ている間、ヒトはコップ一杯以上の汗をかきます。上記のどの素材も、掛け布団の中に、湿気が帯びないわけではありません。羽毛や洗える合成繊維わたは、羊毛や綿のわたに比べて、布団の中にこもった湿気を、容易に外に逃がすことができる、ということになります。

この点を、もう少し詳しくお伝えしていきます。

湿気が掛け布団の中にこもらない、という状態は、湿気に関する、次の3つの性能がかかわります。

  • 吸湿性
  • 放湿性
  • 透湿性

吸湿性は、湿気を吸う性能、放湿性は吸った湿度を発散させる性能、透湿性は、湿気を外に逃がす性能のことです。

布団の中に湿気をこもらせないためには、

  • 吸湿性が高く、放湿性も高い、もしくは
  • 透湿性の高さ

が必要になります。

先に挙げた布団の中材の、吸湿性、放湿性、透湿性の特性は、次の通りです。

  • 羽毛は、吸湿性と放湿性能に優れる
  • 洗える合成繊維わたは、透湿性に優れる
  • 羊毛は、吸湿性に優れているが、放湿性、透湿性は羽毛、合成繊維わたに劣る
  • 綿わたは、吸湿性に優れているが、放湿性が大変弱く、透湿性も弱い

(杉山,1981)

上記のことから、湿気がこもりにくい素材が、羽毛や合成繊維わたになります。じめっとせず、さわやかで、清潔な掛け布団をお使いになりたい方は、羽毛布団や、洗える合成繊維わたの掛け布団を検討しましょう。

もちろん、実際に、掛け布団を選ぶ際には、中材の素材の種類だけでなく、側生地や、縫製、メーカーを吟味し、品質の確かな商品を選ぶことも大切です。

2.ホコリの立ちにくい素材の掛け布団を選ぶ

清潔さを重視して掛けふとんを選ぶ場合、ホコリの立ちにくい素材の掛け布団を選ぶことも大切です。

ホコリの立ちにくさ、とは、具体的には、わたぼこり、繊維の細かなくずが、布団から発生しにくい、ということです。繊維の細かなくずは、ダニの栄養源となると、されているからです。

掛け布団の素材別の、ホコリの立ちにくさは次の通りです。ホコリの立ちにくい順に並んでいます。

  1. アレルギー対策がされた掛け布団
  2. 衛生わたが使われた掛け布団
  3. 羽毛布団
  4. 羊毛掛け布団
  5. 綿わたの掛け布団

アレルギー対策がされた掛け布団

ホコリの立ちにくさで、一番すぐれているのが、アレルギーの方向けに作られている掛け布団です。具体的な商品名では、ミクロガードの掛け布団や、フレッシュプロ掛け布団などです。

アレルギー対策がされた掛け布団は、中のわたと、側生地に特殊素材が使われているのが特徴です。中わたは、ホコリの立ちにくく、抗菌され、洗濯耐久性にも優れた、合成繊維わたが使われています。側生地は、チリもダニも通さない高密度で織られた特殊繊維の生地が使われています。

布団の中からもホコリを出さず、布団の中にもダニや塵を侵入させない構造の掛け布団です。

清潔さを一番に考える場合、特にお勧めする掛け布団です。

衛生わたが使われた掛け布団

次にホコリの立ちにくい掛け布団が、衛生わたが使われている掛け布団です。

具体的なわたの名前は、ダクロンⓇフレッシュわた、ファロンわた、エンドレスファイバーなどです。いずれも、素材は、ポリエステルに、特殊加工を施した合成繊維です。

衛生わたによって、特徴も様々です。具体的には、下記のような特徴があります。

  • 繊維を細く長く、切れ目をなくし、繊維のホコリを出さない
  • へたりにくい
  • 親水性を高くして洗濯効果を高める
  • 速乾性が高い

などです。

側生地は、洗濯後の乾きやすい素材や肌触りの良い素材、フィット性の高い素材が使われています。アレルギー用の掛け布団のような、チリやダニを通さない高密度繊維が使われてはいません。側生地の違いが、アレルギー用掛け布団と異なる点です。

衛生わたの洗える掛け布団に、アレルギー用の高密度繊維掛けふとんカバーを掛けると、ホコリ対策をさらに高めることが可能です。

羽毛布団

羽毛布団は、わたが使われませんので、わたぼこりの心配はありません。ただ、羽毛布団の品質によっては、羽毛の細かな繊維が、布団の中から出ることがあります。

品質の良い羽毛布団を、丁寧なお手入れで使用する場合、細かな羽毛繊維のホコリの心配はあまりありません。

細かな羽毛繊維によるホコリが心配になるのは、

  • 側生地から羽毛の繊維が出てしまうような、品質の羽毛布団を購入してしまう
  • 羽毛布団の中の羽毛を壊してしまうような、雑な扱いをしてしまう

場合です。

羽毛布団の品質

羽毛布団は、高品質から低品質まで、品質の幅が大きい寝具です。羽毛の品質、羽毛の洗浄具合、側生地の品質、キルティング方法の、レベルと、その組み合わせで、品質が大きく変わるからです。価格帯も広く、同じ価格でも、さまざまな品質の羽毛布団が販売されている現状もあります。

確かな品質の商品を選ばないと、羽毛の細かなホコリが、布団の中から出てしまう心配は、どうしてもあるのです。

羽毛布団の取り扱い方

品質の確かな羽毛布団でも、取り扱いを雑にすると、細かな繊維のホコリが立つ原因になります。羽毛布団の羽毛は、たんぽぽの綿毛のようにとても繊細です。繊細な羽毛が壊れないように、丁寧に扱うことが大切です。羽毛布団をたたいたり、つぶしたりすると、繊細な羽毛の粒が壊れ、細かな羽毛の繊維のホコリの原因になってしまいます。

羽毛布団は、湿気がこもりにくく、保温性が高く素晴らしい掛け布団です。ホコリを気にせず使うためには、品質の確かな商品を選びやさしく丁寧に使うことが必要です。

羊毛掛け布団・綿わたの掛け布団

羊毛や綿わたの掛け布団は、綿の特性から、どうしても、綿ぼこりが発生しやすくなります。ホコリの出にくさで選ぶ場合、羊毛や綿わたの掛け布団は、わざわざ選ぶ必要はないといってもよいでしょう。

3.お手入れが簡単にできる掛け布団を選ぶ

清潔な掛けふとんを選ぶ場合、お手入れのしやすさも、大切な要素です。

掛け布団のお手入れは、日々のお手入れと、必要に応じて行う洗濯によるお手入れがあります。それぞれのお手入れのしやすさに分けてお伝えします。

日々のお手入れのしやすさ

掛け布団の、日常的なお手入れのしやすさは、次の順番になります。

  1. 羽毛布団・洗える合成繊維掛け布団
  2. 羊毛掛け布団
  3. 綿わたの掛け布団

1.羽毛布団・洗える合成繊維掛け布団

羽毛布団や、洗える合成繊維掛け布団は、湿気がこもりにくい掛け布団です。毎日のお手入れは、

  • 掛け布団カバーを必ず掛けること
  • 掛け布団カバーを定期的に洗濯して清潔に保つこと
  • 朝起きたら、お出かけになるまでの時間、掛け布団半分に折るなどして、掛け布団にこもった湿気を発散させること

です。

天日に干す必要はなく、部屋の中で通気をする陰干しで、湿気を発散させます。梅雨時や湿気の多い寝室で使う場合は、布団乾燥機やサーキュレータを使って、十分に湿気を発散させるようにします。

2.羊毛掛け布団

羊毛の掛け布団も、羽毛布団や洗える掛け布団と、同様のお手入れですが、湿気を発散させる時間が多くかかります。

  • 掛け布団カバーを必ず掛けること
  • 掛け布団カバーを定期的に洗濯して清潔に保つこと
  • 朝起きたら、お出かけになるまでの時間、掛け布団半分に折るなどして、掛け布団にこもった湿気を発散させること
  • 布団ラックで、陰干しをすること

が、日々のお手入れになります。

羊毛の掛け布団は、天日には干さないようにします。わたが硬くなる、変色するなどの原因になるからです。

3.綿のわたの掛け布団

綿わたの掛け布団は、羊毛の掛け布団より、さらに、湿気の発散に時間がかかります。

日々のお手入れは、

  1. 掛け布団カバーを必ず掛けること
  2. 掛け布団カバーを定期的に洗濯して清潔に保つこと
  3. 朝起きたら、布団ラックで、陰干しをすること

になります。

洗濯のしやすさ

掛け布団の洗濯のしやすさの順番は、次の通りです。

  1. 洗える合成繊維掛け布団
  2. 羽毛布団・羊毛掛け布団・綿わたの掛け布団

1.洗える合成繊維掛け布団

洗える合成繊維掛け布団は、ご家庭でお洗濯が可能です。洗いたいときに、いつでも洗濯をして、清潔にすることが可能です。洗濯機の容量によっては、洗濯機でも洗える商品があります。

清潔さを重視して、定期的な洗濯をご家庭でしたい方は、洗える合成繊維の掛け布団を、一番に検討するのが良いでしょう。

頻繁にお洗濯をする必要がある方は、洗うことで清潔になる衛生わた(ダクロンⓇフレッシュ)や、乾きやすい側生地が使われている掛け布団を選ぶのがおすすめです。

ダクロンⓇフレッシュわたは、親水性に優れていますので、ほかのポリエステルわたのように水をはじきません。水分が、ダクロンⓇフレッシュわたの隅々まで染み込むことで、汚れをしっかりと洗い流せます。同じ時間洗濯して、きれいによごれを落とす効果を期待できます。

洗濯後の乾きやすさを特性に持つ、エルゴスター掛け布団という商品もあります。

洗える合成繊維掛け布団は、寝具メーカーから、さまざまな特性の商品が、販売されています。価格帯に差はあまりありません。ご家庭で洗濯をして、清潔さに特に気を配りたい方は、大手メーカーから販売されている、洗える掛け布団の種類を比較、吟味して、お選びになることをおすすめします。

2.羽毛布団・羊毛掛け布団・綿わたの掛け布団

羽毛布団、羊毛掛け布団、綿わたの掛け布団は、ご家庭での洗濯はできません。信用のおける、専門のクリーニングを利用します。

ご家庭で洗濯できる掛け布団を、清潔なお布団の選ぶ基準とする方は、羽毛布団、羊毛掛け布団、綿わたの掛け布団は選択肢から外したほうがよいでしょう。

布団のクリーニング、丸洗いの効果について

最後に、布団のクリーニング、丸洗いの効果についてお伝えします。

丸洗いの効果について、国立公衆衛生院、国立佐上病院、法政大学による実験とその結果の論文で、次のように伝えています。

機会丸洗いでは業者によるアレルゲン除去率の違いがあったが、ある業者では除去率は90%以上であった。

(坂口,井上,吉沢,ほか,1991)

実験結果と論文では、機械式丸洗いの効果について、業者によって大きな違いがあったことを伝えています。具体的には、あるアレルゲンの除去効果は、3つの業者で、除去率が、92%、64%、42%の差を示しています(坂口,井上,吉沢,ほか,1991)。

この論文結果から、ダニなどが気になり、布団のクリーニング、丸洗いをする場合、より高い効果を期待するには、クリーニングサービスの会社を選ぶことが大切、と読み取ることができるでしょう。

清潔さを重視して、掛け布団をお選びになりたい方は、その後のお手入れ方法も気になることでしょう。もし、洗濯が必要な場合は、安心して任せられる、寝具専門のクリーニングサービスを選ぶようにしましょう。不安になった際は、大手寝具メーカー、寝具専門店に相談してみるのもよい方法です。

以上、
清潔に使える掛け布団の選び方とお手入れ方法をお伝えしました。清潔な掛け布団選びにお役立ていただければ幸いです。もちろん、掛けふとんを清潔に使う基本は、必ず掛けふとんカバーを使い、カバーを定期的に洗濯することです。ご家庭の洗濯機を使って、簡単出効果の高いお手入れ方法だということも、お伝えしておきます。
 

(お断り)
本記事では、掛け布団の種類で、絹(シルク)わたの掛け布団や、麻わたの掛け布団は、選択肢に入れませんでした。理由は、季節によって使い分ける掛け布団という点、と、その2種の掛け布団は、素材の特性に惹かれてお使いになる方が多い点にあります。

 
 
文献

杉山博茂,合繊ふとんわた,繊維製品消費科学,Vol22, No.3, PP.92-97, 1981.

阪口雅弘,井上栄,吉沢晋,菅原文子,入江建久,安枝浩,信太隆夫,今井智子,布団内ダニアレルゲンの除去方法の評価,アレルギー,Vol40, No.4, PP.439-443, 1991.


ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。

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