羊毛の固わた敷き布団は、打ち直しやリフォームはできるのでしょうか?というお問い合わせを頂戴します。綿のわたの敷き布団を、大切に打ち直しをしながら長くお使いになられた方が、羊毛の敷き布団にお買い替えをご検討のときなどに、疑問を持たれるようです。固わた敷き布団は、基本的には、打ち直しやリフォームはできません。ここでは、打ち直しや、リフォームが可能な寝具と、できない、または、適さない寝具をお伝えします。
目次
打ち直しとは
かつては、布団は打ち直しをして、使い続けていくものでしたので、なじみのある言葉でしたが、時代が移り変わり、寝具の変化と共に、初めて耳にする方もいらっしゃるかと思います。まず、打ち直しの意味からお伝えします。
打ち直しとは、使っている間に固くなったり薄くなったりしてしまった、綿のわたのお布団から、わたを取り出し、専用の機械にかけて、ほぐし、わたに付着した汚れやごみを取り除き、ふんわりとやわらかく再生し、新しい側生地を使って、布団を作り直すことです。
厳密には、「わたを打ち直し、ふとんに仕立て直す」という言葉の使い方が正しいのですが、打ち直し、という単語で、布団を仕立て直す作業まで含めた意味として使われています。
打ち直しは、わたが使われている寝具の、再生、リフォーム、作り直しを意味する言葉になります。
わた以外の寝具、例えば、羽毛布団の再生には、” 羽毛布団のリフォーム “という言葉が使われます。羽毛布団の再生は、羽毛を打ち直すのではなく、洗浄することで羽毛をふっくらと蘇らせ、増し羽毛をして、新しい羽毛布団に作り直すからです。
次に、本題の打ち直しがやリフォームが可能な寝具と適さない寝具をお伝えします。
打ち直しやリフォームができる寝具
打ち直し、もしくは、リフォームができる寝具は次の通りです。上記で、打ち直しとリフォームの言葉を使い分けましたので、ここでも分けてお伝えします。
打ち直しができる寝具
基本的には、綿わたが使われている布団は、打ち直しが可能です。テトロンわた(ポリエステルのわた)が一定以上混ざっていると、打ち直しができない場合があります。
- 綿わたの掛け布団
- 綿わたの敷き布団
- 羊毛100%掛け布団
- 羊毛100%敷き布団
わたを打ち直すと、わたの容量が減りますので、仕立て直す際は、増しわたをします。
仕立て直す際は、掛け布団から掛け布団、のみではなく、例えば、掛け布団を敷き布団や、赤ちゃんのお布団、座布団などに作り替えることも可能です。
リフォームができる寝具
- 羽毛布団
羽毛布団は、数年以上使うことで、羽毛が摩耗し、へたり、ふくらまなくなり、保温力がなくなってしまった際に、その羽毛の摩耗状況により、リフォームが可能です。
実際のリフォームが可能かは、寝具店の専門家が診断して判断することになります。羽毛布団のリフォームについての詳細は、「羽毛布団のリフォームの方法と注意点」をご覧ください。
羽毛布団のリフォームも、作り直す際に、例えば、ダブルの羽毛布団をシングルサイズに、シングルの羽毛布団を、羽毛肌掛け布団に、など、サイズを変えて作り直すことも可能です。
打ち直しやリフォームができない寝具
打ち直しやリフォームができない、もしくは適さない寝具もございます。適さないとは、
- 技術的には可能だが、再生しても、新品同様な状態までにならない。
- 再生前の寝具の品質や状態が良くなく、再生しても良くならない。
- 新しい商品を求めたほうが、品質が良く、価格も低い。
などのケースになります。
下記、打ち直しやリフォームができない、適さない寝具のリストになります。
- テトロンわた(ポリエステルわた)が混ざっている掛け布団
- ポリエステル綿の洗える掛け布団
- シルクわたの真綿掛け布団
- 麻わたの掛け布団
- 麻わたの敷き布団
- 羊毛混固わた敷き布団
- 固わた敷き布団
- キルティングされてウレタンなどが使われている敷き布団
- ムアツふとんなどのウレタン素材の敷き布団
- ウォッシャブルダウンケット
- 座布団 (座布団は、打ち直しは可能ですが、状態により適さないことが多く、依頼する会社さまにご確認ください)
- 枕
- ベッドパッド
- 敷きパッド
- ベッドマットレス
打ち直しや、リフォームができない寝具は、それぞれ、寿命になりましたら、新しいものにお取り換えして、快適に使いましょう。
(打ち直し、リフォーム工場の中では、上記の寝具でも、再生をして、お客さまにお役立てされている場合もあろうかと思います。上記リストは、適さないと判断した寝具をリスト化しておりますことをご了承くださいませ。)
以上です。
打ち直しや、リフォームができる寝具とできない寝具についてお伝えしました。
寝具も、ただ眠るだけの寝具から、健康のために大切な睡眠の質を高めるための健康寝具にどんどん変化してきています。一方、今まで使っていたものを、再生して大切に使うという価値もございます。あなたさまのスタイルのあった、快適で、質の良い睡眠ができる、最適な寝具、寝具の使い方を選んでいただければと思います。
「羽毛布団のクリーニングのタイミングと注意点」や、「羽毛布団のリフォームの方法と注意点」の記事もご参考になると思います。詳しく注意点や、依頼方法などをお伝えしています。どうぞご覧くださいませ。
ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。
この記事を書いた人
シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。
専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。
前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。
たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。
ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。