ふとんクリーナーは、宣伝を目にしない日はないほど、話題、人気のある家電となっています。それに伴い、「あの布団クリーナーって、どうなの?」というご質問を頂戴します。寝具のプロとして、実際に使ってみて、「ふとんクリーナのできること」と「ふとんクリーナのできないこと」について、気づいた点をお伝えします。
(あくまでも、寝具店として、寝具のプロとしての目線からですので、本体を科学的に検証したことではありませんことをご了承くださいませ。)
目次
ふとんクリーナーでできること
できること1: ホコリ、ハウスダスト等の吸い込み
ふとんクリーナーは、シーツやカバーがかかったままの寝具の上をすべらせるだけで、シーツ、カバーの生地を吸い込むことなく、ホコリやハウスダストだけを、強い勢いで吸い込みます。
実際に、シーツのかかったベッドマットの上、ピロケースのかかった枕の上で使用してみましたところ、掃除機が床の上のチリ、ホコリを吸い込む、という感じとは異なり、物体の中のホコリなどを、吸い出す、という印象がありました。
吸いだされたゴミは、私が試したふとんクリーナーの場合、透明のケースにたまるようになっていて、何が吸い込まれたかが、すぐに目に見えてわかります。
布製品で覆われたベッド、枕、敷ふとん、マットレス、座布団など、ホコリ、ダニ、などが発生しやすい寝具の掃除には、適しているなあ、というのが個人的な感想でした。
ベッドマット、敷ふとん、敷き寝具、枕座布団などには、清潔な睡眠環境を整える1つの手段として、どうぞお使いになってみるのもよいと思います。
できること2: 紫外線による除菌
私の試したふとんクリーナーには、「紫外線の光を照射しながら、吸引をする」という機能がついておりました。
私は、製造元ではございませんため、実際の科学的検知の検証は、まったくできませんが、掃除機を作動すると、光は出ておりました。
一般的な話で、例えば、紫外線、日光には除菌作用があるともいわれますので、寝具を、ある限られた一定時間、紫外線に当てることは悪いことではありません。ですので、紫外線による除菌効果が、製造メーカーさまで、検証をされているのでしたら、その効果は、寝具にとって良いこと、というお答えになろうかと思います。
ふとんクリーナーでできないこと
ふとんクリーナーは、ホコリ、ダニ、の吸引はいたしますが、下記のことはできません。
- 湿気を発散
- 汗などによる汚れをとる
- 臭いを取る
など。
できないこと1:汗などによる汚れを取る
クリーナーは、ホコリ、ダニ、ハウスダストなどの吸引はしますが、寝具を覆う、シーツ、カバー類についた汗などによる汚れは、取れません。ふとんクリーナーを使った場合でも、定期的に、シーツ、カバー、ピロケースなどは、お洗濯をして、清潔に保つことは必要です。
できないこと2:寝具の除湿
クリーナーは、湿気の除湿はしませんので、除湿対策は、必要になります。例えば、定期的に、寝具に風を当てて湿気を取る、干して、湿気を取る、湿気とりシートを使う、布団乾燥機などを使う、などをして、湿気を発散させてください。快眠、安眠には、湿気は大敵で、寝具の湿気を発散させるお手入れはとても重要です。
気をつけたい点
私が試したふとんクリーナーの場合、吸引部の近くに、振動を与える機能がついています。実際に手を当ててみましたが、この振動は相当な力でした。
敷ふとん、ベッド、枕などは、その素材上、問題はないと思いますが、羽毛布団の場合は、この振動は、羽毛布団の中の繊細な羽毛を傷める原因になりかねませんため、私個人的には、羽毛布団には、この振動は不向きと思います。
私どもでは、羽毛布団のお手入れをご案内する際は、絶対に、ふとんたたき、布団圧縮袋は、使わないように、お話しておりますし、押入れなどに収納の際も、羽毛布団の上には、何ものせないように、お伝えしております。羽毛布団に布団クリーナーが不向きと考えるのは、それと同じ理由です。
羽毛布団の保温性は、羽毛が膨らみ、空気を含むことで、その機能を発揮します。羽毛の毛羽がなくなってしまうと、保温機能がなくなってしまいます。羽毛は、少しの衝撃でも壊れてしまうほどとても繊細なため、羽毛布団は、中の羽毛がこわれないように、やさしく扱うことが大切です。
お使いのふとんクリーナーが、ふとんたたきと同じような力が加わるのであれば、 羽毛布団には、使用しないほうがよいと思います。
以上です。
あくまでも、寝具のプロとしてふとんクリーナーを使ってみての 感想、気づいた点です。お求めの際は、ご自身で、取り扱いの店頭、実際のお品を手にとって確認をされることが大切と思います。ご参考になりますれば幸いでございます。
寝具を清潔に保つことが、安眠につながります。どうぞ、睡眠環境を清潔に保たれてくださいますように。
ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。
この記事を書いた人
シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。
専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。
前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。
たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。
ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。