ホテルなどで見かける、ベッドの足もとに掛けてある細長い布は、ベッドスロー、ベッドランナー、フットスローと呼ばれ、ベッドの上の汚れ防止や、寝室のインテリアコーディネイトのために使います。
ここでは、ベッドスローとは?、ベッドスローの使い方と選び方、さらに、ご家庭で作りたい方へ、ベッドスローの作り方をお伝えします。
「ホテルのベッド上の細い布はなんですか?」「ベッドスローってどう使うのですか?」と、疑問をいただけれていた方、ベッドスローを使ってみたい、という方、どうぞお役立てください。
目次
ベッドスローとは
ベッドスローとは、ベッドの上の足もとや中央に掛けられている細めの布で、ベッドの汚れ防止や、寝室のインテリアコーディネイトの目的で使います。フットスロー、ベッドランナーとも呼ばれています。
ベッドスローが使われ始めたのは、欧米の高級ホテルが最初といわれています。その後、欧米では、家庭のベッドでも、使われるようになり、日本にも同様な流れで知られるようになった経緯があります。
ここで、欧米のホテルが、ベッドスローを使うようになった理由をお伝えしておきます。その理由が、一般の家庭でベッドスローを使う目的と重なる点があるからです。
欧米のホテルが、ベッドスローを使うようになった理由
- お客さまが、靴のままベッドの上に横になったとき、靴の泥などで、ベッドスプレッドや白いベッドリネンが汚れないようにするため
- 白のベッドリネンに、アクセントカラーになる細いベッドスローを掛けることで、簡単に、コストを抑えて、インテリアをおしゃれに見せることができるため
- ベッドの全面をカバーするベッドスプレッドより、低価格で、メインテナンスにかかる費用も、手間も抑えることができるため
これらの理由でホテルに取り入れられたベッドスローは、素敵な寝室のインテリアを、簡単に手軽に楽しみたい方々に、自然に広まっていったのです。
ベッドスローの使い方、選び方
ベッドスローは、ベッドの足もとのあたりか、中央のあたりに掛けて使います。ベッドスローを使うと、寝室のインテリアを、簡単に、手軽に、おしゃれにコーディネイトすることができます。
寝室をおしゃれにするためのベッドスローの選び方
寝室のインテリアをおしゃれにするための、ベッドスローの選び方は次の通りです。
- 寝室のカーテンと同じ生地や、同じ色のベッドスローを選ぶ
- 寝室のアクセントカラーと同色のベッドスローを選ぶ
- 白のベッドリネンには、茶色、濃いグレイ、ネイビーなどの濃い色のベッドスローを選ぶ
- 季節に合わせて、色選びを替えてみる。例えば、クリスマスカラーやハロウィーンカラー、夏はさわやかな色にしてみるなど
- 季節に合わせて、素材選びを替えてみる。例えば、冬は、モヘアやウールのあったか素材、夏はさらっとして軽い印象のコットンやざっくりとした織生地など
- 枕カバーとベッドスローの色を合わせる
- ベッドの上にクッションを置き、ベッドスローの色をクッションと同色にする
ただ、日本では、ベッドスローは、あまり販売されていません。
手に入れるには、インテリアコーディネイトが得意なオーダーカーテンのお店で、作ってもらうか、海外からのお取り寄せになるでしょう。海外では、おしゃれなベッドスローが販売されています。
ベッドスローを作ってみる。ベッドスローの作り方
ベッドスローは、長方形です。ご自分でも、手軽に作っていただけます。ここでは、サイズの決め方、作り方をお伝えします。
- ベッドスロー作り:サイズを決める
- ベッドスロー作り:生地を選ぶ
- ベッドスロー作り:作り方
1.ベッドスロー作り:サイズを決める
ベッドスローのサイズは、特に決まりはありません。お好みの巾、丈を選んでいただいてかまいません。
ここでは、シンプルで標準的なサイズで作る場合の、サイズを例にして、お伝えします。
サイズの決め方の例
- 巾:ベッドスローの巾は、お使いの掛け布団の巾のサイズにします。
- 丈:丈は、45~50cmにします。ベッドの長さは、200cmです。ベッドスローの丈を50cmにすると、ベッドの4分の1が、ベッドスローでカバーされるイメージになります。
掛布団のサイズに合わせた、ベッドスローのサイズ例
ベッドスローの巾を決める目安となる、掛け布団の巾の寸法と、それに合わせたベッドスローのサイズをお伝えします。
例えば、シングルのベッドにシングルの掛け布団をお使いの方の、ベッドスローサイズは、150x50cmといった具合です。
下記、掛け布団のサイズとベッドスローのサイズを表にしています。
掛け布団のサイズ名と巾の寸法、ベッドスローのサイズ例
掛け布団のサイズ名 | 掛け布団の巾寸法(cm) | ベッドスローのサイズ例(cm) |
---|---|---|
シングル | 150 cm | 150×50 cm |
セミダブル | 175 cm | 175×50 cm |
ダブル | 190 cm | 190x50 cm |
クイーン | 210 cm | 210×50 cm |
キング | 230 cm | 230×50 cm |
2.ベッドスロー作り:生地を選ぶ
ベッドスローの生地は、インテリアや使い勝手の好みで選びます。使いやすいベッドスローを作るには、滑りにくく、やや厚めの生地を選ぶことがコツです。
- 濃い色の生地を選ぶと、シックに仕上がります
- ふくれ織の生地は、落ち着きがあり、おしゃれな雰囲気を作りやすいので、おすすめです
- ベロア生地は、重厚感のある寝室に合わせやすいベッドスローになります
- 織り目のはっきりしたツイルの生地は、少しカジュアルな雰囲気も楽しめます
- キルティング生地は、カントリーやカジュアルな寝室向きです
3.ベッドスロー作り:作る手順
ベッドスローは、裏地をつけて作りましょう。重みや厚みが出て、使いやすくなります。
裏地は、同生地がおすすめです。違う生地でもよいのですが、生地の収縮率が違ると、洗濯後に、表と裏の生地の大きさが違ってしまうこともあります。洗濯後に、表裏の生地の大きさが異なると、大きさの違いを修正するアイロンがけが大変になります。表地、裏地の生地の収縮率を確認して、選ぶようにしましょう。
シンプルなベッドスローの作り方です。
1.生地を裁断します
最初に決めたサイズに、幅と丈それぞれに縫いしろの3cmを加えた、同じ大きさの生地を2枚裁断します。
2.2枚の布を、中表になるように重ねます。大きい生地です。マチ針で布を止めてずれないようにして、仮縫いをしましょう。
3.縫いしろ1.5cmにします。表裏をひっくり返せる、十分な返し口の長さをとって、2枚の生地を縫い合わせます。返し口で表裏をひっくり返します。
4.アイロンをかけた後、表の周囲を縫いしろ 0.5cmで、縫います。さらに、縫いしろ1~3cm程度で、押さえ縫いや、ステッチ縫いをかけます。おさまりも良く、仕上がりもきれいです。
5.あなたオリジナルのベッドスローのできあがりです。
6.ベッドの上の足もとや、中央あたりにさらっと掛けて使います。
飾りテープを使ったり、フリンジ、タッセルを装着したりすると、もっと素敵なベッドスローになります。
以上、ホテルのベッドの足もとに使われている、ベッドスローについて、お伝えしました。ベッドスローがあると、寝室のインテリアが、ずっとおしゃれになります。
既製品の商品は、日本であまり販売されていません。インテリアコーディネイトが得意なオーダーカーテンのお店に作ってもらったり、海外から輸入したり、ご自身でつくったりして、寝室のインテリアをお楽しみください。
ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。
この記事を書いた人
シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。
専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。
前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。
たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。
ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。