「ベビーベッドのマットレスが、特殊サイズなので手作りで作ってみたいのですが、作り方がわかりません。」「ガーゼの優しい生地のベッドシーツで寝かせてあげたい。」と、手作りのベビー用シーツのご相談を頂戴します。ミシンが使える方は、赤ちゃんのために手作りをしたい、という方も多いようです。ここでは、ベビー用シーツを手作りしてみたい方に、ボックスシーツの作り方をお伝えします。
目次
- 用尺:必要な生地のサイズを決める
- 生地を準備する
- 生地を洗濯し、アイロンをかける
- 計算したサイズをもとに、生地をカットする
- 4つ角のマチの部分を作る
- ゴム通し部分を縫う
- ゴムを1周通す
- ベビー用ボックスシーツが完成
必要なもの
ベビー用ボックスシーツを作るために必要なものは次の通りです。
- 生地(用尺、必要な生地のサイズの算出法は、次をご覧ください)
- 糸
- ゴム
ここからは、ベビー用ボックスシーツの作り方をお伝えします。
1.用尺:必要な生地のサイズを決める
まず、必要な生地の用尺を計算します。用尺とは、必要な生地の長さを計算することです。次の順番で、用尺を計算します。
ベビー用ボックスシーツの用尺の計算方法
- 敷き布団、マットレスのサイズを測る
- 生地の必要巾を決める
- 生地の必要長さを決める
1.敷き布団、マットレスのサイズを測る
ベビー用の敷き布団、マットレスの、巾、丈、マットの厚みを測ります。
2.ベビーマットレスの巾から、生地の必要巾を決める
ボックスシーツは、マットレスの上から、すっぽりとかぶせるタイプのシーツです。
生地の必要巾は、マットレスの巾に、マットレスの高さと、マットレスの下に敷きこまれる部分の長さ、それに、ゴム通し部分を加えた数値です。
- マットの下に敷きこまれる生地部分は、10cm
- ゴム通し部分は、通す部分を 2cm
- 縫いしろを、1cm
で計算します。
必要巾は、次の式で求められます。
生地の必要巾=(マットレスの巾幅) + {(マットレスの厚み + マットレスの下に敷きこまれる生地部分 10cm + ゴム通し部分 2cm + 縫いしろ 1cm )x 2 }
例えば、マットレスの巾が、70cm で、厚みが 5cm の場合、
必要巾は、70 + {( 5 + 10 + 2 + 1 ) x 2 } = 106 cm になります。
3.ベビーマットレスの長さから、生地の必要丈を決める
長さは、マットレスの長さに、マットレスの高さと、マットレスの下に敷きこまれる部分の長さ、それに、ゴム通し部分を加えた数値が、必要な長さになります。
生地の必要な長さ=(マット丈) + {( マットの厚み + マットの下に敷きこまれる生地部分 10cm + ゴム通し部分 2cm + 縫いしろ 1cm )x 2 }
例えば、マットレスの長さが、120cm で、厚みが 5cm の場合、
必要丈は、120 + {( 5 + 10 + 2 + 1 ) x 2 } = 156 cm になります。
2.生地を準備する
用尺をもとに、生地を購入、準備します。
生地は、上記の必要巾より、広い巾の生地を購入できれば、生地のハギが必要ありません。ひと巾でできるので、簡単です。
上記の用尺の項目で使ったマットレスの例ですと、必要巾は、106cmですので、生地巾が、110cm 程度の普通巾の生地を選びます。長さを、最低でも、160cm 程度、購入する、という要領です。
あなたのベビー用マットレスのサイズに合わせた長さを、準備しましょう。
ベビー用のマットレスや敷き布団は、ひと巾の生地で作れるサイズがほとんどです。万が一、必要巾より、狭い巾の生地を使う場合は、ふた巾を使います。生地をひと巾プラス、不足分を剥ぎ合わせるか、中央で、生地を2枚継ぎます。
ベビーの標準的なサイズのボックスシーツですと、大人用のフラットシーツのサイズが、150x250cm程度ですので、フラットシーツを加工して作ることも可能です。
3.生地を洗濯し、アイロンをかける
生地は、洗濯すると縮みますので、まず、最初に、必ず、水通しのための洗濯をして、アイロンをかけましょう。シーツを作って使い始めてからの、縮みを防ぐことができます。
4.計算したサイズをもとに、生地をカットする
工程の1、で計算した巾、丈に合わせて、生地をカットします。
5.4つ角のマチの部分を作る
ここからは、4つの角に、マチの部分を作り、箱型にする工程です。
マチの作り方
- マチの部分の長さを計算する
- 計算した数値を三角形の1辺にして、生地を中おもてにして折る
- 折った辺を、縫い合わせ、三角形の部分をカットする
- カットした切り口がほつれないように、ジグザグミシンをかける
- 4つの角を同じように、マチを作り、箱型にする
1.マチの長さを計算する
上の図の、黒い三角形の部分が、マチになります。
マチを計算します。
黒三角形の部分は、
- マットの下に敷きこまれる生地部分、10cm、プラス
- ゴム通し部分は、通す部分 2cm プラス
- 縫いしろの、1cm
で計算しますので、
黒三角形の1辺は、
マットレスの高さ + 10 + 2 +1 になります。
例えば、マットレスの高さが、5cm の場合、5 + 10 + 3 = 18cm になります。
2.計算した数値を三角形の1辺にして、生地を中おもてにして折る
上の図の、黒三角形の部分を、生地が中表になるように、折り曲げます。
3.折った辺を、縫い合わせ、三角形の部分をカットする
1.図の、A から O まで、ミシンをかけて縫い合わせます。
2.縫った辺の外側の、三角形の部分をカットします。
4.カットした切り口がほつれないように、ジグザグミシンをかける
カットした切り口がほつれないように、ジグザグミシンをかけましょう。
5.4つの角を同じように、マチを作り箱型にする
4つの角を、同じようにして、マチを作ります。箱型が完成します。
6.ゴム通し部分を縫う
箱形のフチを三つ折りにして、1周ゴムを入れるための、ゴム通しを作ります。
ゴム通しの部分は、2cm、縫いしろを 1cm の三つ折りで、フチの全周を縫います。
ゴム通しの口を、数cm開けておくようにしましょう。その際、縫い始めと縫い終わりは、ほつれ防止のために、しっかりと返し縫いをしておくことが大切です。
7.ゴムを1周通す
縫ったゴム通し部分に、ゴムを1周通します。通ったゴムを結び合わせます。
8.ベビー用ボックスシーツが完成
ゴムが通ったら、ベビー用ボックスシーツの完成です。
以上、ベビー用の手作りシーツの作り方をお伝えしました。お好みのサイズ、生地の素材、柄、色で、赤ちゃん用のシーツが簡単に作れます。お母さまの手作りのシーツで、ぐっすりとお休みになる赤ちゃんの姿が浮かぶようです。どうぞ楽しんでお作りください。
ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。
この記事を書いた人
シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。
専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。
前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。
たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。
ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。