入院中、病院のベッドや枕が合わずに、腰が痛かったり、眠れなかったりで、つらい思いをした、というお声を頂戴します。病院のベッドは、治療や処置がしやすいサイズや仕様、硬さのため、寝にくいと感じることがあるようです。ここでは、病室のベッドが寝にくい場合におすすめしている対処法と、入院していた方々の対処の実例をお伝えします。入院中の睡眠改善にお役立てください。
目次
入院中、病院のベッドでお悩みの方に、おすすめしていること
「入院したら、病院のベッドが硬くて体が痛い」、「病室の枕が合わずに眠れない、体がつらい」といったお声を頂戴します。けがや病気で入院をし、ただでさえ、体に負担がかかる状況です。横になっている時間の長い、病室のベッドが寝にくいことで、さらにつらさを感じてしまうとのことです。
対処法として、おすすめしているのは、
- 健康マットレスや体圧分散マットレスのオーバーレイタイプや、モバイルタイプを入院ベッドの上にのせること
- いつも使っている枕や、同じタイプの枕を持参して、使うこと
です。
おすすめしている理由
入院中のベッドの寝にくさを改善するには、痛くなる原因を知って、そうならないようにすればよいわけです。
ベッドに横になっていて、腰や体が痛くなる原因は、
- 重さのある腰の部分に圧力がかかり、痛くなる
- マットレスの硬さが、体に負担をかける
- 寝姿勢が悪くなっている
- けがや病気の症状がつらく、寝返りを打てない
などです。
上記の症状を緩和するのが、健康マットレスや、体圧分散マットレスです。
具体的な商品名を、タイプ別に示したのが下記です。
- 凹凸タイプ
西川エアーポータブル、ムアツマットレスパッド - 高反発タイプ
エアウィーヴポータブル - 低反発タイプ
テンピュールトッパー
上記の商品は、硬さや体に感じる好みは、わかれるものの、いずれも、体に負担をかけずに、質の良い睡眠を実現するために作られた、ベッドの上にのせて使うタイプの薄型マットレスです。
体に負担のかかる病室のベッドの上に、薄型マットレスをのせることで、寝苦しさが軽減します。
特に、凹凸タイプのマットレスは、点で体を支え、体がマットレスに密着することがないため、寝返りを打たなくても、血流やリンパの流れを妨げません。
けがや病気の症状で、寝返りを打つことに負担がかかる方は、凹凸タイプのマットレスをお選びになると、寝返りを打たなくても、体が楽にお休みになれます。
持ち込むマットレスを選ぶ際の注意点
入院中、病室のベッドにのせてお使いになる場合、注意点があります。
- サイズを確認する
- ワンタッチタイプのラップシーツを利用する
- 病院に承諾を得る
- シーツの取り換え、洗濯は、ご家族が行う
順を追って、詳しくお伝えします。
1.サイズを確認する
病室のベッドは、サイズが、一般的なシングルサイズより、小さい場合があります。病室のベッドのサイズを確認して、ベッドの幅と同じか、狭いサイズの、マットレスを選びます。
病室のベッドより、幅の広いマットレスパッドをのせてしまうと、ベッドからはみ出たマットレスの部分に、病人の方が、手をつくなどした場合に、思わぬ事故につながることがあり、危険だからです。
先にご紹介したマットレスパッドの、サイズをご参考までに掲載しておきます。
マットレスの名前 | サイズ 幅 x 長さ x 厚み cm |
---|---|
エアー スリム マットレス シングル | 97 x 195 x 3.5 |
エアーポータブル モバイルマットスリム | 60 x 180 x 3.5 |
ムアツマットレスパッド | 97 x 195 x 5 |
エアウィーヴポータブルデュアルモード | 95 x 195 x 3 |
エアウィーヴポータブル | 97 x 195 x 4 |
テンピュールトッパーイーズ | 97 x 195 x 3 |
2.ワンタッチタイプのラップシーツを利用する
お持ち込みになるマットレスやマットレスパッドには、底にゴムが入って、くるっとかぶせるワンタッチタイプのラップシーツを使うようにしましょう。マットレスの専用シーツがあれば、専用シーツを選ぶのが安心です。
シーツがずれることないので、ストレスを感じることなく、療養に専念できます。
一般的なフラットタイプのシーツを、薄型のマットレスパッドに使用すると、ずれやすく、ベッドから出入りするたびに、病人の方が、ご自身でシーツのずれを直さないといけません。病人の方に、無駄なストレスがかかってしまいます。
ポータブルタイプのマットレスの場合、専用のシーツを、メーカーが販売していない場合があります。その場合は、サイズオーダーで作り、ご準備をされたほうが良いでしょう。
3.病院に承諾を得る
枕やマットレスを持ち込む際は、事前に、病院に承諾を得るようにしましょう。
実際に、マットレスをお持ち込みになった方々は、事前に、病院に承諾を得たとのことです。その時の様子をうかがったところ、どの病院でも、好意的に受け入れてくれたとのことです。
ただ、手術後の、集中治療室のベッドの場合は、断られたケースがあったそうです。理由は、集中治療室から病室に移動する際に、マットレスを移動ができないため、と、術後の嘔吐の可能性が高いから、とのことだったようです。
4.シーツの取り換え、洗濯は、ご家族が行う
お持ち込みになったシーツの取り換えや、洗濯は、ご家族が行います。病院が用意してくれるものではないからです。
マットレスの持ち込み、シーツの取り換えなど、付添いの方やご家族の協力が、助けになります。
実際に入院された方々が対処した実例
最後に、入院の際に、病室のベッドにマットレスを持ちこまれた方々からお聞きした状況をお伝えします。
乳がんの手術で入院された方
「入院してすぐは、病室のベッドで寝ていました。寝心地は良くなかったですが、我慢ができると思っていました。
手術後、体に大きな負担があり、病室のベッドと枕で眠ることが、さらにストレスとなったため、家族に頼んで、エアーモバイル マットレス スリムサイズと、普段使っている枕を持ってきてもらいました。
病院に、持ち込みの可否を尋ねたところ、まったく問題はありませんでした。
ポータブルのマットレスをのせただけで、体がとても楽になり、体に負担をかけずに、ベッドに横になっていることができました」
脳神経の手術で入院された方
「事前に、病院のベッドは寝にくいと聞いていたので、枕とエアーポータブルを病室に持ち込ませてもらいました。
手術の後は、集中治療室で、一夜を過ごした後、問題がなければ、病室に戻る予定になっていました。集中治療室でも、枕とポータブルマットレスを使いたい旨を、病院に伝えましたが、集中治療室での利用は、断られました。
脳の手術のため、術後、集中治療室では、大変苦しく、嘔吐も激しく、大変つらい状況でした。マットレスや枕だけでも、寝心地が良ければ、少しは、その時の苦しさも改善されていたのでは、と思います。
病室に戻ってからも、3日ぐらいは、大変につらい症状が続きました。持ち込んだ枕とマットレスがなかったら、さらに、つらい時間だったと思います。家では、ムアツふとんを長年使っているので、エアーポータブルは、ムアツふとんに近い寝心地だったので、助かりました。
入院期間は、1カ月程度でした。その間、家族がシーツを替え、洗濯をしてくれたので、助かりました」
膝の手術で入院された若いアスリートの方
「スポーツ中のけがで、1週間ほど入院しました。普段は、ベッドの上に、ムアツふとんをのせて寝ています。
入院した病室のベッドが、普段の寝心地と異なっていたため、エアーポータブルを持ち込ませてもらいました。病室のベッドの幅がシングルより狭かったため、母のアドバイスで、幅の狭い、西川エアーモバイルスリムにしました。
ベッドより、持ち込んだマットレスは、幅が狭かったのですが、マットレスがあると、寝心地が全く違って、体がとても楽な状態になったので、幅の狭さは、許せる範囲でした」
腎盂炎で入院された方
「とにかく、枕がひどくて、病気で痛みがすごい中、余計に、苦しさを感じながら入院しました。どうしても、眠れず、枕だけ、普段使っている物を、家族に持ってきてもらって使いました。枕で、こんなに、体への負担が変わるものかを実感しました」
私どものお客さまに、インタビューさせていただいたお声を紹介しました。普段、ムアツふとんや、整圧敷き布団、西川エアーを使ってらっしゃる方々なので、病室にお持ち込みになったマットも、凹凸タイプの、西川エアーポータブルエアー モバイル マットレス スリムサイズの、シリーズの中から、サイズに合ったタイプをお選びになった方々でした。
今回、お話を聞かせていただいた方々は、
- 入院中、体が大変な時に、病室のベッドの寝にくさは、大変に負担だった
- マットレスを持ち込んだことで、随分と、楽に、入院することができた
という点で、一致していました。
入院中、病室のベッドで、寝にくさを感じる方は、薄型の体圧分散タイプや、健康マットレスを、病室のベッドの上にのせてお使いになることを検討されることをおすすめします。
入院ベッドの上にのせて使いたいマットレススのおすすめを見る
本記事の、入院中にマットレスを持ち込まれた方がお使いになったマットレスをご紹介します。
入院ベッドの寝心地でお困りの方、ベッドの上にのせてお使いいただけるマットレスのおすすめです。お役立てください。
持ち運び可能です。ご利用の際は、入院されているベッドの大きさをご確認してから、ご使用ください。
病院の関係者の皆さまへ
病室のマットレスや枕、シーツのご相談は、こちらから、どうぞお気軽におよせくださいませ。ご要望に合う、寝具をご提案いたします。
ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。
この記事を書いた人
シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。
専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。
前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。
たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。
ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。