ベッドのマットレスを、直接、床に置いて使いたい、というお声を頂戴します。すぐに横になれるベッドの手軽さと、低い家具で部屋を広く見せたい、というご希望をかなえる目的のようです。ここでは、ベッドのマットレスを、床に直接置いて使うと、どんな問題が生じるか、と、目的をかなえたい方への対処法を伝えします。
目次
- ベッドのマットレス、床に直接置いて使っても良いですか?
- ベッドのマットレスの下の床が湿気で傷む理由
- ベッド本体(木枠)を使わずに、ベッドのマットレスだけを使うための解決方法
- 最後にご留意いただきたいこと
- 木枠を使わない場合のお役立ちアイテム
ベッドのマットレス、床に直接置いて使っても良いですか?
「ベッドのマットレス、床に直接置いて使っても良いですか?」
結論から申しますと、ベッドのマットレスを、直接床に置いてお使いになることは、おすすめしません。
理由は、ベッドのマットレスを置いた場所の、床や畳が、湿気によって、傷んでしまうからです。傷まないまでも、カビが生じたり、湿気によって、ダニなどが発生しやすくなったりするからです。
床が、木製のフローリングであれば、湿気によって、木が傷み、床の強度が弱くなってしまいます。強度が弱くなると、歩いたときに床がきしんでしまう、その部分の板がめくれあがる、などということが生じます。
床が傷んでしまうと、傷んだ部分だけではなく、お部屋全体の床を、取り替えなくてはいけなくなってしまいます。大変な経費がかかることは、ご想像いただけるでしょう。
上記が、ベッドのマットレスを直接床に置いてお使いになることをおすすめしない理由です。
ベッドのマットレスの下の床が湿気で傷む理由
ここで、マットレスの下が、湿気で傷んでしまう理由をお伝えします。
理由は、ベッドのマットレスの構造、特性によります。
ベッドのマットレス、特に、中にコイルの入っているマットレスは、湿気をマットレスの中に閉じ込めない構造になっています。ベッドのマットレスは、布団と異なり、干さずに、置いたままで使う前提で作られているからです。
就寝中の汗などの湿気は、ベッドのマットレスの中にこもらない代わりに、マットレスの側面や底部に流れていきます。底部に流れた湿気は、ベッドのマットレスと床が接触しているため、マットレスの側生地と床に吸湿されます。
マットレスの側生地と床に吸湿されている湿気は、ベッドのマットレスと床が接触しているため、放湿されません。床やマットレスの側生地は、湿ったままになり、乾燥されることがありません。結果、床を傷めたり、カビの原因になったり、ダニの発生の原因になったりするのです。
「でも、ベッドの本体は、どうしても使いたくない。」
という方もおられるかもしれません。
次の項目で、ベッド本体(木枠)を使わずに、ベッドのマットレスを使うための解決策をお伝えします。
ベッド本体(木枠)を使わずに、ベッドのマットレスだけを使うための解決方法
ベッドの本体、とは、下の画像のようなベッドマットレスを置く木枠のことです。
どうしても、ベッドの本体(木枠)を使いたくない、マットレスを床に置きたい、という方のための解決策です。
ベッドのマットレスを、床の上に直接ではなく、すのこや、寝具用すのこマットの上に置いて使います。
具体的な方法です。
- ベッドのマットレスを配置したい位置に、すのこや、寝具用すのこマットを敷きます。
- 寝具用すのこマットの上に、からっと寝などの布団用除湿シートを敷きます。
- その上に、ベッドのマットレスをのせます。
- すのこマットと、寝具用除湿シートで、床を湿気による傷みやカビから守ります。
すのこマットを敷くことで、ベッドのマットレスと床が密着しなくなります。湿気の通気空間ができ、床やマットレスの側生地が、湿気を吸湿するのを防ぐ、ということになるのです。
どうしても、ベッド本体(木枠)を使いたくない、床にマットレスを置きたい、という方は、上記の方法で対処するようにしましょう。
ご留意いただきたいこと
ベッドのマットレスは、本来、ベッド本体(木枠)の上にのせて使う仕様で作られています。床に置いて使う仕様ではありません。
ここでお伝えした対処法、すのこマットや寝具用除湿シートを使っても、床の傷みを完璧に予防することはできません。すのこマットで作られる、床とマットレスの通気の空間は、数センチでしかないからです。
ベッドのマットレスを、ベッド本体無しでお使いになることは、床を傷める、カビが発生する、可能性があることは、承知しておいてくださいませ。
木枠を使わない場合のお役立ちアイテム
どうしても、ベッドの木枠をお使いになりたい方へ。
ベッドマットレスサイズのすのこ
マットレスをちょい苦節床に置かないための、ベッドマットレスサイズのすのこです。ロールタイプや折り畳みタイプなどもございます。お使いやすいお品をお選びになってみてください。
床のカビの発生を防ぐ寝具用除湿シート
ベッドの木枠をお使いにならない場合、すのこマットの下に、寝具用湿気とりシートを併用ください。フローリング、畳、ベッドの床板のカビ防止になります。
以上です。
ご自身の好みの寝室インテリアを楽しみ、家を傷めることなく、心地よい眠りを楽しみ、元気な毎日を送っていただけますこと願っております。
ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。
この記事を書いた人
シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。
専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。
前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。
たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。
ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。