「マットレストッパーって、何ですか? ベッドパッドとは違うのですか?」と、お客さまからお問い合わせを頂戴します。マットレストッパーとは、ベッドマットレスの寝心地を改善するために使う、サポート寝具のことです。ここでは、マットレストッパーとは? と、ベッドパッドとの違い、マットレストッパーの種類と選び方、使い方、をお伝えします。
目次
- マットレストッパーとは?
- マットレストッパーとベッドパッドの違い
- マットレストッパーの素材の種類と選び方
- マットレストッパーを使い方、敷く順番
- マットレストッパーを使う際のボックスシーツの選び方
- マットレストッパーのおすすめを選ぶ
マットレストッパーとは?
マットレストッパーとは、マットレスの上にのせ、ベッドマットレスの寝心地を改善するために使う、サポート寝具です。厚みは、4cmから9cm程度で、ベッドサイズに合わせて販売されています。オーバーレイマットレス、マットレスパッド、オーバーレイタイプなどとも呼ばれています。
テレビショッピングや通信販売で、「お使いの寝具にのせるだけで、寝心地改善」などと説明されているパッドタイプの寝具も、マットレストッパーの部類になります。
マットレストッパーを使うことで、期待できることは、次の点などです。
- マットレスが硬すぎる場合の改善
- マットレスがやわらかすぎる場合の改善
- 寝姿勢の改善
- 睡眠の質の改善
- 古くなってしまったマットレスの寝心地の改善
- マットレスの耐久性を上げる
マットレストッパーは、お使いのマットレスに満足していない方が、使うための寝具です。お使いのマットレスにご満足している方は、使う必要はありません。
マットレストッパーとベッドパッドの違い
「マットレストッパーは、ベッドパッドとは違うのですか?」
マットレストッパーと、ベッドパッドは、どちらもベッドのマットレスの上にのせる寝具ですが、違いもあります。
ここでは、マットレストッパーとベッドパッドの違いをお伝えします。
マットレストッパーとベッドパッドは、次の点で違いがあります。
- マットレストッパーとベッドパッドの厚みの違い
- 使う目的の違い
- 必要性の違い
一つずつ、順に見ていきましょう。
1.マットレストッパーとベッドパッドの厚みの違い
マットレストッパーとベッドパッドの、明確な違いが、厚みです。
- マットレストッパーは、4cm ~ 9cm 程度
- ベッドパッドは、0.5cm ~ 2cm 弱 程度
になります。
2.使う目的の違い
マットレストッパーとベッドパッドは、使う用途に違いがあります。
マットレストッパーを使う目的
マットレストッパーは、使っているマットレスの寝心地を、積極的に改善する目的で使用します。
具体的には、マットレスの固さをやわらげたり、逆にやわらかなマットを固くしたり、体の沈み込んでしまうのを防いだりするなどです。
ベッドパッドを使う目的
ベッドパッドを使う目的は、
- 汗などによる湿気を吸湿し、床内の湿度を適切に保ち、心地よく眠るため
- 汗などの湿気を吸湿し、ベッドマットレスを清潔に保ち、長持ちさせること
- コイルマットレスの体の負担を和らげ、寝心地を良くする
などです。
今のマットレスの寝心地が良くても、ベッドパッドは、湿度の調整や、マットレスを汚れや傷みを防ぐ目的で、必ず使います。
3.必要性の違い
マットレストッパーとベッドパッドの、大きな違いは、必ず使う寝具か、そうでないかという点です。
- マットレストッパーは、お使いのマットレスに不満がある方が、必要に応じて使います
- ベッドパッドは、ベッドをお使いの方は、必ず使う寝具です
ベッドパッドが必要な理由は、前の項目でお伝えした通り、ベッドパッドは、床内の湿度を快適に保ち、マットレスの汚れや傷みから守る目的で使うからです。シーツを、必ず使う目的と、同じです。
マットレストッパーの素材の種類と選び方
マットレストッパーは、快眠マットレスを販売しているメーカーや、寝具メーカーなどから、各種販売されています。使われている素材の違いによって、効果が異なります。ご自分のマットレスを、どう改善したいかに応じて、素材を選ぶようにしましょう。
ここでは、マットレストッパーの素材の種類、素材別の特徴、おすすめする方、をお伝えします。素材と特徴を知ることで、どのタイプがご自分に合っているか、選びやすくなります。
マットレストッパーの素材の種類
マットレストッパーの代表的な素材の種類は次の通りです。
- 高反発素材
- 低反発素材
- 凹凸ウレタンフォームタイプ
- 羊毛(ウール)
- 羽毛、フェザー
1.高反発素材
高反発素材のマットレストッパーは、多く販売されています。高反発のマットレストッパーには、ファイバー樹脂を圧縮した素材や、ラテックス系の素材が使われています。寝返りがしやすく、硬めの寝心地が特徴です。具体的な商品名では、エアウィーヴや、マニフレックスなどです。
おすすめの方
お使いのマットレスが、やわらかすぎる、腰の沈み込みが気になるという方におすすめです。高反発素材のマットレストッパーをのせることで、ベッドが硬めの寝心地になり、寝返りを打ちやすくし、腰の沈み込みも軽減します。
注意点
ファイバー樹脂が使われている高反発タイプは、沈み込みがほとんどなく、寝心地がとても硬くなります。やさしい寝心地が好みの方には向きません。
2.低反発素材
テンピュールのマットレスパッドに代表されるのが、低反発素材のマットレストッパーです。低反発素材のマットレスは、体の曲線や重さに応じて、体圧を分散しながら、やさしく体を支えるのが特徴です。体の負担を軽減させながら眠れることができます。
おすすめの方
お使いのマットレスが、硬すぎるので、やわらかな寝心地にしたい、という方におすすめです。マットレスが硬すぎて、腰が突っ張ってしまって、寝心地が悪い、腰が痛くなるという方も、選択肢の一つです。
注意点
低反発素材のマットは、体に密着しますので、熱や湿気がこもりやすくなることがあります。通気性を気にする方には、向きません。
商品の品質やランクによっては、温度によって、硬くなったり軟らかくなったりする場合があります。品質を、きちんと選ぶことが大切です。
低反発素材のマットレスパッドは、とても重い商品も販売されています。女性一人では、取扱にくい場合がありますので、留意しましょう。
3.凹凸ウレタンフォームタイプ
表面が、凹凸になって、点で体を支えるタイプのマットレストッパーも販売されています。素材は、ウレタンフォームです。具体的な商品名では、ムアツスリープスパのマットレスパッドがあります。点で体を支えるため、血流やリンパの流れを妨げず、体圧が分散され、正しい寝姿勢で体に負担がかからずに、眠ることができるのが特徴です。
おすすめの方
お使いのマットレスが、硬すぎる、やわらかすぎる、腰が沈み込んで体が痛いなどのご不満がある方におすすめです。凹凸タイプのマットレストッパーは、体が密着せずに眠れますので、高反発素材、低反発素材、どちらも、体に合わない、という方におすすめです。
注意点
凹凸タイプのマットレスは、使われているウレタンフォームの品質によって、体を支える固さや耐久性に問題がある商品もあります。価格が安すぎる、品質に不安、などといった商品は、選ぶ際に注意が必要です。
4.羊毛(ウール)
ウールわたのマットレストッパーも販売されています。ベッド用敷き布団という名称で、販売されている場合もあります。ウール、羊毛は、弾力性があり、吸湿放湿性に優れた素材のため、敷き寝具として、最適な天然素材です。化学繊維や素材に頼ることなく、適切な温度と湿度、心地よい弾力性で、1年を通じて、快適にお使いいただけるのが特徴です。
おすすめの方
お使いのマットレスが、硬すぎる方、体にやさしい天然素材の寝具がお好みの方、化学繊維がお嫌いな方、化学繊維による熱や湿気が気になる方におすすめです。
注意点
ウールのマットレストッパーは、ウールのベッドパッドより、厚みがあるため、ベッドパッドより頻繁にお手入れをする必要があります。ベッドシーツの交換時に、ウールのマットレストッパーを、ベッドから外す、半分に折るなどして、風に当て、湿気をしっかり発散させるようにしましょう。湿気が冷たくなったり、不衛生になったりするのを防げます。
5.羽毛、フェザー
日本ではあまり販売されていませんが、欧米では、羽毛やフェザーのマットレストッパーが販売されています。やわらかさ、通気性の良さ、季節に合わせて適切な温度で眠れることが特徴です。
おすすめの方
ふんわりとした、やわらかな寝心地がお好みの方におすすめです。低反発や凹凸タイプの柔らかさではなく、ふわふわしたやわらかさがお好みの方向けです。
注意点
日本ではあまり販売されていないタイプなため、ベッド寝具の種類が豊富な欧米のベッドメーカーが販売している商品の取り寄せとなります。使われている羽毛、フェザーの品質によっては、臭いがあったり、フェザーの固い部分があったりする場合があります。商品の品質選びには、注意が必要です。
マットレストッパーの使い方、敷く順番
マットレストッパーは、マットレスの上にのせ、その上から、ベッド用のボックスシーツをかけて使います。汗の多い方や、湿気が気になる方、汗による汚れが気になる方は、薄めのベッドパッドや敷きパッドを併用します。
マットレストッパーを使う場合の、ベッドパッドの必要性に関しては、マットレストッパーのメーカーのアドバイスに準じるようにしましょう。
主だったメーカーのアドバイスは次の通りです。
- エアウィーヴマットレスパッド
公式ページからのアドバイス
他のパッド類は使わず、シーツをかけてお使いください。 - テンピュールマットレスパッド トッパー
公式ページからのアドバイス
ベッドパッドを使う場合は、薄いパッドをお使いください。 - ムアツスリープスパ マットレスパッド
公式ページからのアドバイス
ベッドパッドなどを重ねる必要はありません。シーツをかけて使います。
マットレストッパーを使う際のボックスシーツの選び方
マットレストッパーを使う場合、ボックスシーツのサイズ選びに注意が必要です。
マットレストッパーは、厚みが、4cm から9cm 程度あります。お使いのベッドマットレスの上に、マットレストッパーをのせると、マットレスが厚くなり、標準的なボックスシーツではサイズが合わないことがあるからです。
マットレストッパーの厚みによっては、今まで使っていたボックスシーツが使えない場合があります。使えないとは、ボックスシーツのマチが足りずに、シーツがめくれあがったり、ずれたりしてしまうということです。
仮に、お使いのベッドマットレスが、一般的な25cm程度で、その上に、5cmのマットレストッパーをのせると、合計の厚みが、30cm で、標準的なサイズのボックスシーツでは合いません。
ベッドマットレスとマットレストッパーの厚みが、
- 合計で、27cm 以上になるような場合は、マチ40cmの厚めのマットレス用のボックスシーツを選びます
- 合計で、35cm 以上になるような場合は、マチ45cmの厚めのマットレス用のボックスシーツを選びます
厚みに合わせてボックスシーツをお選びになれば、シーツがめくれあがったりずれたりする心配がなく、快適にお休みいただけます。
マットレストッパーのおすすめを選ぶ
この記事でご紹介した、マットレストッパーです。高反発、低反発、などお好みに合わせてお選びください。
1.高反発素材
高反発素材のマットレストッパーは、寝返りがしやすく、硬めの寝心地が特徴です。
2.低反発素材
体の重みに合わせて、ソフトに反発する、低反発素材のマットレストッパーです。柔らかなタイプがお好みの方におすすめです。
3.凹凸ウレタンフォームタイプ
凹凸ウレタンフォームタイプは、点で体を支えるため、血流やリンパの流れを妨げず、体圧が分散され、正しい寝姿勢で体に負担がかからずに、眠ることができるのが特徴です。
以上、
マットレストッパーについて、どのような方におすすめか、使い方、注意点をお伝えしました。
ベッドマットレスの寝心地に不満のある方は、ご自身のお好みに合わせて、商品を吟味して、お使いになってみるのが良いでしょう。ベッドマットレスの買い替えより、手軽に寝心地を改善していただけます。
ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。
この記事を書いた人
シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。
専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。
前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。
たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。
ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。