睡眠が大切とは知りながらも、忙しくて寝具の手入れまでは、とうてい時間が取れない。快眠できる寝具が欲しいけど、寝具選びはささっと時間をかけずに終わらせたい。という方も多いのではないでしょうか。ここでは、寝具のお手入れは最低限で、快眠できる寝具の選び方をお伝えします。
目次
- 手間のかからない寝具とは
- お手入れが少なくて済む、ベッドに必要な寝具
- お手入れが少なくて済む、ベッドパッドの選び方
- 取り扱いが簡単なベッドシーツの選び方
- お手入れが少なくて済む、掛け布団の選び方
- 使い勝手の良い掛けふとんカバー選び方
- 枕、枕カバーを選ぶ
- 湿気取りシートはお使いください
手間のかからない寝具とは
寝具のお手入れで大切な点は、2つです。1つは、寝具に湿気をこもらせないこと。もう一つは、寝具を清潔に保つということです。なるべく手間を抑えながら、この2点を満たす寝具を選ぶことが、手間のかからない寝具選びになります。
具体的には、次の条件を満たす寝具になります。
- 干さなくても湿気がこもりにくい寝具
- 手入れが少なくても、清潔に使える寝具
- 簡単に清潔に保つ工夫ができる寝具
単刀直入に結論からお伝えすると、ベッドと羽毛布団が、手間を最小限にする敷き寝具と掛け寝具の組み合わせになります。
ベッドを使えば、布団の上げ下ろし(押し入れにしまう)必要がありませんので、何より手間がかかりません。ただ、注意点は、ベッドマットレスは、必ず、ベッド本体の上にのせるか、ベッド本体の代わりになる台の上にのせることです。絶対に、畳やフローリングの上に直接置くことはしないでください。
理由は、ベッドマットレスは湿気を中に閉じ込めず、側面と下から湿気を発散させるため、畳やフローリングに直接置いてしまうと、接触面のカビの発生や、湿気による傷みの原因になるからです。
次に、順を追って、ベッドに必要な寝具で、お手入れが少なく使える寝具の選び方や、シーツやカバーを簡単な手入れで清潔に使う工夫をお伝えしていきます。
お手入れが少なくて済む、ベッドに必要な寝具
次のリストが、ベッドに必要な寝具になります。
- ベッドパッド
- ベッド用シーツ
- 掛け布団
- 掛けふとんカバー
- 枕
- 枕カバー
- 湿気取りシート
それぞれについて、手入れの少なくて済む選び方をお伝えします。
お手入れが少なくて済む、ベッドパッドの選び方
ベッドパッドは、ベッドには必ず必要です。敷きパッドは、ベッドパッドの代わりにはなりません。ベッドパッドと敷きパッドを併用することはできますが、敷きパッドだけを使うことはおすすめしません。理由は、ベッドパッドと敷きパッドの違いと使い方、をご覧ください。
湿気がこもりにくく、清潔に使えて、寝心地の良いベッドパッドは
- エアウィーヴやムアツパッド、西川エアーマットレス、ムアツスリープスパなどの湿気を中にこもらせず、衛生的なパッド
- ウールベッドパッド
- ポリエステルベッドパッド
- コットン(綿)ベッドパッド
の順番になります。
1番の、エアウィーヴやムアツパッド、西川エアなどの快眠マットレスのオーバーレイタイプのベッドパッドは、素材にわたが使われておらず、大変通気性が良く、湿気をこもらせない仕様になっています。そのため、ベッドパッドとしてお使いいただいた際、お手入れをすることなく、清潔な状態を保つことが可能です。
いずれも、快眠のために作られているマットレスのオーバーレイタイプ(ベッドの上にのせて使う寝具)ですので、質の良い睡眠もとっていただくことが可能です。
ただ、エアウィーヴに代表される高反発素材マットと、ムアツなどに代表される凹凸タイプマットでは、寝心地が全く異なりますので、寝心地のお好みは、ご自身でお選びくださいませ。低反発マットレスと高反発マットレスの違い。
2.ウールベッドパッドは、中わたにウール、羊毛が使われているベッドパッドです。ウール(羊毛)のわたは、吸湿と放湿力がある素材で、弾力性があるのが特徴です。わたが使われたベッドパッドの中では、一番、湿気をこもらせにくく、寝心地が良くなります。
1番の快眠マットレスと異なり、わたが使用されていますので、ある程度は湿気がこもってしまいます。そのため、たまには、ウールベッドパッドをベッドから外して、通気をして湿気を発散させることが必要になります。必要になるとは、清潔に使うことができるという意味です。
3.ポリエステルベッドパッドは、中わたに、ポリエステルのわたが使われているベッドパッドです。ポリエステルわたは、ウールの次に吸湿、放湿力がある素材です。薄手のベッドパッドが多く、寝心地はあまり左右しません。ポリエステルベッドパッドの良い点は、お値段が手ごろだということと、洗えることです。
お手入れを極力少なくしたい方は、ベッドパッドをご自宅で洗濯することは、あまりしないと想像いたしますが、ドライクリーニングに出す必要がありませんので、汚れてしまって、洗濯する必要が生じたときに、ご自宅で洗っていただける手軽さがあります。
4.コットンベッドパッドは、中わたに、綿のわたが使われているベッドパッドです。綿わたは、湿気の吸湿をしますが、放湿力がありません。ベッドパッドを干さない限りは、湿気がベッドパッドの吸湿されたままになりますので、頻繁に干す必要があるベッドパッドです。お手入れを最小限に抑えたい方には、あまりおすすめしないベッドパッドの素材になります。
取り扱いが簡単なベッドシーツの選び方
サイズが豊富で、ベッドの装着が簡単にきれいにできるのは、ボックスシーツになります。ベッド用シーツは、サイズのあったボックスシーツをお選びになることをおすすめします。
洗濯のしやすさと乾きやすさからすると、素材は、綿をお選びください。シンカーパイルなどのタオルタイプは、綿のシーツよりも、乾くまでに時間がかかります。なるべく手間のかからなず、洗濯を早く終わらせたい方がシーツをお選びになる際は、パイルやボアの厚地の素材は避けてお選びになることをおすすめします。
ベッドシーツは、毎日汗を吸湿しますので、手間を避けたいとはいえ、頻繁な洗濯をすることは必要です。なるべく、ベッドシーツの交換や洗濯に、手間や時間がかからない工夫は、次の通りです。
- ボックスシーツを洗濯する際は、使ったボックスシーツをベッドから外したらすぐに、洗い替えのボックスシーツを、その場で設置してしまいましょう。洗濯が終わって乾いてから、また、大きなボックスシーツをベッドに掛けるのは、ある意味2度手間です。
- 使ったシーツをはずしながら、新しい洗い替えのシーツを掛けていけば、ベッドに設置するために、ベッドの上下左右に移動するのが、1度で済みます。洗濯が終わって、また、その作業をするのは、時間も、手間も、面倒という気持ちまでも負担になります。
- ボックスシーツをはずすのさえも面倒、という方は、フラットシーツや、大判ガーゼバスタオルなどをボックスシーツの上に敷いて、洗濯の際は、それだけさっと外して洗濯すると、簡単です。ボックスシーツをはずすときのように、ベッドの周りをぐるぐる回らなくても、一か所からさっと引っ張って外せます。洗濯も乾燥も簡単です。
お手入れが少なくて済む、掛け布団の選び方
手入れが少なく、快適にお休みいただける掛け布団は、羽毛布団です。羽毛布団でも品質の良い商品をお選びになると、保温性も高くなりますので、毛布など、保温性を補う寝具も必要なくなります。
ベッドで使う際は、羽毛布団であれば、毎日のお手入れは必要ありません。しいていえば、起きて、お出かけ前までの間、羽毛布団を半分に折って、湿気を発散させる程度で十分です。安価な商品ではありませんので、じっくりと、よい羽毛布団をお選びになることをおすすめします。良い羽毛布団であれば、手間無く、長く、暖かく、心地よく毎日お休みいただけます。
使い勝手の良い掛けふとんカバー選び方
羽毛布団には、必ず掛けふとんカバーをかけることが必要です。カバーをかけないと、羽毛布団の側生地に穴があいてしまうなど、側生地の損傷により、本来長く使える羽毛布団が早く寿命を迎えてしまうからです。
手間がかからず、寝心地の良い掛けふとんカバーとは、生地が軽量で乾きやすい素材であることになるでしょう。洗濯後の乾きやすさと、軽量であるとするならば、ガーゼの掛け布団カバーは、最適です。羽毛布団の保温性を引き立て、肌触りも良く、軽く、洗濯の乾きが何より早いです。
ただ、忙しく、洗濯する機会があまりないだろうと、思われる方は、ガーゼではなく、超長綿などの上質で軽い綿素材の掛けふとんカバーをおすすめします。ガーゼの掛け布団カバーより、乾燥にかかる時間が多少かかりますが、上質なスーピマ超長綿の掛け布団カバーなどは、薄手で、標準的な掛けふとんカバーより、乾きは早く、掛け心地が良いです。
ガーゼの掛け布団カバーは、その組成から、通常の綿織物の掛けふとんカバーより、どうしても、汚れが羽毛布団に浸透しやすくなります。この点が、洗濯をあまりしないと思われる方は、ガーゼより上質超長綿素材のカバーをおすすめする理由です。
枕、枕カバー
枕は、ご自身の首のくびれや高さにあって、お好みの固さの寝心地の良いものをお選びください。枕カバーは、掛けふとんカバーやボックスシーツに合わせてお選びください。
湿気取りシートはお使いください
具体的な商品名では、からっと寝に代表される寝具用湿気取りシートは、是非、お使いになることをおすすめします。湿気取りシートは、ベッドマットレスの下、ベッド本体の床に上において使います。ベッドマットレスを通過した湿気を、湿気取りシートが吸ってくれますので、ベッド本体のカビを防ぐことができます。清潔に、手間無くベッドを使うために是非お使いくださいませ。
以上です。
新生活をはじめたり、お仕事が忙しかったり、質の良い睡眠をとりながらも、なるべく寝具の手間を最小限にされたい方におすすめの寝具の選び方をご紹介しました。シーツやカバーを清潔に保つことも、快眠につながります。面倒な洗濯を、少しでも、簡単に早く終わらせるような工夫素材選びもお伝えしました。しっかりと質の良い睡眠をとって、健康で、活力ある毎日をお過ごしいただけますれば幸いです。
ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。
この記事を書いた人
シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。
専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。
前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。
たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。
ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。