公開日:2018.05.30

睡眠の質を高めるための寝室のトータルコーディネートのコツ

睡眠の質を高めるための寝室のトータルコーディネート

睡眠の質を高めるための寝室のトータルコーディネート

寝室は、プライベート空間であると同時に、睡眠の質を高める役割を持つ、大切なお部屋です。睡眠の質は、快眠寝具を使うことはもちろんですが、寝室の明るさや音、温度と湿度、寝室にそろえる物、にも影響されます。ここでは、特にベッドをお使いで、睡眠の質を大切にされたい方向けに、寝室のトータルコーディネートのコツをお伝えします。

目次

睡眠の質の向上に関係する、寝室環境の要因

睡眠の質には、明るさ、色遣い、音、寝室のスペース、温度と湿度、などが影響します。質を高めたい方は、それぞれの要因で、より睡眠の質を高める、状態を作るようにしましょう。

睡眠の質の向上に関係する要因

  • 明るさ
  • 色づかい
  • 寝室のスペース
  • 温度と湿度

質の高い睡眠のための寝室のトータルコーディネートのコツ

ここでは、質の高い睡眠のために、寝室をどのようにコーディネートしていけばよいか、をお伝えします。前記の、睡眠に影響を与える要因について、具体的な方法を、順を追って解説していきます。

  1. 明るさ
  2. 寝室のスペース
  3. 色づかい
  4. 温度と湿度

1.明るさ

寝室の明るさで大切なことは、夜の暗さの確保と、心地よく目覚められる明るさの確保です。カーテンや雨戸の窓周りと、照明器具で環境を整えます。

睡眠の質を高める、寝室の暗さと明るさ

睡眠の質を高める、寝室の暗さと明るさ

雨戸のあるご家庭は、少なくなってきているようですが、雨戸があれば、利用します。明かりの漏れを防ぎ、防音の役割も果たします。

雨戸のないご家庭では、遮光カーテンの活用をおすすめします。外の光が入るのを防ぐので、街中にお住まいの方でも、夜、確実に暗さを確保できます。

遮光カーテンには、遮光率の違いにより、等級があります。遮光カーテンの等級は、夜の暗さと、朝の明るさの確保を、カーテンだけでするのか、カーテンと照明器具の組み合わせで確保するのかで選びます。

例えば、遮光1級を選ぶと、ほぼ完全遮光になります。カーテンを閉めると、窓の外の光をさえぎり、真っ暗になります。夜の暗さを確保でき、深い眠りを可能にする環境は作れます。しかし、朝になっても、光が窓からはいらないため、朝の明るさを窓から感じ取ることはできません。この場合、すっきりと気持ち良く目覚めるために、タイマーセットのできる、照明器具を合わせて使うようにします。

朝、心地よく目覚めるためには、徐々に部屋が明るくなっていく環境が必要です。日の出とともに、人はすっきりと目覚めるような仕組みになっているからです。

体に負担のかからない自然な目覚めのための明るさを研究し、それを実現する、タイマーセットの可能な目覚まし機能のある照明スタンドが販売されています。完全遮光のカーテンや、雨戸のある寝室では、目覚ましライトの活用をおすすめします。朝日で目覚めるような気持ち良さで、毎朝起きられますので、元気に活動をスタートできます。

住宅環境によっては、遮光率の低い遮光カーテンが、適している場合もあります。外部の住宅の明かりや、街灯、ネオンなどがなく、寝室内の様子が、カーテン越しにわかってしまうことが、気にならない環境にお住まいの場合などです。遮光率の低い遮光カーテンは、完全遮光のカーテンに比べ、夜の暗さも確保できますし、朝の自然光による明るさも、適度に確保できます。

遮光カーテンは、生地が特殊なため、インテリアを気になさる方は、好みが合わない場合もあります。その場合は、お好みの生地のカーテンに、遮光裏地をつけることをおすすめします。遮光裏地にも等級があります。組み合わせることで、遮光の機能性と、インテリアの統一性も同時に可能にします。気に入ったインテリアの寝室で眠ることも、リラックス効果をたかめますので、効果倍増です。

2.音

寝室の音で大切な点は、外からの騒音を遮断することです。住宅環境によって、対策が必要な場合と、まったく必要でない場合もあるでしょう。街中にお住まいの方は、夜中も外の音が気になる場合もあるでしょう。また、集合住宅にお住まいの方は、上や下の階の音が気になることもあるでしょう。

完全に、騒音レベルの音をシャットアウトすることは、不可能かもしれません。できることをしていきましょう。

具体的には、防音カーテンの利用や、防音壁を設置する方法もあります。相談が可能な防音の専門店もありますので、寝室の音が気になる場合は、積極的に相談されることをおすすめします。

カーテンに関しては、明かりのところでご紹介した、遮光カーテンも、生地の特性から、通常のカーテン生地より、音を遮断しやすくはなります。また、普通のカーテンに、遮光裏地をつけると、2重生地になりますので、防音の役割もしやすくなります。ご自身の寝室の環境にあわせて、防音カーテンや、遮光カーテン、また、両方の機能を持つ特殊機能カーテンなどを選ぶようにしましょう。

3.寝室のスペース

寝室のスペースで大切なことは、ベッドの周囲に、適切なスペースを確保することです。ベッドに入る時や、目覚めの時は、頭がはっきりしていないこともあります。ベッドの出入りの際に、体をぶつけたり、躓いたり、体の向きを不自然にしながら歩いたりと、スムースさを妨げる動きをしないですむようにします。

ベッドの周囲に、必要なスペースを確保しましょう。

ベッドの周囲に、必要なスペースを確保しましょう。

必要スペースを確保できる、ベッドサイズを選び、ベッドの置き方を工夫します。ベッドを2台設置する方で、スペースの確保が難しい場合は、2台をぴったり並べて、中央の空間を無くし、大きいベッドとして使いのも良いでしょう。

下記が、具体的に必要なスペースの数値です。

  • ベッドの横側の通路のスペース 60~65cm

    ベッドの出入りをする、ベッドの横の通路は、60-65cmを確保します。人が、前を向いて歩ける最低限の巾です。体を横に向けたり、ぶつけたりせず、スムースにベッドに入ることができます。

  • ベッドの足もと側のスペース 50~55cm

    ベッドの出入りの際に、ベッドの足もと側を通らない際は、50-55cmの通路を確保します。

    二人用のベッド、ダブルベッドやクイーン、キングサイズのベッドをお使いの方で、ベッドに入るのに、お一人が、足元側を通って反対側からベッドに入る場合は、横のスペースと同様に、60~65cm確保することをおすすめします。スムースに歩くためです。

  • 壁際にベッドを置く際の、壁とベッドのスペース 10cm程度

    ベッドを壁に沿っておく場合は、壁とベッドの空間を10cm は、あけるようにします。

    これは、掛け布団が、ベッドから落ちにくくするためと、シーツの交換などをしやすくするためです。壁にベッドをぴったりとくっつけてしまうと、掛け布団が、ベッドに対して左右均等に掛けられず、壁と反対側に、落ちてしまいます。せっかく深い睡眠に入れても、掛け布団が落ちてしまうと、すぐに目覚めてしまいます。10cmのスペースをとることで、その心配がありません。

  • ベッドの周囲のスペースを確保することは、睡眠の質に関係ないのでは、と思う方もおられるでしょう。しかし、快眠のためには、気持ちのリラックスを妨げる、不安材料を一つでも減らしていくことが、重要です。小さいことのようですが、スムースに歩ける空間を確保することで、小さな不安を取り除きます。

4.色づかい

寝室の色遣いで大切な点は、安眠を促す色であることと、リラックスできる好みの色やインテリアづくりをすることです。

安眠のためには、気持ちの鎮静作用がある、寒色系の色、特に青色に効果があるといわれています。寝室を、ブルー一辺倒にすることは、好みにもよりますし、インテリアをそろえにくいかもしれません。ベッドカバーや、掛けふとんカバーなどだけでも、ブルーの色を入れることで、手軽に、安眠カラーを取り入れた寝室づくりをすることができます。

別の記事で、安眠できる色選びについて詳しくお伝えしています。ご参考になさってください。

5.温度と湿度

寝室の温度と湿度で大切な点は、寝室のエアコンや扇風機などの空調管理、と、寝具の選び方と適切なお手入れです。

睡眠の質を高める、ベッドやお布団の中の温度は、33度±1度で、湿度は、50±55% です。季節の違いで、寝室の室温は変わりますので、エアコンや扇風機を使い、室温を調整します。エアコンや扇風機などの空調に頼りたくない方は、快眠できる温度と湿度を可能にするような、寝具を選びます。

寝具の湿気は、湿気対策の施された寝具を使うこと、と、適切なお手入れをすることで対策ができます。具体的な選び方や、方法は、寝具の湿気対策に詳しくご案内しています。

寝室にそろえておきたいもの

ベッドをお使いの方の寝室では、余計なものをなるべく置かず、必要最低限のものを置くようにしましょう。お手本は、ホテルのお部屋です。

寝室にそろえたいものは次の通りです。

  • ベッドサイドテーブル
  • スタンド、ランプなどの置き型照明
  • 目覚まし時計、目覚ましライト
寝室に必要なベッドサイドテーブル

寝室に必要なベッドサイドテーブル

ベッドサイドテーブルは、見逃しがちですが、必要ですので用意しましょう。スタンド、時計、メガネ、本やスマートフォンなど、眠りに入るまでのくつろぎの時間や、気持ち良く目覚めるために必要な小物を置くためです。テーブルがないと、ベッドの上に置いたり、ベッドのヘッドボードに置いたりして、安眠の妨げになります。

ベッドサイドテーブルは、ベッドとコーディネートされた商品も販売されています。使いやすい高さで、引き出しも付いていて、コンセントも付いているテーブルもあり、便利です。ベッドをお求め時に、一緒にそろえてしまいましょう。

もちろん、ベッドサイドテーブルの代用として、ベッドの高さに合わせた、小さなテーブルを置くのもよいでしょう。その場合、ベッドカバーやカーテン、掛けふとんカバーの柄や色とあわせた、テーブルクロスをかけると、寝室がおしゃれにまとまります。

スタンド、ランプ、目覚まし時計などは、お部屋のインテリアに合わせたり、お好みの機能で選んだりして、そろえましょう。

寝室のインテリア

寝室のインテリアで大切な点は、カーテン、ベッドカバー、壁紙、床の色をコーディネートすることです。寝室は、ベッドの面積が大きいため、ベッドの表面の色、つまりは、ベッドカバーや掛け布団カバーの色が、とても目立ちます。その部分が、そのほかの大きい面積を占める、壁、カーテン、床とコーディネートされていれば、とても、すっきりと、格好良く決まります。

寝室インテリア。カーテンと同じ生地で、ベッドカバーや、ベッドスカートをオーダーするとおしゃれ

寝室インテリア。カーテンと同じ生地で、ベッドカバーや、ベッドスカートをオーダーするとおしゃれ

最近は、ベッドカバーが単体で販売されている数が減っています。寝室のインテリアに合うベッドカバーを探すことは、困難にもなってきています。

もし、お引っ越し前に、寝室のコーディネートをご検討されていたら、オーダーカーテンを注文される際に、カーテンと同じ生地で、ベッドカバーや、ベッドスカートをオーダーメイドで作ることをおすすめします。とっても素敵な寝室になります。

寝室のインテリア。カーテンと共布で、クッションカバーやベッドカバーをつくるのがおすすめ

寝室のインテリア。カーテンと共布で、クッションカバーやベッドカバーをつくるのがおすすめ

オーダーカーテンやインテリアコーディネートの会社さまによっては、小物も、ファブリック(カーテン生地)を使って、コーディネートをしてくれます。そのようなお店さまに、寝室のカーテンなどを依頼する機会に恵まれましたら、是非、ランプシェード、ベッドの上の置くクッションカバー、ベッドサイドテーブル用のテーブルマットなども、お揃いの生地や、コーディネートされた生地で作ってもらうことも、おすすめします。

寝室は、プライベート空間を楽しむ場所です。リラックスできて、ご自分のお気に入りのインテリアで仕上げていく楽しみも、睡眠環境を整えることのプラスになります。

もちろん、オーダーインテリアがすべてでもありません。ベッドカバーを、手軽に楽しみたい方は、マルチカバーで、コーディネートを楽しめます。マルチカバーをベッドカバーに使う場合のサイズの選び方
 

以上、睡眠の質を意識した、寝室のコーディネートのコツをお伝えしました。

質の良い睡眠のための寝室づくりは、快眠寝具をそろえることに加え、

  • 深い眠りのための暗さと、気持ち良い目覚めのための明るさの確保
  • 騒音が気にならないような防音
  • 必要なスペースを確保したベッドのサイズ選び
  • ここちよい眠りのための温度と湿度の維持

に気を配ることで実現します。ひとつずつでも、整えていくことで、あなたの寝室も、変わります。ぐっすり眠り、心地よい目覚めで、元気な毎日をすごすために、寝室のしつらえをしていきましょう。


ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。

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