「インナーケットは、毛布と違うのですか?」「インナーケットは、どう使えば良いですか?」と、お問い合わせを頂戴します。インナーケットは、見た目が毛布のようだったり、肌掛け布団のようだったりするため、わかりづらい点があるようです。ここでは、インナーケットとは?、と、その種類と特徴、使い方をお伝えします。代用できる寝具も合わせてお伝えします。
目次
インナーケットとは?
インナーケットとは、掛け布団の下、体の上に直接掛けて使う、薄くて軽い、掛け寝具の総称です。掛け布団の保温性を高めたり、カバーのひんやり感を避けたり、湿気による不快さを軽減させる目的で使います。
インナーケットは、毛布のように起毛しているタイプ、と、中に薄くわたが入っているタイプがあります。掛けると、体の曲線に沿うようになじみ、軽量で、掛け心地が良く、湿気がこもらず、ご家庭でお洗濯していただけるのが特徴です。
インナーケットの名称で販売されている商品のほか、シーズンケット、ふかふかケット、起毛ケット、やわらか肌掛け布団、フィットコットンケットなどの名称でも販売されてもいます。
インナーケットと似た名称で、インナーブランケットⓇという商品も販売されています。インナーブランケットⓇは、西川産業株式会社(現:株式会社西川)の登録商標です。そのため、インナーブランケットⓇは、西川の商品にのみ使用されています。インナーケットと、言葉が似ているため、同じように、総称として使っている場面もあるかもしれません。正確には、総称とは異なります。お品をお選びになる際、ご注意ください。
インナーケットの使い方
インナーケットの使い方は、簡単です。
羽毛布団や、そのほかの素材の掛け布団、(洗える掛け布団、綿わたの掛け布団、羊毛掛け布団など)の下(内側)、体の上に掛けて使います。掛けカバーは使わず、直接、体の上にのせて使います。
お手入れは、ご家庭でお洗濯をします。インナーケットは、ご家庭でお洗濯できる商品がほとんどですが、念のため、洗濯前に、商品の説明書、もしくは、洗濯タグを確認してからお洗濯してください。ご家庭で洗濯できないタイプは、ドライクリーニングを利用しましょう。
インナーケットの種類と特徴、使用する目的
ここからは、インナーケットの種類と特徴、目的をお伝えします。
インナーケットの種類
インナーケットの種類は、大きく2つに分けられます。
- 毛布のような、起毛しているケットタイプ(織り機で編みあげられた1枚タイプの寝具)
- 中に薄くわたが入っている、肌掛け布団タイプ
いずれも、従来の毛布や肌掛け布団より、薄く、軽量です。
使われている素材や、薄さ、重さに決まりはありません。ただ、次のような特徴があります。
インナーケットの特徴
インナーケットの特徴は、次の通りです。
- 羽毛布団や、そのほかの種類の掛け布団の下、内側にいれ、体に直接掛けて使う、サポート寝具であること
- 従来の毛布や肌掛け布団より、薄く、軽量であること
- 体の曲線にそってなじむようにフィットすること
- 汗などの湿気の通気、もしくは、発散機能に優れていること
- 天然素材、もしくは、除湿機能に優れた特殊素材であること
- カバーを掛けずに使えること
- 直接肌に触れるので、ご家庭で洗濯ができること
などがあげられます。
インナーケットを使う目的
インナーケットを使用する目的は、掛け布団、特に、羽毛布団の下、内側に入れて使い、掛け布団の保温性を高め、掛け心地を良くすることです。
その目的をかなえるための寝具が、インナーケットで、その特徴が、上のリストに記した内容になります。
インナーケットは、明確な仕様、素材、サイズ、重さは、決められていないのが現状です(2020年1月現在)。
「え、そうなの? だったら、手持ちの寝具で、インナーケット代わりのなるのでは?」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
はい。お使いになっている寝具で、上でお伝えした特徴が一致すれば、インナーケットとして、ご利用いただけます。次の項目で、お伝えします。
インナーケットとして使える、お手持ちの寝具
お手持ちの寝具を、インナーケットとしてお使いいただくことも可能です。インナーケットとしてお使いいただける、従来の寝具は次の通りです。インナーケットとして販売されている商品との違いもお伝えします。インナーケットが必要か、手持ちの寝具を活用するか、の判断基準にしていただければ幸いです。
インナーケット代わりになる従来の寝具
- ガーゼケット
インナーケットとほぼ同様の特徴。ただ、ウール素材のインナーケットに比べると、保温性は低くなります。
- やわらかタオルケット(タオルケットでも、パイルが無撚糸ややわらかなパイルが使用された、肌にやさしいタイプ)
インナーケットより、保温性がやや低い。インナーケットとして販売されている商品の中には、パイルが綿素材の商品もあります。
- 綿毛布
インナーケットより、厚く重さがある。インナーケットより重さはありますが、羽毛布団の下、内側、身体の上に直接かけてお使いいただけます。
- ウール毛布
インナーケットより、厚く重さがある。インナーケットより重さはありますが、羽毛布団の下、内側、身体の上に直接かけてお使いいただけます。
- シルク毛布
インナーケットより、厚く重さがある。インナーケットより重さはありますが、羽毛布団の下、内側、身体の上に直接かけてお使いいただけます。
- ガーゼ、綿ローンの掛けふとんカバー
インナーケットより薄く、軽い。ガーゼや綿ローン掛けふとんカバーを、掛けふとんを入れずに、使います。ガーゼケットより軽く、ふんわりとした、やさしい温もりでお使いいただけます。
上記の寝具の特徴は、
- 掛け布団の下、体の上に直接かけて使っても、汗などの湿気が、こもらないこと
- 羽毛布団の軽い掛け心地を妨げないこと
- 羽毛布団の保温性が伝わること
です。
上記以外の寝具でも、お持ちの寝具の中で、特徴が合えば、インナーケットとして、お使いなってみてください。新製品を使うだけが良いのではなく、使い回しをして、寝具の数を増やさないことも、ベストな寝具の使い方です。
インナーケットが、作られるようになった背景
最後に、インナーケットという名称で、商品が販売されるようになった背景をお伝えします。
寝具に関心のある方だけ、どうぞお目通しくださいませ。
心地よく眠るためのヒントや、寝具の使い方、お手入れ方法とは、関係がない情報になります。
インナーケットが、作られるようになった背景には、
- 羽毛布団と併用する、毛布の掛け方の混乱。
毛布は、羽毛布団の上に掛けるのか? 下に掛けるのか? で迷う方が多くいらっしゃいます。適切な掛け方で、あたたかくお休みいただきたい。
- 羽毛布団の品質のばらつきによる、保温性の違い。
羽毛布団1枚だけでは寒い場合もあります。羽毛布団は、1枚でもあたたかいのですが、品質や種類によっては、そうでない場合もあります。せっかくの羽毛布団を、よりあたたかく使っていただきたい。
- 羽毛布団に最適なカバーの特徴とひんやり感のジレンマ。
羽毛布団は、軽量で、羽毛のふくらみを妨げない、掛け布団カバーが最適ですが、ひんやり感が気になる方もいらっしゃいます。あったか掛けふとんカバーは、ひんやり感がなく、あたたかさはありますが、重くなってしまいます。軽くて、あたたかな寝具を掛けて、体に負担を掛けずに、心地よくお休みいただきたい。
などがあります。
インナーケットは、羽毛布団をお使いになる方が、より、快適に、あたたかく、掛け心地の良さを味わいながら、お休みになっていただくために、製品化され、販売されるようになったといってもよいでしょう。
さらには、インナーケットは、羽毛布団の上か下か、で迷うことなく、わかりやすく付けられた名称、といってもよいでしょう。
以上です。
お使いになっている掛け布団の保温性が、少し足りないな、と、寒さを感じながら眠ってらっしゃる方へ。インナーケットや、お手持ちの寝具の活用で、より、掛け心地良く、あたたかく、湿気で冷えることもなく、ぐっすりとお休みいただければ幸いです。今夜も快眠をお楽しみいただけますように。
ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。
この記事を書いた人
シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。
専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。
前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。
たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。
ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。