公開日:2020.02.19

羽毛布団の羽毛が片寄っています、直す方法はありますか?

羽毛布団の羽毛が片寄っています、直す方法はありますか?

羽毛布団の羽毛が片寄っています、直す方法はありますか?

「羽毛布団の羽毛が片寄って、膨らんでいない部分があります。直す方法はありますか?」と、お問い合わせを頂戴します。羽毛布団が薄くなって、首や肩口、足元が寒くなってしまうとのご相談です。ここでは、羽毛布団の羽毛の片寄りのパターン、その原因、対処法をお伝えします。

目次

羽毛布団の羽毛の片寄りの状態、パターン

「羽毛布団の羽毛が片寄ってしまって、寒い。襟元が暖かくない」

羽毛布団を数年お使いの方の中には、上記の感想を持たれたこともあるかもしれません。

羽毛布団の片寄り、と表現される現象は、

  • 羽毛布団が、部分的に、薄くなってしまっている

状態です。

具体的な状態は、羽毛布団の、いくつかに区切られたマスが、ふっくらしているマスもあれば、ぺたんと薄くなっているマスもある、といった状況です。

この状態の、羽毛布団を確認すると、いくつかのパターンに分かれます。

羽毛布団が片寄っている、と表現される状態の羽毛布団のパターンは、次の通りです。

羽毛布団の片寄りの状態、パターン

  1. 羽毛布団の羽毛が、同じマスの中で、片寄ってしまう場合
  2. 羽毛布団の羽毛が、マスを移動して、片寄ってしまう場合
  3. 羽毛布団の一部分の羽毛の、摩耗が激しく、膨らまない状態のマスがある場合
  4. 羽毛布団の羽毛に、湿気が付着して、膨らまずに、ぺしゃんとなっているマスがある場合

パターンが異なると、原因や対処法も変わります。

羽毛布団の片寄りのパターン別、原因と対処法

ここからは、羽毛布団の片寄りの原因と対処法を、詳しくみていきましょう。

上の項目でお伝えした、パターン別に順番でお伝えします。

1.羽毛布団の羽毛が、同じマスの中で、片寄ってしまう場合

羽毛布団が片寄ってしまって、という場合の、一つ目のパターンです。

羽毛布団の羽毛が、同じマスの中で、片寄ってしまい、寒いと感じる場合です。

原因

この状態の原因は、

  1. 羽毛布団に使われる羽毛が、一粒のダウンが小さかったり、スモールフェザーが多かったりする場合
  2. 羽毛布団のキルティングのマスが大きく、さらに、スモールフェザーが多い場合

などがあげられます。

羽毛布団の羽毛のダウンの粒が小さかったり、スモールフェザーが多かったりすると、羽毛布団の羽毛が一つのマスの中で片寄って、寒く感じる、というケースがあります。

一粒のダウンが小さかったり、スモールフェザーが多かったりすると、羽毛布団のマスの中で、羽毛が膨らまず、サラサラと動いてしまうのです。これは、安価な羽毛布団で、発生する場合があります。

さらに、羽毛布団のキルティングのマスが大きく、羽毛のダウンの粒が小さかったり、スモールフェザーが多かったりすると、羽毛布団の一つのマスの中での片寄りが、顕著に感じやすくなります。羽毛布団のキルティングのマスが小さいより、大きい方が、一つのマスの中で、羽毛が片寄った場合、ぺしゃんとなる部分が広くなり、寒さを感じやすくなるからです。

対処法

1.羽毛布団の、限られたマス、例えば、襟元や、足元だけに、状態が発生している場合の対処法:

  • 信用のおける寝具専門店で、増し羽毛をしてもらう

という方法があります。

羽毛布団の、特定のマスに、羽毛を吹き込んで、羽毛を足すのです。

寝具専門店によって、増し羽毛措置を行っているお店、行っていないお店があります。お近くの、信用のおける寝具専門店に確認をしてみてください。

羽毛布団の増し羽毛は、羽毛布団のクリーニングをしてから、という寝具専門店もあります。その点も、確認してから、依頼するようにしましょう。

1点、注意点です。

羽毛布団の クリーニングは、絶対に、信用のおける寝具専門店、または、クリーニング専門店に依頼するようにしましょう。電話による、訪問サービス、点検サービスの誘いには、応じないようにしましょう。注意点の詳細は、→ 「羽毛布団のクリーニングのタイミングと注意点」をご覧ください。

2.羽毛布団、全体のマスで、片寄りが発生している場合の対処法:

羽毛布団の全体の、それぞれのマスで、マス内の片寄りが発生している場合は、羽毛布団の品質が原因です。何かの手立てをして、その状態を回避することはできないでしょう。羽毛布団の買い替えが必要になります。

とはいえ、買い替えは、まだしたくない、という方もおられるでしょう。

その場合は、羽毛布団の保温性を、ほかの手段で補うことになります。

次の方法を、参考になさってください。

羽毛布団のキルティングの種類、バリエーションについて

ここで、羽毛布団のキルティングについて、説明を加えさせてください。

羽毛布団の一つのマスが大きいと、羽毛が片寄りやすい、との、誤解を防ぐためです。

羽毛布団のキルティングの方法は、現在、バリエーションが増えてきています。羽毛布団のメーカーが、より保温性を高めるための、キルティングの方法を研究開発し続けているからです。

羽毛布団のキルティングは、以前のような、何マス x 何マス、といった単純なパターンだけではありません。冬用の、羽毛布団は、マスに高さを設けた、立体キルトにしてあることは、標準です。その立体キルトのバリエーションが、増えてきているのです。

下記は、羽毛布団のメーカーが、研究開発をして、生み出したキルティング方法の例の一部です。

  • 体の上にくる部分のマスを大きくし、多く羽毛を入れることによって保温性を高めるキルティング
  • 首元の保温性を高めるために、襟元だけ、細かなマスにしたキルティング
  • 首元の保温性を高めるために、体に沿うように、キルトのマスを特殊な形状にしたキルティング
  • 首元の保温性を高めるために、横に大きく幅をもたせた、特殊な形状のキルティング
  • キルティングの部分から、暖かな空気を少しも漏らさないように、異なったキルトパターンを2層重ねたキルティング
  • ベッドから布団がずれないように、両サイドのマスを小さくしてあるキルティング
  • 暖かな空気を逃がさないような、2層構造のキルティング
  • 保温性を高めるために、中間にあえてキルトをしない層を設けた、3層構造のキルティング、など

羽毛布団のメーカーは、羽毛布団の保温性を高め、掛け心地をよくし、心地よく眠ってもらえるように、研究改善を重ねています。羽毛布団の、進歩は、目にみはるばかりです。

そのため、現在では、羽毛布団の一つのマスが大きいから、羽毛の片寄りがある、とは一概に言えなくなっているのです。

一つのマスの中での、羽毛の片寄りは、中に使われる羽毛の品質、そして、キルトの品質、の組み合わせで、発生してしまいます。この状態を事前に防ぐには、羽毛布団を購入する際、品質を吟味して選ぶことが大切です。

2.羽毛布団の羽毛が、マスを移動して、片寄ってしまう場合

羽毛布団が片寄ってしまって、という場合の、ふたつ目のパターンです。

羽毛布団が片寄る、といった場合、このパターンが、一番、多いかもしれません。

原因

この状態の原因は、

  1. 羽毛布団の立体キルトが、完全立体キルトではない場合
  2. 羽毛布団のキルティングが、使用上の何らかの原因で、ほつれてしまった場合

があげられます。

一つ目の原因の説明です。

羽毛布団は、いくつかのマス目になるように、キルティングをされています。冬用の羽毛布団は、高さがでるように、マチの布が使われ、立体的にキルティングをされています。その側生地に、羽毛が吹き込まれて羽毛布団になります。

羽毛を吹き込む場合、1箇所から、立体のマスに順番に羽毛が吹き込まれていく製造方法があります。その場合、一つのマスに、羽毛が吹き込まれた後、ピタッと、その吹き込み口が閉じるような特殊構造になっていれば、問題は発生しません。

ところが、穴が完全にふさがれないような構造になっている場合、羽毛布団の羽毛が、マスを移動して、片寄ってしまうという現象が起きてしまうことがあるのです。

羽毛布団を数年使っているうちに、その現象が、顕著になり、寒く感じてしまうということが起こるのです。

対処法

羽毛布団の羽毛が、マスを移動して、片寄ってしまう場合の対処法は、

です。

羽毛布団の羽毛が、マスを移動してしまう場合、キルティングが原因であることは、お伝えしました。羽毛が、まだ、摩耗していない状態であれば、羽毛布団を仕立て直して、再生することが可能です。

羽毛布団の仕立て直し、リフォームを、信用のおける寝具専門店に依頼してみましょう。

羽毛布団のリフォームは、羽毛布団の羽毛の状態によって、可能な場合、可能でない場合があります。まずは、信用のおける寝具専門店に、お使いの羽毛布団の状態をチェックしてもらってからの、依頼になります。

詳しくは、「羽毛布団のリフォームの方法と注意点」をご覧ください。注意点もご確認いただけます。

二つ目の原因の説明です。

二つ目の原因は、羽毛布団の使い方です。たとえば、羽毛布団を引っ掛けてしまう、布団たたきでたたいてしまう、強く力を入れてたたんでしまう、など、乱雑に扱ってしまうと、羽毛布団の縫製、キルティングが損傷することがあります。

その場合、羽毛布団の羽毛が、マス目を移動して、片寄ってしまうことがあります。この状態を防ぐには、羽毛布団を、丁寧に取り扱うこと、が基本になります。

対処法は、上記と同じです。

3.羽毛布団の一部分の羽毛の、摩耗が激しく、膨らまない状態のマスがある場合

羽毛布団が片寄ってしまって、という場合の、三つ目のパターンです。

この状態は、実際には、羽毛布団の羽毛が移動して、片寄っているのではありません。

羽毛布団の、襟元の部分の羽毛が摩耗しているために、そこのマスだけ、ぺしゃんとしているのです。そのため、この状態の羽毛布団が、羽毛が片寄っている、羽毛布団が片寄っている、表現される場合があるのです。

原因

この状態の原因は、

  • 羽毛布団の一部分、特に襟元、の羽毛の摩耗が激しく、そこだけ、膨らまなくなっている場合

です。

この状態は、羽毛布団を数年以上使っている場合に発生しやすくなります。特に、男性の使っている羽毛布団に多くみられるようです。

羽毛布団を、数年使っていると、首元は、汚れが一番付着しやすくなります。手で持つことも多いですし、首や顔が触れ、皮脂、寝ている間の汗が、染み込みやすいからです。

羽毛布団の羽毛は、繊細な綿毛のような部分に、空気を含ませることで膨らみ、保温性を高めます。この、繊細な綿毛の部分は、扱い方で、壊れてしまいやすい部分です。

数年、毎日使っていると、丁寧に扱っていても、その繊細な綿毛の部分が摩耗する、なくなってしまいます。皮脂や寝ている間の汗などの汚れが付着することでも、摩耗は起こります。

羽毛が摩耗すると、羽毛が膨らまず、ペチャンコのままになってしまうのです。

この状態は、羽毛布団を長年使っているうちに、どうしても、発生する現象です。ただ、この状態を発生しにくくする方法はあります。羽毛布団には、必ず掛け布団カバーを掛けることです。さらには、掛け布団カバーを定期的に洗濯して、皮脂や汗が、羽毛布団にしみこませないようにすることです。

対処法

羽毛布団の羽毛が、部分的に、摩耗してしまった場合の対処法は、

  • 信用のおける寝具専門店で、増し羽毛をしてもらう

という方法があります。

襟元など、部分的に、摩耗している場合、羽毛布団全体が、汚れている場合がほとんどです。

羽毛布団のクリーニングを、信用のおける寝具店に依頼して、同時に、増し羽毛をお願いするのがよいでしょう。

羽毛布団のクリーニングを依頼する詳細は、「羽毛布団のクリーニングのタイミングと注意点」をご覧ください。

羽毛布団のクリーニング、増し羽毛は、必ず、信用のおける寝具専門店で行ってください。お近くに、寝具専門店がない場合は、信用のおける寝具メーカーに相談してみてください。お近くに寝具専門店を紹介してくれるでしょう。

4.羽毛布団の羽毛に、湿気が付着して、膨らまずに、マスがぺしゃんとなっている場合

羽毛布団が片寄ってしまって、という場合の、最後のパターンです。

この状態も、3つ目の原因と同じで、実際には、羽毛布団の羽毛が移動して、片寄っているのではありません。

原因

この状態の原因は、

  1. 羽毛布団は、汗や湿気が染み込んだまま、長く使っている場合
  2. 羽毛布団を長く使っていて、羽毛が摩耗して、寿命に近づいている場合

などがあげられます。

羽毛は繊細な綿毛

羽毛は繊細な綿毛

羽毛布団は、繊細な羽毛の粒の綿毛が、空気を含み、膨らむことで保温性が高まります。繊細な羽毛の綿毛は、湿気を帯びると、膨らみにくくなってしまいます。

羽毛布団は、綿のわたの掛け布団や、羊毛の掛け布団とは異なり、湿気がこもりにくい掛け布団です。とはいえ、長年使っていると、汗などによる湿気が、羽毛の繊細な綿毛に付着し、そこに、汚れがからみつくようになります。すると、湿気が発散しづらくなり、汚れと湿気で、羽毛が摩耗し、空気を含まず、膨らまなくなってしまうのです。

その状況が、例えば、羽毛布団の襟元や、体に乗る部分など、部分的に発生すると、羽毛が片寄っている、羽毛布団が片寄っている、と、表現される場合があるのです。

この状態も、羽毛布団を長年使っていると、少なからず起こる現象です。羽毛布団の寿命を表す現象でもあります。

この状態を起こりにくくするには、

  • 羽毛布団を、定期的に、陰干しをする
  • 羽毛布団には、必ず掛け布団カバーを掛ける
  • 掛け布団カバーを定期的に洗濯して、皮脂や汗が、羽毛布団にしみこませないようにする

などの、お手入れをするのがよいでしょう。

対処法

羽毛布団の羽毛に、部分的に、湿気が付着して、膨らまずに、マスがぺしゃんとなっている場合の対処法です。

1.まずは、羽毛布団の影干しをしてみましょう。

羽毛布団の陰干しとは、羽毛布団を部屋の中に、広げる、または、ラックに掛け、通気をすることです。

扇風機や、サーキュレータがあれば、風をあてながら、通気すると、より湿気を早く発散させることができます。

2.羽毛布団のクリーニングを依頼する

ご自宅で、羽毛布団の陰干しをしても、まだ、ぺしゃんとしてしまっている場合は、羽毛布団を、信用のおける寝具専門店に、クリーニングを依頼してみましょう。

羽毛布団の状態によっては、クリーニングをしても、状態が改善しないこともあります。信用のおける寝具専門店に、まずは、羽毛布団の状態を相談するのが良いでしょう。羽毛布団の状態を、適切に判断し、クリーニング可能かどうか、アドバイスをしてくれるはずです。

くれぐれも、電話や訪問による、点検サービスなどには注意するようにしてください。お近くに、信用のおける寝具専門店がない場合、信用のおける寝具メーカーに相談してみましょう。「羽毛布団のクリーニングのタイミングと注意点

3.状況によっては、羽毛布団のリフォームを依頼する

羽毛布団の状態によっては、クリーニングより、羽毛布団のリフォームが適切な場合もあります。クリーニングで状態が改善しなくても、リフォームで、改善が見込める場合があるからです。「羽毛布団のクリーニングとリフォームの違いとは?

羽毛布団のリフォームとは、お使いの羽毛布団の側生地をはずし、中の羽毛を洗浄し、新しい羽毛を足し、新しい側生地を使って、仕立て直しをすることです。

羽毛布団の羽毛の状態によって、リフォームが可能な場合、可能でない場合があります。まずは、信用のおける寝具店に相談してみるようにしましょう。

以上、
羽毛布団の片寄りのパターン、原因、対処法をお伝えしました。羽毛布団の片寄りを直すには、信用のおける寝具店に相談して、適切な対処をすることになります。具体的な方法は、上記でお伝えしたように、羽毛布団の状態によります。まずは、お近くの寝具店に相談してみるようにしましょう。


ご参考になれば幸いでございます。寝具の疑問、ご不明な点は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。今晩も、どうぞぐっすりとお休みいただけますように。

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