Author Archives: 田中 宣子

About 田中 宣子

シーツjp店長。上級睡眠健康指導士(認定登録番号 第662号)。 専門分野の、快眠のための寝具の販売、及び、ご相談、ホームファニシング、インテリア販売に、1994年から従事。1923年創業の弊社の店舗にて、対面で23年間、お客さまにぐっすり眠れるための寝具のコンサルティング、ご提案、販売を担当。その経験を活かし、現在は、オンラインにて気持ちよく眠っていただくための、ベッド用寝具の販売、ご提案、ご相談に注力。 前職は、米国の航空会社のマーケティング部アジア統括スーパーバイザー。お客さまが快適で安全な空の旅を楽しんでいただくための仕事に従事。 たずさわるすべての方々とそのご家族が、ぐっすりと気持ち良く眠り、心地良く目覚め、活力いっぱいに、毎日をお幸せにお過ごしいただけるよう、仕事をしています。 ぐっすり気持ちよく眠るための寝具のご相談は、お気軽にお寄せください。

すっきり目覚めるための、光の浴び方。照明の工夫でできること

すっきり目覚めるための、光の浴び方

すっきり目覚めるための、光の浴び方

「毎朝、起きるのがつらい」、「朝、すっきり目覚めたい。良い方法はありますか?」と、お声を頂戴します。毎朝、シャキッと目覚めて、元気に一日を過ごせたら気分がいいですよね。夜の光の浴び方が、目覚めに影響があるとされています。ここでは、すっきりと目覚めるための、光や照明の浴び方をお伝えします。しくみを知ることで、睡眠の心配ごとが一つでも少なくなり、快眠にお役立ていただければ幸いです。

目次

光を浴びる時間帯で変わる、目覚めのタイミング

睡眠を知ろうとすると、ヒトのしくみの神秘さに魅了されます。今回お伝えする、光と眠りと目覚めの関係も、シンプルですが、不思議さに包まれています。

眠っている間の、光を浴びるタイミングで、目覚め方が遅くなったり、早くなったりするというのです。

具体的には、

  1. 眠りに向かう、体温が低下するときに、光を浴びると、目覚めが遅くなる
  2. 目覚め(覚醒)に向かう、体温が上昇するときに、光を浴びると、目覚めが早くなる

という、関係性です。

実際には、目覚めが早くなったり遅くなったりするだけでなく、ヒトの一日のリズムが、早まったり、遅くなったりします(宮崎、林、2017)。

上記の1、の場合、体温の低下時に光を浴びると、朝の目覚めが遅くなり、リズムがずれこむため、夜、眠りに就く時間も遅くなります。結果、夜型になりやすくなります。

2、の場合、体温の上昇時に光を浴びると、目覚めが早くなり、そのリズムのまま、夜、眠りに入るタイミングも早まり、朝型になりやすくなります。

光の浴び方を調整することで、早寝早起きになったり、宵っ張りになったりするというのです。これを知ると、とても、気持ちが楽になりませんか?

今は、タイマーや調光機能がついた照明機器が販売されています。照明器具の工夫で、簡単に寝室での光の浴び方を調整できます。

では、具体的な、光を浴びる時間帯はどうなのでしょう。

具体的な時間帯を、医学博士出睡眠の専門家の堀忠雄氏は、著書の中で下記のように伝えています。

体温が低下する22時以降から最低体温付近までの早朝3時~5時頃にかけて明るい光にさらされると、生体リズムに遅れが生じる。中略 逆に、体温が上昇し始める頃から午前10時頃に明るい光にさらされると、生体リズムが早まる。

(堀、2008)

上記は、標準的な眠り方をする場合の、具体的な時間帯です。

それぞれの人によって、就寝起床時刻は異なります。その場合は、就寝約1時間前から最低体温になるまで、と、最低体温の後の約5時間の二つの時間帯にわけることもできます(堀、白川、2008)。ご自身の、就寝時刻、起床時刻に合わせて、時間帯をみはからってみてください。

朝の光が、目覚めのすっきり感に影響

ここからは、朝、起きる30分前から浴びる光が、目覚めのすっきり感に影響する、ということをお伝えします。

前出の堀氏は、文献で次のように伝えています。

起床30分前から光を漸増すると熟睡感が向上し、起床時の眠気も低下する。

(堀、2008)

また、他の著書の中では、

起床30分前からの寝室内の照度を漸増していくと、よりすっきりとした目覚めがえられることも報告されている。

(堀、白川、2008)
とも伝えています。

つまり、起きる30分前から、強い光の照明を浴びるようにセットしておくと、眠りの満足度も上がり、すっきりとした目覚めも迎えられるというのです。

光の浴び方は、起きる時間に影響するばかりだけでなく、起床の30分前の光の浴び方で、眠気が残らず、すっきりと目覚められるのです。ヒトのしくみがそうなっているのです。

すっきり目覚めるための、工夫

ここまでは、光と睡眠、目覚めの関係をお伝えしてきました。ここからは、すっきり目覚めるためにできることをお伝えします。起床時と夜間の照明の工夫です。

起床時

起床時の照明の工夫です。

目覚ましライトなど、タイマーで強い光の照明が点灯するしくみの、照明器具を用意する

最近は、光で目覚めるための、目覚ましライト、光目覚まし時計などが、販売されています。光の強さを調整できる商品もあります。光の強さは、2,500ルクス以上の明るい光が好ましいとされています(堀、白川、2008)。それぞれの商品の、光の強さや、タイマー機能、調光機能などを比べながら、納得する商品を選んで、使ってみましょう。

朝日で目覚めるのが理想ですが、現代社会では、遮光カーテンや雨戸シャッターの利用、天候の不順、生活の時間帯の違いなどから、朝日で目覚めるのは、非現実的です。積極的に、照明器具を使うのが、現実的です。

就寝前

就寝前、夜できる照明の工夫です。

就寝前1時間は、やや暗く暖色の間接照明やスタンドの照明にする

これまでお伝えしたように、眠る前の1時間前から数時間に浴びる光は、朝の目覚めの時間に影響があります。眠る前の、リビングや寝室でのくつろぎの時間帯の、照明を暗めにするようにしましょう。

具体的な明かりの数値は、100ルクス以下であれば、朝の目覚めの時間帯を遅らせることはない、とされています(宮崎、林、2017)。夜、室内の明るさは、200ルクス程度とされています。リビングでのくつろぎの時間に、100ルクスの照明は、現実的ではないかもしれません。

でも、欧米のリビングの照明は、間接照明だけで、相当な暗さです。リラックスしながら、心地よい眠りに入りやすくするには、慣れてしまうと、それが普通と感じることもできるかもしれません。ご家族と相談しながら、照明をかえてみるのも良い機会になるかもしれません。

パソコン、スマートフォンの光が影響することを考慮する

夜、パソコンやスマートフォンを使用することは、睡眠の質に影響を与える、と、多くの方が耳にしていることでしょう。理由は、パソコンやスマートフォンの光が、青色光という波長のタイプの光だからです。

つい、スマートフォンを夜遅くまで利用する方も、少なくはないでしょう。朝の目覚めを気にする方は、影響があることを承知して、控えるようにするのが得策です。

就寝中

睡眠中の寝室の照明は、好みもあり、暗くしたい方、少し明かりをつけたい方もいらっしゃるでしょう。ぐっすり眠るための照明の工夫は、「ぐっすり眠るための、就寝中の照明の選び方」 をご参考になさってください。

メラトニンの影響

ここまでお伝えしてきた、光の浴びるタイミングによる、朝の目覚めの影響は、メラトニンというホルモンが影響しています。

この記事では、睡眠のしくみを、シンプルに、わかりやすく、お伝えすることで、睡眠の不安をなくし、リラックスして、心地よく眠っていただくことを目的にしています。そのために、メラトニンという言葉を使わずに、お伝えしてきました。

ただ、最後に、しくみの実態を、正しくお伝えするために、メラトニンについて、少し記載しておくことにします。

最初に、

  1. 眠りに向かう、体温が低下するとき、光を浴びると、目覚めが遅くなる
  2. 目覚め(覚醒)向かう、体温が上昇するときに、光を浴びると、目覚めが早くなる

とお伝えしました。

これは、詳細には、次のように書きかえることができます。

  1. 眠りに向かう、体温が低下するとき、光を浴びると、メラトニンの分泌が抑制され、睡眠のリズムが遅くずれ込むために、目覚めが遅くなる
  2. 目覚め(覚醒)向かう、体温が上昇するときに、光を浴びると、メラトニンの分泌時刻が早まり、目覚め早くなる

この記事で、光を浴びることに焦点を当ててきましたが、光を浴びることで、メラトニンの分泌が影響される、というのが実際のところになります。最後に、メラトニンの説明です。

メラトニンとは、眠りに向かう一時間程度前から分泌され、最低体温の1~2時間前がピーク、その後、減少する、夜間にだけ分泌されるホルモンです。分泌が増加すると、体温が低下し、眠りの状態になります。ただ、夜間でも、光を浴びると、メラトニンは、分泌が抑制され、体温が上昇し、覚醒状態になり、眠りの生体リズムの時間が、遅くずれ込むのです(堀、2007)。

以上です。

光と睡眠のしくみを知ることで、目覚めの不安が減って、リラックスして安眠し、元気な一日を過ごしていただければ幸いです。

 
 
 

脚注

文献

堀忠雄、(2008)『睡眠心理学』株式会社北大路書房.

堀忠雄、白川修一郎、(2008)『基礎講座 睡眠改善学』一般財団法人日本睡眠改善協議会.

井上昌次郎、(2014)『ヒトはなぜ眠るのか』講談社.

宮崎総一郎、林光緒、(2017) 『睡眠と健康』一般財団法人放送大学養育振興会.

朝型と夜型とは? 自分のタイプを知ってリラックスして眠る

朝型と夜型とは? 自分のタイプを知ってリラックスして眠る

朝型と夜型とは? 自分のタイプを知ってリラックスして眠る

「朝型と夜型って、本当にあるの?」、「朝型に変えたほうが良いの?」と、眠りの時間帯についてのお声を頂戴します。睡眠には個人差があり、朝型夜型は、生活リズムの一つです。どちらか一方が優れている、ということは一概には言えません。ここでは、朝型と夜型の違い、違いによる影響、と、あなたが朝型か夜型かが分かるセルフチェックの方法、をお伝えします。朝型夜型を知ることで、よりよい睡眠にお役立ていただければ幸いです。

目次

朝型と夜型、とは?

朝型と夜型は、睡眠をとる時間帯の違いを表す言葉として使われます。朝型は、早く寝て早く起き、朝に調子が良いタイプ、夜型は、遅い時間に寝て、遅い時間に起き、夕方から夜にかけて、調子が出るタイプ、で、生活リズムに違いがあります。

本題の前に、一つ、お伝えさせてください。

この記事では、朝型と夜型に、優位性をつけるといった評価、また、心身の健康状態との関連づけは、しないことをお断りしておきます。

朝型と夜型について、それぞれの生活リズムの違いに優劣をつけて評価したり、心身の健康状態の良し悪しの原因にしたり、する文章や文献を目にすることがあります。研究の結果として、導かれた論文も存在します。

一方で、朝型、夜型といった、睡眠リズムの違いは、遺伝子要因、体質がかかわっているとする、文献もあります(三島、2016)。

朝型と夜型の違いの原因が、遺伝子要因、体質にある可能性がある以上、優位性を示したり、心身の健康状態の因果を関連付けたりすることは、この記事での本意ではありません。このサイトでは、ご自身の睡眠パターンを知ることで、不必要な心理的ストレスを取り除き、より入眠しやすく、目覚めを楽にしていただけることを目的としています。

朝型と夜型の違いとその影響

ここからは、朝型と夜型の違いを、

  1. 朝型と夜型の客観的な違い
  2. 朝型と夜型は、それぞれのタイプの人にどのような影響があるのか

に分けて、お伝えしていきます。

1.朝型と夜型の客観的な違い

朝型と夜型の、明確な違いは、2点あります。

  1. 睡眠の時間帯の違い
  2. 体温リズムの表われ方の違い

です。体温リズムの表われ方の違いは、位相の違いです。

具体的な違いは、次の通りです。

  • 就寝と起床時刻は共に、朝型が夜型より、1時間半程度早い
  • 1日の体温が最も低い時刻が、朝型は夜型より、1時間から2時間程度早い(堀、2000)
  • 体温の下降カーブは、朝型が急で、夜型が穏やか
  • 体温が最低値になった後、目覚めるまでの時間は、朝型のほうが夜型より長い
  • 起床時の体温は、朝型のほうが、夜型より高い
  • 睡眠時間に違いはあまりない、ほぼ同じ時間(堀、2000)

上記を、分かりやすくグラフに示すと、下記になります。

朝型と夜型の違い(宮崎、佐藤、2013)

朝型と夜型の違い(宮崎、佐藤、2013)

上記の違いは、ヒトの睡眠のしくみからすると、特別なことでなく、とても理にかなった現象です。

理由は、就寝と起床時間は、体温のリズムに深い関連性があるからです(宮崎、佐藤、2013)。

ヒトは、体温の低下に伴い、眠りに入り、体温の上昇に伴い、目を覚めますしくみになっています。上記のグラフを見ていただくと、朝型の人も、夜型の人も、それぞれの体温の下降に合わせて、眠くなり就寝し、体温が最低値になった後、上昇に合わせて、目覚めを迎えているのを、ご確認いただけます。

2.朝型と夜型は、それぞれのタイプの人にどのような影響があるのか

ここからは、先の客観的な違いが、朝型の人、夜型の人に、どのような影響があるのかをお伝えします。睡眠パターンを改善しようとする方のヒントになれば幸いです。

朝型の人

特徴原因
寝つきが早い体温の下がり方が急なので、入眠にかかる時間が少ないため
目覚めが良い目覚めの時刻が、体温が比較的上昇している時であるため
午前中に、作業効率が高く、気分も良い起床時の体温が高いので、目覚めが良いため
就寝と起床時間がほぼ規則的体温の下がり方が急で、入眠時間の変動が難しいため
夜遅くまで起きていられない体温が急に下がり、その時間帯が早めのため、体が睡眠状態に早く入るため
朝寝坊をしにくい体温の上昇の時間帯が早いので、早い時刻に目覚め、遅くまで寝ていられないため
寝る時間が遅くなると、睡眠時間が短くなる体温が最低値、もしくは、上昇傾向の時に、眠りにつくので、入眠に時間がかかる。起床は、ほぼ同じ時刻になりがちなので、結果、睡眠時間が短くなるため

夜型の人

特徴原因
夜遅くまで起きていられる体温の下がり方が穏やかなので、就寝の時刻に融通性がある
目覚めが良くない目覚めの時刻が、体温がまだ上昇しきれていない時であるため
午後や夕方に、作業効率が高い起床時の体温が低めなので、作業効率の高い時間も、ずれ込むため
就寝と起床時間に融通性がある体温の下がり方が穏やかなため、就寝時刻を比較的楽に前後させられるため
朝寝坊ができる体温の下降と上昇のカーブが穏やかなので、時間に制約がなければ、睡眠時間に合わせて目覚めるため
就寝時間を早めると、入眠に時間がかかる体温が下がるまでに時間がかかるため、寝つくまでに時間がかかるため

上記の特徴を、肯定的に捉えるか、否定的に捉えるかで、朝型と夜型に対するイメージや、受け止め方が変わってくるでしょう。睡眠に対する満足度、不満足度が異なる場合もあるようです。例えば、夜型であることを肯定的にとらえ、否定的な感情がない方は、ご自身の睡眠に不満を抱かない、などです。

臨床心理学が専門の福井儀一氏と福井貴子氏は、「大学生の生活リズム(朝型-夜型)とその認知的評価がストレス反応に及ぼす影響」と題する論文の中で、実験結果を通じ、

これまで、朝型生活が心身の健康に寄与するとされてきたが、自身の生活リズムを肯定的に捉えていることや、それに満足していることがストレス反応を緩和する可能性が示されていた

(福井、福井、2009)
としています。

睡眠は、ヒトの生理的現象のほか、ストレスなくリラックスすることで、入眠がしやすくなるとされています(宮崎、佐藤、2013)。朝型と夜型の特徴を、客観的にみることで、ご自身の睡眠の取り方のヒントにしてみてください。

セルフチェック あなたが朝型か夜型かわかる方法

ここでは、ご自身が、朝型か夜型化を、チェックする方法をご紹介します。ご自身の生活リズムを知ることで、睡眠に対するストレスを減らし、リラックスして、快眠をお楽しみいただければ幸いです。

セルフチェックは、下記の質問票に答えることで、判明していただけます。

日本語版朝型-夜型質問紙

上記の質問紙は、1973年にスウェーデンのOstberg、Oquist (1970)の 作成したものを、東京都精神科学総合研究所が、プロジェクト研究(生体リズムの生理化学とその病態-中枢神経疾患の時間生物学的研究-”の一部として行った研究の際に、日本語化されたものです(石原他、1986)。

夜型から朝型へのきりかえ

夜型から朝型へきりかえをしたい、という方もいらっしゃるようです。これは、とても大きな題材となりますので、別の機会に話題にいたします。

ただ、もし、切り替えをしてみたい、という方のために、コツをお伝えすると、

  • 夜型から朝型に変えたい場合、まず、トライすることは、朝起きる時刻を、早い時刻に決め、それを実行し、続けることです

ポイントは、夜寝る時刻を変えるのではなく、朝起きる時刻を、早い時刻に設定し、習慣づけることから始めます。それにより、体のリズムが整い、朝型に切り替わっていきやすくなります。

夜型を朝型に変えたくても、なかなか切り替わらず、で悩む方もいらっしゃるかもしれません。そのような方のために、睡眠医療のエキスパートである宮崎総一郎氏の著書の一文を引用します。

朝型・夜型は単なる生活習慣というだけでなく、ある程度生理的に決まった要因であることが分かっている。夜型の人間が突然、早寝・早起きにいこうしても、ホルモンや深部体温等の生体リズムはなかなか朝型にならず、しばらくは夜型のまま持続する

(宮崎、佐藤、2013)
 

どうぞ、気持ちをリラックスして、ぐっすりとお休みいただけますように願っております。
 
 

脚注

文献

堀忠雄、(2000)『快適睡眠のすすめ』岩波新書.

宮崎総一郎, 佐藤尚武、(2013) 『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』株式会社全日本病院出版会.

三島和夫、社会的ジェットラグがもたらす 健康リスク.日本内科学会雑誌105-9 : 1675-1681, 2016.

福井義一、福井貴子、大学生の生活リズム(朝型ー夜型)とその認知的評価がストレス反応に及ぼす影響、健康心理学研究 22(2), 52-59, 2009.

石原金由、宮下彰夫、犬上牧、福田一彦、山崎勝男、宮田洋、日本語版朝型-夜型
(Morningness-Eveningness)質問紙による調査結果、心理学研究 57(2), 87-91, 1986.

睡眠の見張り番、ぐっすり眠るための浅い眠りの役割

睡眠の見張り番、ぐっすり眠るための体のしくみ

睡眠の見張り番、ぐっすり眠るための体のしくみ

「たっぷり寝ているけど、眠りが浅い気がする」、「夜、なんだか目がさめてしまう」、など、眠りが浅いことを、気にされる方は少なくないようです。浅い眠りにも、役割があります。ここでは、浅い眠りの、大切な役割を、一つ、お伝えします。役割を知ることで、必要以上に、眠りの浅いことに、神経質にならず、リラックスして、眠りについていただければ幸いです。

目次

深い眠りと浅い眠りは、どのぐらいの時間あるの?

「眠りが浅いので、深い睡眠で、ぐっすり眠りたい」との声を頂戴します。深い眠りを、たっぷり、堪能したいですよね。

しかし、私たちは、一晩中、深い眠りで、眠り続けることはできません。

余波睡眠とよばれる、深い眠りは、成人の場合、一晩の眠りの中で、20%程度とされています(宮崎、佐藤、2013)。

その深い眠り、余波睡眠は、眠り始めてから、2~3時間の間に集中し、それ以降は、発生しないといわれています(堀、2000)。

仮に、7時間睡眠する場合、深い睡眠の余波睡眠は、眠り始めてから1時間半程度の間に、40分程度、そのあとの1時間半程度の間に、40分程度です。その後、目覚めるまでの4時間は、深い睡眠の余波睡眠は、発生しません。

残りの時間は、浅い眠りの状態になります。

一晩の眠りの中で、浅い眠りは、80%もあるのです。

7時間睡眠の方は、目覚める前の、4時間は、浅い眠りの状態ということになります。眠りの後半は、浅い眠りの状態が、正常なのです。

それを知ると、”眠りが浅い” という言葉や感覚に、必要以上に、敏感になっている気がしませんか?

浅い睡眠にも、大切な役割があります。その一つを、次にお伝えします。

深い睡眠と浅い睡眠の時間

深い睡眠と浅い睡眠の時間 (宮崎、佐藤、2013)

睡眠の見張り番

浅い睡眠がある理由は、いくつかあるとされています。その中で、面白い理由があるので、お伝えします。

睡眠の見張り番、の役割です。

人は、眠っている間、無防備になります。無防備状態の睡眠中、脳は、危険がせまっていないか、見張りをしてくれいている、というのです。

医学博士の堀忠雄氏は、著書の中で、睡眠の見張り番という役割を、次のように紹介しています。

睡眠中も脳は環境をしっかり監視しており、わずかな変化でも危険を察知したら、ただちに睡眠を中断して覚醒する。起きるほどのことではないと脳が判断すれば、少々の物音とていどでは目をさますことはない。このような見張り番メカニズムは一晩中はたらいている。

(堀、2000)

著書内では、睡眠中に、音、光、電気ショックなどの刺激を与えて、睡眠している人の、反応具合を実験した結果を、紹介しています。

外からの刺激に対する反応は、睡眠が深くなるほど、鈍くなるとしています。最も深い眠りの余波睡眠では、外部の刺激には、反応がほとんどできなくなってしまうというのです。

睡眠の見張り番からすれば、一晩のうちで、余波睡眠中は、仕事がおろそかになってしまいます。睡眠の安全管理が、途切れてしまうということです。

前の項目で、深い眠りは、眠り始めて、3時間の間に、2度に分けて発生すると、お伝えしました。

安全管理の面からみると、眠り始めてすぐと、眠ってから数時間後を比べると、眠り始めのほうが、安全性が高いような気がします。眠る前に、周りの安全性を確認してから眠れるからです。

その視点からすると、深い眠りが、眠り始めに集中し、さらに、深い眠りは継続せず、途中で、浅い眠りで分断される理由が、わかるような気がしませんか?

深い眠りのために、睡眠の見張り番が活躍しています。睡眠の見張り番がしっかり仕事ができるように、睡眠が深くなったり、浅くなったりの波がある、ということにもなるような気がします。

堀氏の言葉をお伝えします。

ぐっすり眠るために、しっかりした見張り番を立てる。むだにおきたりしないように眠らずに環境情報を処理し、起きるかそのまま眠りつづけるかを判断する。わたしたちの脳はつねに矛盾した二つの作業におりあいをつけ、なんとかどちらの希望も受け入れるところで、気持ちのいい眠りを実現しているのである。

(堀,2000)

いかがでしょう。

深い睡眠と浅い睡眠、それぞれの時間と、浅い睡眠の役割を知ると、少し気が楽になりませんか?

眠りは、気持ちを楽にして、リラックスすると、眠りに入りやすいとされています。この記事で、少しでも、浅い眠りの不安が減って、リラックスした状態で、楽に眠っていただけるようになれば幸いです。
 
 
 

脚注

文献
堀忠雄、(2000)『快適睡眠のすすめ』岩波新書.

宮崎総一郎, 佐藤尚武、(2013) 『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』株式会社全日本病院出版会.

シーツやカバー、何枚持っていればよいですか? 新生活の準備

シーツやカバー、何枚持っていればよいですか? 新生活の準備

シーツやカバー、何枚持っていればよいですか? 新生活の準備

「シーツやカバー、何枚ずつ持っていればよいですか?」と、お客さまからお問い合わせを頂戴します。お一人暮らしや、ご結婚で新生活を始める方が、寝具の準備で迷われる方が多いようです。ここでは、シーツや布団カバー、ピロケースの替えを何セット用意すればよいか、と、色合わせを楽しむための、持ち方の工夫をお伝えします。

目次

シーツ、布団カバー、ピロケースの洗い替えの必要枚数

ベッドや布団、枕に使う、シーツやカバー類は、洗い替えを含め、一人当たり、2セットを、最低でも準備するようにしましょう。

用意するシーツ類の素材は、季節を問わず、年間を通じて使える、綿素材の商品を2セット、まず、そろえるようにします。綿100%のシーツでも、生地の織り方によって、肌触りが異なります。肌触りの好みで選ぶようにしましょう。素材や生地の違いに迷ったら、シーツの生地の違いを参考にしてみてください。

季節に合わせた、ひんやりシーツやあったかシーツは、新生活をスタートさせた後、必要に応じて、そろえるようにします。寝室の空調や、暑さ寒さの感じ方の違い、季節商品をお得に買うタイミングなどを考慮して、無駄がないようにしましょう。

洗い替えが必要な理由

「乾燥機があれば、すぐに乾くので、洗い替えは必要ないのでは?」と、おっしゃる方もいらっしゃいます。

乾燥機があれば、確かに、洗い替えがなくても、1~2時間で、シーツを取り換えることができます。それでも、洗い替えを準備することをおすすめします。

理由は、シーツやカバーの取り外しと、取り付けにかかる時間を短縮できるからです。

筆者自身も、乾燥機を使って、洗い替えを用意しない場合、と、洗い替えを用意して、洗濯する場合の、2パターンを体験しています。2つのパターンを比べると、洗い替えを準備したほうが、手間無く、簡単に、シーツの取り換え作業が終わります。

洗い替えがあると、シーツやカバーを取り外しながら、新しいシーツやカバーを取り付けられるからです。かかる時間と、手間と、面倒と感じるハードルが、ずっと軽減されます。

シーツやカバーの洗濯は、取り外しと取り付けが面倒だから、と、つい後回しにしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。使っていたシーツやカバーを取り外しながら、新しいものと交換してしまうと、本当に楽です。洗濯する曜日を決めて、定期的に家事のサイクルに取り入れてしまいましょう。清潔なシーツと布団カバーで、気持ち良く、気分よく、睡眠を楽しんでいただけます。

下記、ベッドをお使いの方、お布団をお使いの方別に、必要なシーツやカバーの種類と、枚数を一覧表でお伝えします。それぞれのシーツやカバーの説明のページもリンクでご覧いただけます。

お使いの敷き寝具別、必要なシーツやカバーの種類と、枚数

お使いの敷き寝具の種類必要なシーツやカバーの種類最低限、必要な枚数
ベッドボックスシーツ最低一人あたり2枚
参考:ボックスシーツとはどんなシーツ?
ベッド掛け布団カバー最低一人あたり2枚
参考:掛けふとんカバーのサイズの選び方
ベッドピロケース
(枕カバー)
最低一人あたり2枚
参考:枕カバーのサイズの選び方
お布団ワンタッチシーツ、
ラップシーツ、
または
フラットシーツ
最低一人あたり2枚
参考:ワンタッチシーツとは?
お布団敷き布団カバー最低一人あたり2枚
参考:敷き布団カバーのサイズの選び方
お布団掛け布団カバー最低一人あたり2枚
参考:掛けふとんカバーのサイズの選び方
お布団ピロケース
(枕カバー)
最低一人あたり2枚
参考:枕カバーのサイズの選び方

ダブルやクイーンなど、二人用サイズのベッドやふとんをお使いの方は、寝具ごとに、2枚以上用意します。ピロケースは、一人当たり2枚以上用意します。

敷き布団をお使いの方へ

お布団をお使いの方は、敷き布団を、敷き布団カバーに入れて、その上から、ラップシーツ、ワンタッチシーツ、フラットシーツをかけて使うことをおすすめします。敷き布団が長持ちしますし、洗濯も楽になります。

敷き布団カバーだけを掛けて、お使いになることも、もちろん可能です。ただ、敷き布団カバーの洗濯は、取り外しと取り付けに手間がかかります。手間がかかると、洗濯することが、面倒になってしまいがちです。ラップシーツやフラットシーツは、さっと取り外して洗濯できます。心地よく眠るために、敷き布団カバーと、ラップシーツやフラットシーツの併用をおすすめします。

併用する方が、ずっと洗濯の手間が簡単です。

洗濯頻度を考慮した、洗い替えの色の持ち方の工夫

「洗い替えは、同じものをそろえればいいのかしら? 色違いも使ってみたいけど。」

シーツ、布団カバー、ピロケースを2セット用意する際、迷わず、同じ色で2セット用意する方もいらっしゃれば、せっかくなら、気分によって色を変えてみたい、という方もおられるでしょう。

もし、色違いでそろえる場合、コーディネイトができる、色の組み合わせを選んでみることをおすすめします。

理由は、シーツやピロケース、と、掛けふとんカバーでは、洗濯頻度が異なることが多いからです。汗の多い季節と、そうでない季節では、違いもありますが、おすすめする洗濯頻度は、

  • シーツ、ピロケースは、1週間に1度以上
  • 掛けふとんカバーは、1~2週間に1度程度

です。

洗い替えのシーツやカバーを、色違いでそろえるヒント

洗い替えのシーツやカバーを、色違いでそろえるヒント

洗い替えのカバー類の色を、コーディネイト可能な色をそろえることで、シーツ、ピロケース、掛けふとんカバーの洗濯頻度が異なっても、色の組み合わせを楽しんでいただけるからです。

もちろん、無地の色違いをそろえるばかりでなく、1セットは、柄物のカバー類、もう1セットは、柄物と同系色の無地のカバー類でそろえるのも一案です。

洗い替えは、コーディネートできる2セットを準備

洗い替えは、コーディネートできる2セットを準備

シーツやカバーは、お好みの色のほか、汚れが目立たない色安眠できる色など、楽しく色選びをしてみましょう。豊かな睡眠で、新生活の楽しみも広がっていくでしょう。

以上です。
洗濯した、清潔なシーツや布団カバーで眠ると、本当に気持ち良いものです。洗い替えをきちんと準備して、定期的な洗濯は、手軽に、簡単に、済ませてしまいましょう。

寝具を見直したい。でもどの寝具から替えたらよいの?

寝具を見直したい。でもどの寝具から替えたらよいの?

寝具を見直したい。でもどの寝具から替えたらよいの?

 

「寝具を見直したいのですが、どの寝具を、どう替えればよいのかしら?」と、お客さまからお問い合わせを頂戴します。具体的な眠りの悩みがあるのではなく、ぐっすり眠りたい、健康のために良い寝具を使ってみたい、でも、何をどう見直せはよいのか、迷われている方です。ここでは、眠りを改善するための、寝具を見直す順番を、お伝えします。

目次

どの寝具から見直すのがよいか

寝具の見直しは、「健康的な睡眠を第一に考え、安眠できる寝具に替えたい」という方もいらっしゃれば、「手軽に、あまりお金をかけずに、眠れる寝具に替えてみたい」という方もいらっしゃるでしょう。

さらには、すべての寝具を一度に買い替えたい方もいらっしゃれば、順番に、見直していきたい方もいらっしゃるでしょう。

ここでは、どの寝具から見直すのがよいのかを、2パターン、お伝えします。あなたの状況に合わせて、参考になさってください。

  • 1つ目は、健康的な睡眠を重視したい方向け、見直す寝具の順番
  • 2つ目は、手軽に眠りを見直してみたい方向け、見直す寝具の順番

です。

1.健康的な睡眠を重視したい方向け、見直す寝具の順番

健康的な眠りを、第一に考える場合、次の順番に、寝具を見直していきましょう。リストは、睡眠の質に大きく影響がある寝具の順番に並んでいます。

健康的な睡眠を重視したい方向け、見直す寝具の順番のリスト

  1. 敷き寝具、マットレスや敷き布団
  2. 掛け布団
  3. シーツやカバー

順番に、解説していきます。

1.敷き寝具、マットレスや敷き布団

マットレスや敷き布団は、健康的な眠りのために、一番大切な寝具です。健康的な眠りのための寝具の見直しでは、まず、敷き寝具を替えること、をおすすめします。

敷き寝具が、健康的な眠りに影響することは、多くの方がすでに体感しているかもしれません。例えば、寝心地の悪いベッドで寝た時の、体の痛さや、不眠感、経験されたことはありませんか?

敷き寝具の良し悪しで、寝心地が異なり、睡眠の質にも、影響を及ぼします。

睡眠研究の専門家も、その事実を、伝えてくれていますのでご紹介します。

睡眠の研究者で医学博士の堀忠雄氏は、著書「快適睡眠のすすめ」で、マットレスの性能が寝返りや寝姿勢に影響を及ぼし、さらに、ノンレム睡眠の中でも、最も深い眠り、余波睡眠の発生や長さに影響を与える、と伝えています。

おしりの落込まないマットレスでは、はじめの一時間から一時間半はほとんど動いていない。余波睡眠でぐっすり眠っているのがわかる。
中略
うすいふとんでは、中略 睡眠前半で寝返りが多く、本来なら余波睡眠が出て安定した睡眠姿勢が保たれているはずの時期がそうなってはいない。深い眠りが妨げられているのがわかる。

(堀 2000,218)

著書では、実験結果のグラフと共に、詳しく、わかりやすく、伝えてくれています。睡眠に関心のある方は、ぜひ読んでみてください。

では、実際に、敷き寝具は、どのように見直せばよいのか、をお伝えします。

敷き寝具の見直し方

健康的な睡眠をするためには、次の条件に合った敷き寝具を選ぶようにします。

  1. 正しい寝姿勢で眠れる
  2. 睡眠時の体重が、上手に分散されて、体が圧迫されない
  3. 血流やリンパの流れを妨げない
  4. 寝具内の温度と湿度が適切である
  5. 清潔である

健康マットレス、快眠マットレスとして販売されている、信頼できる商品は、上記の条件にこだわって製造されています。睡眠の質を第一に考える場合、ぜひ、健康快眠マットレスを検討することをおすすめします。

各メーカーから、さまざまな商品が販売されています。具体的な商品名の例は、健康マットレスの先駆けで愛用者の多い、西川エアーマットレスムアツふとんムアツスリープスパや、高反発マットレスのエアウィーヴ、低反発マットレスのテンピュールマットレスなどです。

詳しい選び方は、「店舗でマットレスを買う前に、確認しておくチェックポイント」をご覧ください。マットレス選びの参考にしていただけます。

健康マットレスまでは、ご予算が取れないという方の、敷き寝具の選び方は、「敷き布団の種類とお好みによる選び方」をご覧ください。お好み別に、詳しくご紹介しています。

2.枕

睡眠の質を重視したい方に、次に見直すことをおすすめする寝具は、枕です。枕の高さによって、寝ているときの姿勢が変わり、眠りの深さにも関係するからです。

体に負担をかけずに、健康的な眠りのためには、ご自身に合った高さの枕を選びます。

枕によって、肩や首筋が痛い、という経験をした方もいらっしゃるかもしれません。枕は、首や肩の痛みやコリに影響を与えるだけでなく、睡眠の質にも、直接影響を与えます。

前出の医学博士の堀忠雄氏は、

枕の高さによって、睡眠の質は大きく左右される。枕の高さ三センチ、六センチ、九センチとして、それに頭をのせて眠ったときの周波数分析をした結果がある。それによると、高さ六~九センチのときにゆったりとした周波数の低い脳波(θ波:四~八ヘルツ)がでてくる。三センチの枕では、ゆったりしたθ帯域の活動が抑えられて、α帯域(八~十三ヘルツ)の活動のみになってしまう。枕があまり薄すぎてはいけないことがわかる。

(堀 2000,220)

と伝えています。

ここで、α波とは、目が覚めていてリラックスした状態で出る脳波、θ波は、眠りに入り始めたときに出る脳波です。

上記では、適した高さの枕で眠ることで、睡眠に入りやすく、深い眠りの状態にもなりやすい傾向があると伝えてくれているのです。

枕の見直し方

健康的な睡眠をするために、枕は、次の点に注意して選びましょう。

  1. 正しい寝姿勢になる高さの枕を選ぶ
  2. 枕の高さは、使っているマットレスや敷き寝具に寝て、ご自身で微調整する
  3. 好みの固さの枕を選ぶ
  4. 清潔である

枕の高さは、ご自身の首と背中、後頭部のくぼみに合うような高さを選びことが大切です。

オーダー枕を作っても、家で眠ると、高さが合わないこともあります。枕の適切な高さは、お使いの敷き寝具の固さによって変わってしまいます。ご自宅で微調整をして使うようにしましょう。

をご覧ください。あなたに合った枕選びの参考になります。

3.掛け布団

次に見直すのが、掛け布団です。掛け布団の選び方は、シンプルです。

掛け布団は、次の点に注意して、選びます。

  • 呼吸や内臓に負担がかからないような、軽い掛け心地の掛け布団を選ぶ
  • 睡眠中の体の温度が適切になるような、保温性のある掛け布団を選ぶ
  • 湿気対策が楽にできる、掛け布団を選ぶ
  • ホコリが立たない掛け布団を選ぶ

 
上記の条件にかなう掛け布団は、羽毛布団かホコリのでない衛生タイプの掛け布団です。

詳しい選び方は、「掛け布団の種類と選び方」でご紹介しています。どうぞご覧ください。

4.シーツやカバー

シーツや掛け布団カバー、ピロケースも、安眠をするための大切な寝具です。吸湿性の良さや製品の仕様といった、機能面だけでなく、安眠につながる肌触りや色のシーツやカバーを選ぶようにします。

肌触りの違いで、心地よさが変わることは、あなたも体験からわかることではないでしょうか。たとえば、肌触りの悪いシャツを着てしまうと、一日気分が悪い、肌触りのよい肌着やシャツを着ると、気持ちが安らぐ、などといった経験です。

生地の肌触りと、心地よさは、実際に、関連性があるという研究結果の発表があります。

繊維製品の風合いと、肌ストレスの関係について、書かれた論文の一部をご紹介します。肌触りの異なる生地に触れることによる、脳波の違いを測定した実験結果を記した文章です。

質感の良い布地と悪い布地に触れた際のゆらぎを測定し、質感の良い生地を触っているときのほうが脳波のゆらぎが大きいことを報告している。

(上條 2011,92-99) 

上記の、ゆらぎが大きいとは、脳波の振幅の頻度が少ない状態です。ゆらぎと快適度のつながりは、まだ、解明されていないことが多い分野ではあります。しかしながら、生地の肌触りによって、心地よさの感じ方に違いがあり、質感の良い生地のほうが、優位であるということは、データが示している事実です。

シーツやカバーの見直し方

心地よい睡眠のために、シーツやカバーを見直す際の、ポイントです。

  • 汗の吸水性がしっかりある生地のシーツやカバーを選ぶ
  • 洗濯しやすく、耐久性のある生地のシーツやカバーを選ぶ
  • 好みの肌触りで、リラックスをしやすいシーツやカバーを選ぶ
  • 安眠できる色のシーツやカバーを選ぶ
  • 洗濯しやすく、耐久性のある生地のシーツやカバーを選ぶ

シーツやカバーは、他の寝具に比べて、場所もとらず、手に入れやすい価格帯です。気に留めていない方もいらっしゃるかもしれませんが、マットレス、枕、掛け布団を、快眠タイプに変えたときは、シーツやカバーも、一緒に、見直すことをおすすめします。

をご覧ください。

2.手軽に眠りを見直してみたい方向け、見直す寝具の順番

ここからは、手軽に、眠りを見直してみたい方が寝具を見直す際の、順番をお伝えします。

眠りを見直すために、手軽に変えられる寝具順リスト

  1. シーツやカバー
  2. 敷き寝具、マットレスや敷き布団
  3. 掛け布団

上記が、手軽さ、つまり、価格も手に入れやすく、買い換えしやすい寝具の順番になります。

それぞれの選び方は、上の1.健康的な睡眠を重視したい方向け、見直す寝具の順番で、お伝えした通りです。リストにリンクをつけましたので、項目ごとに、1の中でお伝えした内容をご参考になさってください。

睡眠の質を高めたい方におすすめの寝具

睡眠の質を大切にされたい方に、まず、見直していただきたい寝具、マットレスのおすすめを紹介いたします。

睡眠の質を見直したい、という方、ご参考になさってください。

アスリートにも人気、西川エアーマットレス

凹凸タイプんマットレスの先駆け、ムアツふとん

寝返りを打ちたい方に、高反発マットレスのエアウィーヴ

お手頃価格をお探しの方に、西川 (Nishikawa) セブンデイズ マットレス

フローリング、畳、ベッドのカビ防止に、寝具用湿気とりシート

上記のマットレスをご利用の際は、カビ防止のため、寝具用湿気とりシートを併用ください。フローリング、畳、ベッドの床板のカビ防止になります。

以上、

寝具を見直したい方に、どの順番で、寝具を見直したらよいのか、をお伝えしました。睡眠の大切さについて、メディアで多く目にするようになり、なんとなく、布団を替えたいと思う方も増えているでしょう。迷ったら、お近くの寝具店や、寝具のプロに、是非お気軽にお尋ねください。情報に惑わされず、ベストな寝具で、快眠をしていただけるでしょう。


脚注

文献
堀忠雄,2000.『快適睡眠のすすめ』.岩波新書
上條正義,2011. 『感性計測による手触り・肌触り評価方法の検討』日本化粧品技術社会誌45(2)

マットレストッパーとは? 寝心地をよくするための選び方と使い方

マットレストッパーとは? 寝心地をよくするための選び方と使い方

マットレストッパーとは? 寝心地をよくするための選び方と使い方

「マットレストッパーって、何ですか? ベッドパッドとは違うのですか?」と、お客さまからお問い合わせを頂戴します。マットレストッパーとは、ベッドマットレスの寝心地を改善するために使う、サポート寝具のことです。ここでは、マットレストッパーとは? と、ベッドパッドとの違い、マットレストッパーの種類と選び方、使い方、をお伝えします。

目次

マットレストッパーとは?

マットレストッパーとは?

マットレストッパーとは?

マットレストッパーとは、マットレスの上にのせ、ベッドマットレスの寝心地を改善するために使う、サポート寝具です。厚みは、4cmから9cm程度で、ベッドサイズに合わせて販売されています。オーバーレイマットレス、マットレスパッド、オーバーレイタイプなどとも呼ばれています。

テレビショッピングや通信販売で、「お使いの寝具にのせるだけで、寝心地改善」などと説明されているパッドタイプの寝具も、マットレストッパーの部類になります。

マットレストッパーを使うことで、期待できることは、次の点などです。

  • マットレスが硬すぎる場合の改善
  • マットレスがやわらかすぎる場合の改善
  • 寝姿勢の改善
  • 睡眠の質の改善
  • 古くなってしまったマットレスの寝心地の改善
  • マットレスの耐久性を上げる

マットレストッパーは、お使いのマットレスに満足していない方が、使うための寝具です。お使いのマットレスにご満足している方は、使う必要はありません。

マットレストッパーとベッドパッドの違い

「マットレストッパーは、ベッドパッドとは違うのですか?」

マットレストッパーと、ベッドパッドは、どちらもベッドのマットレスの上にのせる寝具ですが、違いもあります。

ここでは、マットレストッパーとベッドパッドの違いをお伝えします。

マットレストッパーとベッドパッドは、次の点で違いがあります。

  1. マットレストッパーとベッドパッドの厚みの違い
  2. 使う目的の違い
  3. 必要性の違い

一つずつ、順に見ていきましょう。

1.マットレストッパーとベッドパッドの厚みの違い

マットレストッパーとベッドパッドの、明確な違いが、厚みです。

  • マットレストッパーは、4cm ~ 9cm 程度
  • ベッドパッドは、0.5cm ~ 2cm 弱 程度

になります。

ベッドパッドとマットレストッパーの違い

ベッドパッドとマットレストッパーの違い

ベッドパッドとマットレストッパーの違い

ベッドパッドとマットレストッパーの違い

2.使う目的の違い

マットレストッパーとベッドパッドは、使う用途に違いがあります。

マットレストッパーを使う目的

マットレストッパーは、使っているマットレスの寝心地を、積極的に改善する目的で使用します。

具体的には、マットレスの固さをやわらげたり、逆にやわらかなマットを固くしたり、体の沈み込んでしまうのを防いだりするなどです。

ベッドパッドを使う目的

ベッドパッドを使う目的は、

  1. 汗などによる湿気を吸湿し、床内の湿度を適切に保ち、心地よく眠るため
  2. 汗などの湿気を吸湿し、ベッドマットレスを清潔に保ち、長持ちさせること
  3. コイルマットレスの体の負担を和らげ、寝心地を良くする

などです。

今のマットレスの寝心地が良くても、ベッドパッドは、湿度の調整や、マットレスを汚れや傷みを防ぐ目的で、必ず使います。

3.必要性の違い

マットレストッパーとベッドパッドの、大きな違いは、必ず使う寝具か、そうでないかという点です。

  • マットレストッパーは、お使いのマットレスに不満がある方が、必要に応じて使います
  • ベッドパッドは、ベッドをお使いの方は、必ず使う寝具です

ベッドパッドが必要な理由は、前の項目でお伝えした通り、ベッドパッドは、床内の湿度を快適に保ち、マットレスの汚れや傷みから守る目的で使うからです。シーツを、必ず使う目的と、同じです。

マットレストッパーの素材の種類と選び方

マットレストッパーは、快眠マットレスを販売しているメーカーや、寝具メーカーなどから、各種販売されています。使われている素材の違いによって、効果が異なります。ご自分のマットレスを、どう改善したいかに応じて、素材を選ぶようにしましょう。

ここでは、マットレストッパーの素材の種類、素材別の特徴、おすすめする方、をお伝えします。素材と特徴を知ることで、どのタイプがご自分に合っているか、選びやすくなります。

マットレストッパーの素材の種類

マットレストッパーの代表的な素材の種類は次の通りです。

  1. 高反発素材
  2. 低反発素材
  3. 凹凸ウレタンフォームタイプ
  4. 羊毛(ウール)
  5. 羽毛、フェザー

1.高反発素材

高反発素材のマットレストッパーは、多く販売されています。高反発のマットレストッパーには、ファイバー樹脂を圧縮した素材や、ラテックス系の素材が使われています。寝返りがしやすく、硬めの寝心地が特徴です。具体的な商品名では、エアウィーヴや、マニフレックスなどです。

おすすめの方

お使いのマットレスが、やわらかすぎる、腰の沈み込みが気になるという方におすすめです。高反発素材のマットレストッパーをのせることで、ベッドが硬めの寝心地になり、寝返りを打ちやすくし、腰の沈み込みも軽減します。

注意点

ファイバー樹脂が使われている高反発タイプは、沈み込みがほとんどなく、寝心地がとても硬くなります。やさしい寝心地が好みの方には向きません。

2.低反発素材

テンピュールのマットレスパッドに代表されるのが、低反発素材のマットレストッパーです。低反発素材のマットレスは、体の曲線や重さに応じて、体圧を分散しながら、やさしく体を支えるのが特徴です。体の負担を軽減させながら眠れることができます。

おすすめの方

お使いのマットレスが、硬すぎるので、やわらかな寝心地にしたい、という方におすすめです。マットレスが硬すぎて、腰が突っ張ってしまって、寝心地が悪い、腰が痛くなるという方も、選択肢の一つです。

注意点

低反発素材のマットは、体に密着しますので、熱や湿気がこもりやすくなることがあります。通気性を気にする方には、向きません。

商品の品質やランクによっては、温度によって、硬くなったり軟らかくなったりする場合があります。品質を、きちんと選ぶことが大切です。

低反発素材のマットレスパッドは、とても重い商品も販売されています。女性一人では、取扱にくい場合がありますので、留意しましょう。

3.凹凸ウレタンフォームタイプ

表面が、凹凸になって、点で体を支えるタイプのマットレストッパーも販売されています。素材は、ウレタンフォームです。具体的な商品名では、ムアツスリープスパのマットレスパッドがあります。点で体を支えるため、血流やリンパの流れを妨げず、体圧が分散され、正しい寝姿勢で体に負担がかからずに、眠ることができるのが特徴です。

おすすめの方

お使いのマットレスが、硬すぎる、やわらかすぎる、腰が沈み込んで体が痛いなどのご不満がある方におすすめです。凹凸タイプのマットレストッパーは、体が密着せずに眠れますので、高反発素材、低反発素材、どちらも、体に合わない、という方におすすめです。

注意点

凹凸タイプのマットレスは、使われているウレタンフォームの品質によって、体を支える固さや耐久性に問題がある商品もあります。価格が安すぎる、品質に不安、などといった商品は、選ぶ際に注意が必要です。

4.羊毛(ウール)

ウールわたのマットレストッパーも販売されています。ベッド用敷き布団という名称で、販売されている場合もあります。ウール、羊毛は、弾力性があり、吸湿放湿性に優れた素材のため、敷き寝具として、最適な天然素材です。化学繊維や素材に頼ることなく、適切な温度と湿度、心地よい弾力性で、1年を通じて、快適にお使いいただけるのが特徴です。

おすすめの方

お使いのマットレスが、硬すぎる方、体にやさしい天然素材の寝具がお好みの方、化学繊維がお嫌いな方、化学繊維による熱や湿気が気になる方におすすめです。

注意点

ウールのマットレストッパーは、ウールのベッドパッドより、厚みがあるため、ベッドパッドより頻繁にお手入れをする必要があります。ベッドシーツの交換時に、ウールのマットレストッパーを、ベッドから外す、半分に折るなどして、風に当て、湿気をしっかり発散させるようにしましょう。湿気が冷たくなったり、不衛生になったりするのを防げます。

5.羽毛、フェザー

日本ではあまり販売されていませんが、欧米では、羽毛やフェザーのマットレストッパーが販売されています。やわらかさ、通気性の良さ、季節に合わせて適切な温度で眠れることが特徴です。

おすすめの方

ふんわりとした、やわらかな寝心地がお好みの方におすすめです。低反発や凹凸タイプの柔らかさではなく、ふわふわしたやわらかさがお好みの方向けです。

注意点

日本ではあまり販売されていないタイプなため、ベッド寝具の種類が豊富な欧米のベッドメーカーが販売している商品の取り寄せとなります。使われている羽毛、フェザーの品質によっては、臭いがあったり、フェザーの固い部分があったりする場合があります。商品の品質選びには、注意が必要です。

マットレストッパーの使い方、敷く順番

マットレストッパーは、マットレスの上にのせ、その上から、ベッド用のボックスシーツをかけて使います。汗の多い方や、湿気が気になる方、汗による汚れが気になる方は、薄めのベッドパッドや敷きパッドを併用します。

マットレストッパーを使う場合の、ベッドパッドの必要性に関しては、マットレストッパーのメーカーのアドバイスに準じるようにしましょう。

主だったメーカーのアドバイスは次の通りです。

マットレストッパーを使う際のボックスシーツの選び方

マットレストッパーを使う場合、ボックスシーツのサイズ選びに注意が必要です。

マットレストッパーは、厚みが、4cm から9cm 程度あります。お使いのベッドマットレスの上に、マットレストッパーをのせると、マットレスが厚くなり、標準的なボックスシーツではサイズが合わないことがあるからです。

マットレストッパーの厚みによっては、今まで使っていたボックスシーツが使えない場合があります。使えないとは、ボックスシーツのマチが足りずに、シーツがめくれあがったり、ずれたりしてしまうということです。

仮に、お使いのベッドマットレスが、一般的な25cm程度で、その上に、5cmのマットレストッパーをのせると、合計の厚みが、30cm で、標準的なサイズのボックスシーツでは合いません。

ベッドマットレスとマットレストッパーの厚みが、

厚みに合わせてボックスシーツをお選びになれば、シーツがめくれあがったりずれたりする心配がなく、快適にお休みいただけます。

マットレストッパーのおすすめを選ぶ

この記事でご紹介した、マットレストッパーです。高反発、低反発、などお好みに合わせてお選びください。

1.高反発素材

高反発素材のマットレストッパーは、寝返りがしやすく、硬めの寝心地が特徴です。

2.低反発素材

体の重みに合わせて、ソフトに反発する、低反発素材のマットレストッパーです。柔らかなタイプがお好みの方におすすめです。

3.凹凸ウレタンフォームタイプ

凹凸ウレタンフォームタイプは、点で体を支えるため、血流やリンパの流れを妨げず、体圧が分散され、正しい寝姿勢で体に負担がかからずに、眠ることができるのが特徴です。

以上、
マットレストッパーについて、どのような方におすすめか、使い方、注意点をお伝えしました。

ベッドマットレスの寝心地に不満のある方は、ご自身のお好みに合わせて、商品を吟味して、お使いになってみるのが良いでしょう。ベッドマットレスの買い替えより、手軽に寝心地を改善していただけます。

睡眠の質って何? あなたの睡眠の質を知る方法

睡眠の質って何? あなたの睡眠の質を知る方法

睡眠の質って何? あなたの睡眠の質を知る方法

「睡眠の質って、そもそも何?」と、思われたことはありませんか? 睡眠の質を高めることが大切、とは、よく言われますが、あまりに言葉が独り歩きしているように感じます。ここでは、睡眠の質とは、と、あなたの睡眠の質を知る方法を、お伝えします。良質な睡眠で、健康であなたらしい人生を謳歌するヒントにしていただければ幸いです。

目次

睡眠の質とは?

睡眠の質、という言葉も、頻繁に耳にすることも多いでしょう。睡眠の質を良くすると、ヒトの体や脳の健康、成長に良い影響を与えることは、ご存じのとおりです。

では、そもそも、睡眠の質とは、どういったことなのでしょう?

睡眠の質とは、

  • 自分の睡眠状態を、自分で振り返り、自己診断した主観的な評価である、

とされています。これは、現在言われている定義です。睡眠は、解明されていない未知の分野が多く、今後、変わることもあることをご承知おきくださいませ。

現状では、睡眠の質は、目覚めた回数や深い睡眠の長さの、絶対的な尺度や定義で、評価しないとしています。例えば、下記のような評価はしないということです。

  • 「夜中に一度も目覚めなかったから、質の良い睡眠ができた」
  • 「ノンレム睡眠の中で、深い睡眠の、余波睡眠の長さが何分以上だった」

もちろん、目覚めの回数や余波睡眠の長さは、睡眠の質を評価する一つとはされます。しかし、絶対的な評価対象と、確定することはないのです。

理由は、

  • 年齢による睡眠パターンの変化があること
  • 性別による睡眠パターンの差があること
  • 睡眠の個人差があること
  • 睡眠は、いまだ解明されていないことが多いこと

 
などがあげられます。

睡眠の質が、主観的に評価される理由

睡眠の質は、睡眠中の脳波などの生理現象を計測できる、睡眠ポリグラフ検査結果の、絶対的な数値を使えばいいのではないか? と、思う方もおられるでしょう。

今後、睡眠研究が進み、睡眠の謎が解明されていくと、睡眠の質を、絶対的な尺度を使って、客観的に評価する時代がくるかもしれません。

ただ、現在では、睡眠は、いまだ解明されていないことが多く、客観的、絶対的な尺度や数値を使って、睡眠の質を測ることはないのです。

睡眠の質を、主観的評価で表す理由として、とても興味深い文章があります。

睡眠の研究者で医学博士の堀忠雄氏の、睡眠の質の評価項目について、述べている文章です。

六五歳以上の高齢者、とくに男性では、余波睡眠がひじょうにわずかになっている。生物学的な熟睡はなかなかむずかしい。しかし、気持ちのいい寝つきと、気持ちのいい目覚めは年齢にかかわりなく、どの人にも体験されることである。やすらかな眠りは、とくに余波睡眠を必項条件にはしない。

(堀 2000: p. 78)

ここでの、余波睡眠とは、ノンレム睡眠の中でも一番深い眠りの状態のことです。

上記は、もし、余波睡眠の長さを、睡眠の質の評価項目にしたならば、生物学的に余波睡眠が少なくなる、高齢者の多くは、質の良い睡眠ができないことになってしまう。しかし、ヒトは、高齢になっても、寝つきの良さや、目覚めの良さを感じるのだから、余波睡眠の長さを、睡眠の質の必項条件にしない、と伝えているのです。

堀氏の文章は、睡眠の質を、主観的評価で表す理由を、とても明確に示してくれています。

睡眠の質は、現状を知り、より良い睡眠の状態にしていくための評価です。年齢や性別に関係なく、睡眠の質を、自分で高められる項目に注視することに、意味があるのでしょう。

睡眠の質を知る目的は、よりよい睡眠で、体と脳の成長や修復し、疲労回復し、健康な人生を送れるようにするためなのですから。

睡眠の質を知る方法 ピッツバーグ睡眠質問票 PSQI

ここからは、睡眠の質の評価で、多く使われている、ピッツバーグ睡眠質問票をご紹介します。

ピッツバーグ睡眠質問票は、過去1カ月の睡眠習慣に関する質問に、自己評価で答え、ご自身の、睡眠の質の評価を伝えてくれます。

質問に答えると、ウェブページで判定結果を示してくれます。

PDFと、ウェブページをご紹介しますので、ぜひ、ご自分の睡眠の質を知るすべとして、お試しになってみてください。

ウェブページ:ピッツバーグ睡眠質問票 

PDF:ピッツバーグ睡眠質問票 日本語版

主観的な睡眠の質と実際の睡眠データの誤差

睡眠のアプリを入れていらっしゃる方も、増えてきているのではないでしょうか。

睡眠のアプリを持ってらっしゃる方は、上の、ピッツバーグ睡眠質問票を、睡眠アプリの結果から答えるのではなく、ご自分の主観で答えてみてください。そして、判定結果を知った後に、ご自身の睡眠アプリのデータと比べてみてください。

おそらく、主観的に答えて得た結果と、実際の睡眠アプリが示すデータでは、誤差があるのではないでしょうか。

この点も、睡眠の謎が解明されていない点かもしれません。

既述の堀氏は、著書「快適睡眠のすすめ」のなかで、主観的な睡眠の質の答えと、実際の睡眠ポリグラフ検査のデータであらわされる数値は、異なる結果になることがあると伝えています。

例えば、高齢の男性と女性の睡眠ポリグラフ検査のデータでは、睡眠中に途中で目覚める回数は、男性の方が多く、余波睡眠の維持時間は、女性のほうが多い結果を示すため、男性の方が、睡眠に問題があるとされます。しかし、主観的な評価を見ると、圧倒的に、女性の方が、不眠を感じているというのです。

このデータと主観的評価結果の誤差は、男女差のみではなく、自分を不眠型と感じているか、安眠型と感じているかの違いでも、見てとれると、堀氏は著書で伝えています。

睡眠に関する、謎の面白い点であり、睡眠の質を高めることは、いつでも可能性があるという、希望を感じる点でもあるのではないでしょうか。

睡眠の質を高めるとは

最後に、睡眠の質を高めるとは、どういうことかを、お伝えします。

ここでも、まず、堀氏の文章を引用することにします。

睡眠の質を問題にすると、寝つきが良く、途中で目が覚めることなく熟睡するタイプの安眠型(グッド・スリーパー)、その反対に、寝つきが悪く、熟睡感のないタイプの不眠型(プア・スリーパー)に分けられる。

中略

不眠型は、(1)寝つくまでにいつも三〇分以上かかり、(2)毎晩一回以上の中途覚醒があり、(3)実際の入眠時間の長さとは関係なく、寝つきが悪い(入眠困難)と思っている、タイプと定義されている。

安眠型は、(1)寝つくのに必要な時間は一〇分以下、(2)一度眠ったら熟睡中に目が覚めることはない、(3)寝つきが悪いと困ったことがない、タイプと定義されている。

(堀 2000: p. 78)

としています。

上記の、不眠型から、安眠型になるように、工夫すると、睡眠の質を高めることができるというわけです。

睡眠の質を高めるには、

  • 寝入りや寝つきをよくし、
  • 途中で目覚めず、熟睡できる

睡眠環境を整える、ということになるでしょう。

睡眠の質を高める、睡眠環境については、下記で詳しくお伝えしています。どうぞご覧くださいませ。

 
 
以上、
睡眠の質とは、についてお伝えしました。睡眠の質を知って、質を高めるヒントにしていただければ幸いです。

脚注

文献
堀忠雄、(2000)『快適睡眠のすすめ』岩波新書.

Doi Y, Minowa M, Uchiyama M, Okawa M, Kim K, Shibui K, Kamei Y. Psychometric
assessment of subjective sleep quality using the Japanese version of the Pittsburgh Sleep
Quality Index (PSQI-J) in psychiatric disordered and control subjects. Psychiatry Res 2000; 97
(2-3):165-172.

土井由利子, 簑輪眞澄, 大川匡子, 内山真: ピッツバーグ睡眠質問票日本語版の作成.
精神科治療学 1998; 13 (6); 755-769.
(*英語による引用:Doi Y, Minowa M, Okawa M, Uchiyama M. Development of the Japanese
version of the Pittsburgh Sleep Quality Index. Japanese Journal of Psychiatry Treatment 1998;
13 (6): 755–763 (in Japanese).)

フローリングに布団を敷いて、快適に眠る方法

フローリングに布団を敷いて、快適に眠る方法

フローリングに布団を敷いて、快適に眠る方法

「フローリングに敷き布団を敷いていたら、敷き布団にカビが発生してしまった」「フローリングに敷き布団は、固くて寝心地がよくないのでは?」と、お声を頂戴します。和室のない家が多くなり、フローリングに直接敷き布団を敷いて眠る方も増えているようです。ここでは、フローリングに、布団を敷いて、快適に眠る方法をお伝えします。

目次

フローリングに敷き布団を敷いている方のお悩み

フローリングに敷き布団を敷いている方のお悩みは、次の2つが多いようです。

  1. 敷き布団やフローリングのカビや湿気が気になる
  2. フローリングが硬くて、腰が痛くなる

 
フローリングは、畳と異なり、湿気の調湿機能がなく、適度な弾力もありません。寝心地や使い勝手が、畳の上に、敷き布団を敷いて眠る場合と、異なります。

ここからは、フローリングの部屋で、快適に眠るための対処方法を、順にお伝えします。

1.敷き布団やフローリングの、カビや湿気の対策

フローリングに、直接敷き布団を敷いて眠ると、敷き布団の裏や、フローリングの表面に、カビが発生してしまうことがあります。カビが発生しないまでも、フローリングの床が、湿って色が変わったり、表面がよれてきたりといったことがあります。

フローリングに敷き布団で眠る場合の、カビや湿気の対処法は次の通りです。

  1. 必ず、毎日、布団の上げ下ろしをする
  2. 布団用除湿シートを使う
  3. すのこマットを使う
  4. 布団用薄型マットレスを併用する

1.必ず、毎日、布団の上げ下ろしをする

フローリングに敷き布団を敷く場合、必ず、毎日、布団の上げ下ろしをするようにしましょう。布団の敷きっぱなしは、カビやダニの発生につながり、不衛生で、健康的な眠りができません。また、ダニの発生により、ハウスダストの原因にもなり、アレルギーになってしまうこともあります。

必ず、布団を押し入れやクローゼットに収納するか、布団干しラックに掛けるようにしましょう。

2.布団用除湿シートを使う

フローリングに敷き布団を使う方は、布団用除湿シートを必ず使うようにします。敷き布団や、フローリングにカビが発生するのを防ぐことができます。

除湿シートは、少し固さがありますが、布団と一緒に折りたたむこともできます。朝起きたら、布団と一緒にたたんで、押し入れやクローゼットに収納するか、布団干しラックにかけておきます。

布団用除湿シートを、使うと使わないとでは、効果が全く違います。面倒と思うかもしれませんが、シーツと同じ感覚で、布団の必需品として、準備して、お使いになることを、おすすめいたします。

3.すのこマットを使う

ホームセンターや通信販売で、寝具用すのこマットという商品が販売されています。フローリングの湿気対策として、寝具用すのこマットの上に、布団用除湿シートと敷き布団をのせて、使います。

寝具用すのこマットは、普通のすのこと異なり、敷き布団に合わせた大きさで、くるくると丸めるロールタイプ、二つ折りや四つ折りにたためるタイプがあります。折りたためますので、収納や、取り扱いも簡単です。布団干しラックの代わりにもなる商品もあります。

フローリングに敷き布団をお使いになる方の、湿気対策として、あると便利な商品です。素材、折りたたみのスタイル、収納時の大きさなどを吟味して、あなたにピッタリな商品を選ぶことをおすすめします。

4.布団用薄型マットレスを併用する

敷き布団の下に敷く、薄型で硬質の布団用マットレスもおすすめです。バランスマットレス、三つ折りマットレス、折りたたみマットレスなどとも呼ばれています。ムアツふとんや西川エアーなどの、健康マットレスとは異なり、敷き布団と併用して使うタイプの商品です。

布団用薄型マットレスを、敷き布団の下に敷いて、使います。敷き布団の湿気が床にしみこむのを防ぎ、通気性を良くしますので、敷き布団やカビ対策になります。

布団用薄型マットレスは、あくまでも、敷き布団と併用する、サポート寝具です。直接眠ることは、腰の沈み込み、寝姿勢の悪化の原因になりますので、避けるようにしましょう。

布団用薄型マットレスを使う場合も、寝具用除湿シートを使えば、より効果的に、湿気対策をしていただけます。その場合は、薄型マットレスの下に、布団用除湿シートを敷きましょう。

2.フローリングが硬くて、腰が痛くなる方の対策

フローリングは、畳と違って、弾力がありません。フローリングに敷き布団で眠ると、底付き感があり、腰が痛くなる方もいらっしゃるようです。底付き感とは、敷き寝具に弾力性が足りずに、体が沈み込む途中で床の硬い面に接し、体が圧迫感を感じる状態です。

フローリングに敷き布団を敷く場合の、硬さ対策は次の通りです。

  1. 布団用薄型マットレスを併用する
  2. 快眠タイプのマットレスを使う
  3. 極厚タイプの敷き布団を使う

1.布団用薄型マットレスを併用する

フローリングに敷き布団を敷いていて、腰の痛みが気になる方は、お使いの敷き布団の下に、布団用薄型マットレスを併用するようにしましょう。敷き布団を、2枚敷いてもかまいませんが、布団用薄型マットレスを併用する方が、湿気対策に効果があります。

マットレスと敷き布団の併用で、2枚分の上げ下ろしが必要で、面倒ではありますが、フローリングの底付き感を解消し、湿気対策も同時に可能にする、取り入れやすい対処法です。

2.快眠タイプのマットレスを使う

睡眠の質の向上、健康的な眠りで、元気に過ごしたい方は、フローリングに、快眠タイプのマットレスをお使いになることをおすすめします。具体的な商品名では、西川エアーマットレス、エアウィーヴのFUTONシリーズ、テンピュールのフトンシリーズ、ムアツふとん、ムアツスリープスパ、整圧敷き布団などです。

お伝えした商品は、いずれも、快眠マットレス一枚を敷き、その上に直接眠ります。寝姿勢を正しく整え、体に圧迫をかけずに、質の良い睡眠を楽しむことができます。睡眠の質の向上で、健康で元気でいたい方は、快眠マットレスの検討をおすすめいたします。

快眠タイプのマットレスをフローリングに敷く場合も、寝具用除湿シートは、湿気対策として使うようにしましょう。快眠タイプのマットレスは、通気性の良い素材が使われています。眠っている間の汗などの湿気を、マットレス内に閉じ込めません。何も対策をしないと、湿気のほとんどが、床にしみこんでしまいます。フローリングのカビと湿気対策は、必ずするようにしましょう。

3.極厚タイプの敷き布団を使う

快眠タイプのマットレス以外で、一枚でも底つき感の感じない敷き布団をお探しの方は、極厚タイプの敷き布団も、選択肢の一つです。極厚タイプの敷き布団は、厚みが10cm 程度あります。弾力性に優れたウールわたを、幾層にも重ねることで、フローリングの上でも、底つき感を感じることなく眠れる敷き布団です。

マットレスと敷き布団の2枚敷きは、面倒、でも、快眠タイプのマットレスまでは、予算をかけたくない、という方におすすめです。

気をつけたい点もあります。厚みがあり、弾力性がある敷き布団ですので、湿気が布団の中にこもりやすい、という点です。

毎日の布団の上げ下ろしはもちろんのこと、布団を干すか、布団乾燥機を使うなどして、敷き布団内の湿気を発散させることが大切です。布団の中の湿気は、カビやダニの発生の原因になります。湿気対策は万全にしましょう。

極厚タイプの敷き布団も、寝具用除湿シートは、使うようにしましょう。

フローリングに敷き布団を敷く方に、おすすめのアイテム

フローリングに敷き布団で、快適にお休みいただくために、次のアイテム、お選びください。

床や敷き布団のカビ対策に

  • 寝具用除湿シート からっと寝
    フローリングに敷き布団を敷いて眠っている方は、寝具用除湿シートをぜひお使いください。床や敷き布団のカビ防止に役立ちます。

    敷くだけの湿気対策、からっと寝

    敷くだけの湿気対策、からっと寝

  • すのこマット
    敷き布団を敷きっぱなしになりがちな方は、すのこマットを敷きましょう。床と敷き布団に空間を作ることで、通気を抑止、カビ対策になります。

    すのこマット

    すのこマット

  • 布団干しラック
    押し入れやクローゼットにしまえない方、外に布団が干せない方は、布団干しラックを用意しましょう。布団を干す手間も、簡単になります。

    布団干しラック

    布団干しラック

床の底つき感対策に

固い床に、敷き布団を敷くと、底つき感で背中が痛く感じることがあります。そのような方は、次のアイテムを、お使いください。

  • 布団用マットレス
    敷き布団の下に、マットレスを敷くことで、厚みを作り、底つき感を軽減させます。

    布団用マットレス

    布団用マットレス

  • 極厚 5層クッション 敷布団
    底つき感が気になる方は、厚めの敷き布団を敷くのもよいでしょう。柔らかく体を支えます。

    極厚 5層クッション 敷布団

    極厚 5層クッション 敷布団

フローリングで、より快適に、よりぐっすり眠りたい方へ

フローリングで、より快適にお休みになりたい方は、敷き布団を、快眠タイプのマットレスに買い替えましょう。

凹凸タイプマットレス

  • 西川エアー01マットレス:シングル
    軽量で、通気性が良く、快眠タイプ。凹凸タイプなので、体を圧迫せず、正しい寝姿勢でお休みいただけます。質の良い睡眠でお休みになりたい方におすすめです。
西川エアー ハードタイプ(固め)

西川エアー ハードタイプ(固め)

西川 セブンデイズ マットレス(固め・ハード)

西川 セブンデイズ マットレス(固め・ハード)

高反発タイプマットレス

  • エアウィーヴ スマート
    高反発、寝返りを打ちやすく、通気性に優れたマットレス。三つ折りタイプ、1枚で使えるタイプのエアウィーヴです。固めがお好みの方に。
エアウィーヴ スマートZ01 マットレス

エアウィーヴ スマートZ01 マットレス

低反発タイプマットレス

  • 体を柔らかく支える テンピュール プリマフトン
    体の重み、形状に合わせて適度の沈み込むタイプのマットレスです。柔らかな寝心地をお好みの方におすすめです。
テンピュール プリマフトン

テンピュール プリマフトン

 

以上、

フローリングに敷き布団を敷いて、快適に眠るための、湿気対策と底付き感対策をお伝えしました。和室のない家が増えていく中、フローリングに適した敷き布団や、サポート寝具も、新たな商品として販売され始めています。

寝室環境に適した寝具を選んで、健康的で、豊かで、質の良い睡眠をたのしみ、元気な毎日をお過ごしください。

カスタマイズで選べるベッド用寝具セット、販売開始

「ベッドに必要な寝具、何をそろえたらよいですか?」
「ベッドを買うので、必要な寝具をまとめて買いたい」
と、お客さまから、頻繁にお電話やメールを頂戴いたします。今までは、個別に、お電話やメールで、お好みに合わせた必要なベッド用寝具を、まとめてお届けさせていただいておりました。

このたび、ベッドに必要な寝具を、お好みにあわせて、カスタマイズして、ホームページ上で、簡単に、お求めいただけるようになりました。

豊かで健康的な眠りを実現するための寝具を、寝具のプロの目で、選りすぐりましたので、寝具選びに悩んだり、手間をかけたりする、面倒がありません。シーツjpの選んだ寝具でしたら、心地よいベッド生活を、安心して、長く楽しんでいただけます。

新生活のスタートに合わせて、是非、ご利用ください。

カスタマイズで選べるベッド用寝具セット

カスタマイズで選べるベッド用寝具セット

カスタマイズで選べるベッド用寝具セット

最低限必要なベッド用寝具の、ボックスシーツとベッドパッドが、基本セットになっています。そのほかの寝具は、必要に応じて、組み合わせて、お選びいただけます。

また、基本セットの、ボックスシーツとベッドパッドも、より寝心地の良い商品に、ランクアップもしていただけます。

サイズは、シングル、セミダブル、ダブルサイズをご用意。

ベッドがお決まりになりましたら、カスタマイズで選べるベッド用寝具セットを、どうぞお求めください。

オーダー枕を作る前に、確認しておきたいチェックポイント

オーダー枕を作る前に、確認しておきたいチェックポイント

オーダー枕を作る前に、確認しておきたいチェックポイント

「自分にぴったりのオーダー枕を作って、ぐっすり眠りたい」、「オーダー枕にすると、腰や肩の痛みに悩まされずに、眠れるのではないかしら」、といったお声を頂戴します。せっかく作るなら、失敗なく、自分の睡眠の悩みを解決して、ぐっすり眠れる枕に仕上げたいですよね。ここでは、ご自分にぴったり合うオーダー枕を購入するために、事前にチェックしておきたいポイントをお伝えします。

目次

オーダー枕の店舗に行く前に、用意しておくチェックリスト

自分に適したオーダー枕を作るには、事前に、ご自身で、現在の睡眠の状況や、悩み、枕の好み、を把握しておくことが大切です。

睡眠や枕の悩みや、改善したいこと、を、しっかり店頭の専門スタッフに伝えることで、適切なアドバイスと、あなたにピッタリの枕を提案してもらいやすくなります。

オーダー枕を作りに行く前に、次のリストの各項目に、あなたの答えを埋めておきましょう。できれば、プリントアウトして、店頭に持参するのもよいでしょう。

店舗に行く前に、確認しておく8つのチェックリスト

チェック項目は、1から8まであります。

  1. オーダー枕を作りたい理由
  2. 睡眠に関する悩み、改善したいこと(枕を作りたい理由と同じ場合あり)
  3. 今使っている枕の種類、素材、硬さ
  4. 好みの枕の固さ
  5. 好みの枕の高さ
  6. 好みの枕の素材
  7. 眠る姿勢
  8. 使っている敷き寝具

上記の、8つのチェックポイントについて、順番に、具体的な回答例と、チェックポイントを確認する理由、をお伝えしていきます。

下記を順番にご覧いただくことで、ご自分の場合は、どんな回答か、準備しやすくなると思います。

1.オーダー枕を作りたい理由

具体的な回答例
古くなったので買い替え、肩こり、首が痛い、背中が痛い、よく眠れない、いびき、睡眠の質の向上、など

確認しておく理由
オーダー枕を作りたい理由を、店頭の専門スタッフに伝えることで、あなたの睡眠や枕の悩みの問題解決を、適切に、端的にしてもらいやすくするため

2.睡眠に関する悩み、改善したいこと(枕を作りたい理由と同じ場合あり)

具体的な回答例
肩こり、首が痛い、背中が痛い、よく眠れない、いびき、目覚めが良くない、など

確認しておく理由
あなたの現在の睡眠の悩みを店頭の専門スタッフに知ってもらうことで、適切な枕とアドバイスを提案してもらいやすくするため

3.今使っている枕の種類、素材、硬さ

具体的な回答例
パイプ枕、そばがら枕、わたの枕、羽根枕、低反発枕、ムアツ枕、など

確認しておく理由
現在使っているの枕の種類を、店頭の専門スタッフに知ってもらうことで、あなたの睡眠の悩みの理由が判明することがあるから。判明すれば、的確な改善点をみつけてもらいやすくするため

4.好みの枕の固さ

具体的な回答例
やわらかめ、普通、固め、など

確認しておく理由
あなたの好みに適したオーダー枕の作成を、スムースにするため

5.好みの枕の高さ

具体的な回答例
低め、なくてもよいぐらい低め、普通、高め、など

確認しておく理由
計測値によって分かった適切な高さと、あなたの好みの高さの違いがあれば、枕や睡眠の悩みの理由が分かり、店頭の専門スタッフから、問題解決のための、適切な枕やアドバイスをもらいやすくするため

6.好みの枕の素材

具体的な回答例
パイプ、わた、そばがら、低反発素材、など

確認しておく理由
あなたの好みに適したオーダー枕の作成を、スムースにするため

7.眠る姿勢

具体的な回答例
仰向け、うつ伏せ、横寝、寝相が悪い、寝返りが多い、など

確認しておく理由
あなたの眠り方の癖や習慣を、店頭の専門スタッフが知ることで、あなたに最適な、枕の形状を提案してもらいやすくするため

8.使っている敷き寝具

具体的な回答例
ベッド、敷き布団、健康マットレス、など

確認しておく理由
店頭で作った枕を、ご自宅で使う際に、枕の高さに誤差がないように、高さ調整をしてもらうため。店頭で、枕を試す際に使用するマットレスと、実際に家で使用している敷き寝具の固さに違いがあると、枕の適切な高さが、変わってくるので、微調節をしてもらう

店舗でのオーダー枕を作成する場合の、手順

次に、店頭で、どのような流れで、オーダー枕を作成するのかを、知っておきましょう。

オーダー枕を、作る手順や流れは、次の通りです。オーダー枕の会社、店舗によって、順序が異なることもありますが、大まかな流れは、同じです。

大まかな流れをお伝えした後に、事前に作成しておいた、チェックリストの項目を、どのタイミングで、店頭の専門スタッフに伝えたらよいのかをお伝えします。

オーダー枕を作る、大まかな手順や流れ

  1. どんな枕の悩みがあるのかのカウンセリング
  2. ご自身に最適な、枕の高さの計測。首や後頭部のくぼみなどの高さを測る
  3. 好みの枕の素材選び
  4. 眠る姿勢、お使いの敷き寝具、眠りの癖、などに適した枕の形状選び
  5. 計測によってつくられた枕を、寝て試す、フィッティング、と微調整
  6. 微調節を繰り返し、ご自分にぴったりなオーダー枕の完成

チェックリストの項目を店頭の専門スタッフに伝えるタイミング

ここからは、実際にオーダー枕の作成の流れの中で、事前に用意したチェック項目を、どのタイミングで、店頭の専門スタッフに伝えたらよいのか、をお伝えします。

先の、オーダー枕の作成の手順、流れに、順じて、ご案内します。

1.どんな枕の悩みがあるのかのカウンセリング、の時に伝えたいこと

カウンセリングが始まったら、チェックリストの、

  • オーダー枕を作りたい理由(チェックリスト#1)
  • 睡眠に関する悩み、改善したいこと(チェックリスト#2)

を、伝えるようにしましょう。

あなたには、どんな枕が適切かのアドバイスを、もらいやすくなります。また、店頭スタッフの方も、最適な枕のイメージがしやすく、枕作りがスムースになります。

2.ご自身に最適な、枕の高さの計測、の時に伝えたいこと

計測時には、科学的な数値を知る必要があるので、事前のチェックリストの項目は、専門スタッフには、伝えずにしておきましょう。

ただ、ご自身で、リストで回答した、

  • 好みの枕の高さ(チェックリスト#5)

は、ご自分の頭の中には置きながら、計測してもらいます。

科学的な数値と、ご自分の好みの高さの、差を知っておくためです。科学的な数値より、ご自分の好みは、低いな、高いな、といったことを知っておくと、睡眠の悩みの原因が、判明することもあります。

例えば、科学的な数値より、ご自分の好みの高さが、高かった場合、

  • 高すぎた枕を使っていたことで、いびきが生じていたのかな、
  • 高すぎた枕を使っていたことで、首や肩に痛みがあったのかな、

などと、睡眠の悩みの原因が分かる、といった具合です。

3.好みの枕の素材選び、の時に伝えたいこと

好みの枕の素材を選ぶ段階では、チェックリストの、

  • 今使っている枕の素材、硬さ、種類(チェックリスト#3)
  • 好みの枕の固さ(チェックリスト#4)
  • 好みの枕の素材(チェックリスト#6)

を、専門スタッフに伝えるようにしましょう。

あなたに適した素材を、アドバイスしてもらいやすくなります。

4.枕の形状選び、の時に伝えたいこと

枕の形状を選ぶ際には、チェックリストの、次の項目の回答を伝えるようにしましょう。

  • 睡眠に関する悩み、改善したいこと(チェックリスト#2)
  • 今使っている枕の素材、硬さ、種類(チェックリスト#3)
  • 眠る姿勢(チェックリスト#7)

枕の形状とは、真ん中がくぼんでいる、枕の両サイドは、高めが良い、中央にくぼみがないほうが良い、など、出来上がる枕の形です。チェックリストの項目を伝えることで、最適な枕の形を、提案してもらえます。

4.寝て試す、枕のフィッティング、と微調整、の時に伝えたいこと

計測と好みによって仕上がった枕を、試す際には、チェックリストの次の項目のご自身の回答を思い出しながら、フィッティングします。ご自身の回答と、仕上がった枕の具合とを比較しながら、より、ご自身の好みに合うように、微調整をしてもらいます。

  • 今使っている枕の素材、固さ、種類(チェックリスト#3)
  • 好みの枕の固さ(チェックリスト#4)
  • 好みの枕の高さ(チェックリスト#5)

微調節をしてもらった、最後に、次の項目を必ず伝えましょう。

  • 8.使っている敷き寝具

店頭で、フィッティングしているときに使用している、マットレスの固さと、ご自宅での敷き寝具の固さの違いを、店頭の専門スタッフに、知ってもらうためです。知ってもらうことで、ご自宅で、最適な枕の高さで眠れるように、微調節をしてもらえます。

店頭で使用するマットレスと、ご自宅の敷き寝具に、固さの違いがあれば、適切な枕の高さが、変わってしまうため、とても大切なプロセスです。

専門のスタッフが、プロの方であれば、店頭のマットレスとご自宅での敷き寝具の固さの違いで、オーダー枕の高さの微調節を、

  • その場でしてくれるか、
  • ご自宅で、どのように微調節をすればよいのか、

のどちらかを、適切にしてくれるでしょう。

もし、店頭の専門スタッフのアドバイスが、不安な場合は、次を参考に、ご自宅で、微調節を行ってください。

店頭のマットレスが、ご自宅の敷き寝具より、固い場合の対処法

家でオーダー枕を試すと、枕が、高すぎる、と感じる可能性があります。ご自宅での寝具に合わせて、枕を少し低く調整してみましょう。

店頭のマットレスが、ご自宅の敷き寝具より、やわらかい場合の対処法

家でオーダー枕を試すと、枕が、低すぎる、と感じる可能性があります。ご自宅での寝具に合わせて、枕を少し高く調整してみましょう。

オーダー枕の作成後

お求めになったオーダー枕は、好みの固さで、ご自身の眠りの癖に最適化され、正しい寝姿勢で眠れる適切な高さ、に仕上がっているはずです。

事前に用意した、チェックリストの、

  • オーダー枕を作りたい理由(チェックリスト#1)
  • 睡眠に関する悩み、改善したいこと(チェックリスト#2)

で、あなたの回答が、改善され、ぐっすりと眠れることが理想です。

とはいえ、オーダー枕を作ったあと、「なんだか枕が合わない」と、感じることがあるようです。その時は、

  1. オーダー枕を作ってしばらくは、体が慣れないことがあるかもしれません。数日は、そのまま試してみます。
  2. 季節の変わり目は、体に変化が生じ、枕の高さが合わないと感じることがあります。その際は、高さを、ご自分、または、作ったお店で、微調節しましょう。
  3. 体形が変わると、枕の高さが合わなくなることがあります。高さを、ご自分、または、作ったお店で、微調節しましょう。

仕上がったオーダー枕を、しばらくご自宅で、試していて、まだ、睡眠の悩みが改善されない場合、枕の高さが、睡眠の悩みの原因でない場合があります。

その場合の、他の原因とは、

などです。

睡眠の質の向上は、枕だけが原因でない場合があります。上記の項目を参考に、どこに問題があるのか、ひとつずつ、改善をしていってみましょう。

あなたに最適な睡眠環境が整って、ご自身が、リラックスできて、最適な寝具を最適な状況で使えていれば、睡眠の質は高められます。ぜひ、質の良い睡眠で、元気で、健康な毎日を過ごしてまいりましょう。

入院中の病室のベッドや枕が寝にくい場合の対処法と実例

入院中の病室のベッドや枕が寝にくい場合の対処法と実例

入院中の病室のベッドや枕が寝にくい場合の対処法と実例

入院中、病院のベッドや枕が合わずに、腰が痛かったり、眠れなかったりで、つらい思いをした、というお声を頂戴します。病院のベッドは、治療や処置がしやすいサイズや仕様、硬さのため、寝にくいと感じることがあるようです。ここでは、病室のベッドが寝にくい場合におすすめしている対処法と、入院していた方々の対処の実例をお伝えします。入院中の睡眠改善にお役立てください。

目次

入院中、病院のベッドでお悩みの方に、おすすめしていること

「入院したら、病院のベッドが硬くて体が痛い」、「病室の枕が合わずに眠れない、体がつらい」といったお声を頂戴します。けがや病気で入院をし、ただでさえ、体に負担がかかる状況です。横になっている時間の長い、病室のベッドが寝にくいことで、さらにつらさを感じてしまうとのことです。

対処法として、おすすめしているのは、

  • 健康マットレスや体圧分散マットレスのオーバーレイタイプや、モバイルタイプを入院ベッドの上にのせること
  • いつも使っている枕や、同じタイプの枕を持参して、使うこと

です。

おすすめしている理由

入院中のベッドの寝にくさを改善するには、痛くなる原因を知って、そうならないようにすればよいわけです。

ベッドに横になっていて、腰や体が痛くなる原因は、

  • 重さのある腰の部分に圧力がかかり、痛くなる
  • マットレスの硬さが、体に負担をかける
  • 寝姿勢が悪くなっている
  • けがや病気の症状がつらく、寝返りを打てない

などです。

上記の症状を緩和するのが、健康マットレスや、体圧分散マットレスです。

具体的な商品名を、タイプ別に示したのが下記です。

  • 凹凸タイプ
    西川エアーポータブル、ムアツマットレスパッド
  • 高反発タイプ
    エアウィーヴポータブル
  • 低反発タイプ
    テンピュールトッパー

上記の商品は、硬さや体に感じる好みは、わかれるものの、いずれも、体に負担をかけずに、質の良い睡眠を実現するために作られた、ベッドの上にのせて使うタイプの薄型マットレスです。

体に負担のかかる病室のベッドの上に、薄型マットレスをのせることで、寝苦しさが軽減します。

特に、凹凸タイプのマットレスは、点で体を支え、体がマットレスに密着することがないため、寝返りを打たなくても、血流やリンパの流れを妨げません。

けがや病気の症状で、寝返りを打つことに負担がかかる方は、凹凸タイプのマットレスをお選びになると、寝返りを打たなくても、体が楽にお休みになれます。

持ち込むマットレスを選ぶ際の注意点

入院中、病室のベッドにのせてお使いになる場合、注意点があります。

  1. サイズを確認する
  2. ワンタッチタイプのラップシーツを利用する
  3. 病院に承諾を得る
  4. シーツの取り換え、洗濯は、ご家族が行う

順を追って、詳しくお伝えします。

1.サイズを確認する

病室のベッドは、サイズが、一般的なシングルサイズより、小さい場合があります。病室のベッドのサイズを確認して、ベッドの幅と同じか、狭いサイズの、マットレスを選びます。

病室のベッドより、幅の広いマットレスパッドをのせてしまうと、ベッドからはみ出たマットレスの部分に、病人の方が、手をつくなどした場合に、思わぬ事故につながることがあり、危険だからです。

先にご紹介したマットレスパッドの、サイズをご参考までに掲載しておきます。

マットレスの名前サイズ
幅 x 長さ x 厚み cm
エアーストレッチマットポータブル70 x 180 x 3.5
エアー スリム マットレス シングル97 x 195 x 3.5
エアーポータブル モバイルマットスリム60 x 180 x 3.5
ムアツパッド97 x 195 x 3.5
ムアツマットレスパッド97 x 195 x 5
エアウィーヴポータブルデュアルモード95 x 195 x 3
エアウィーヴポータブル97 x 195 x 4
テンピュールトッパーイーズ97 x 195 x 3

2.ワンタッチタイプのラップシーツを利用する

お持ち込みになるマットレスやマットレスパッドには、底にゴムが入って、くるっとかぶせるワンタッチタイプのラップシーツを使うようにしましょう。マットレスの専用シーツがあれば、専用シーツを選ぶのが安心です。

シーツがずれることないので、ストレスを感じることなく、療養に専念できます。

一般的なフラットタイプのシーツを、薄型のマットレスパッドに使用すると、ずれやすく、ベッドから出入りするたびに、病人の方が、ご自身でシーツのずれを直さないといけません。病人の方に、無駄なストレスがかかってしまいます。

ポータブルタイプのマットレスの場合、専用のシーツを、メーカーが販売していない場合があります。その場合は、サイズオーダーで作り、ご準備をされたほうが良いでしょう。 

3.病院に承諾を得る

枕やマットレスを持ち込む際は、事前に、病院に承諾を得るようにしましょう。

実際に、マットレスをお持ち込みになった方々は、事前に、病院に承諾を得たとのことです。その時の様子をうかがったところ、どの病院でも、好意的に受け入れてくれたとのことです。

ただ、手術後の、集中治療室のベッドの場合は、断られたケースがあったそうです。理由は、集中治療室から病室に移動する際に、マットレスを移動ができないため、と、術後の嘔吐の可能性が高いから、とのことだったようです。

4.シーツの取り換え、洗濯は、ご家族が行う

お持ち込みになったシーツの取り換えや、洗濯は、ご家族が行います。病院が用意してくれるものではないからです。

マットレスの持ち込み、シーツの取り換えなど、付添いの方やご家族の協力が、助けになります。

実際に入院された方々が対処した実例

最後に、入院の際に、病室のベッドにマットレスを持ちこまれた方々からお聞きした状況をお伝えします。

乳がんの手術で入院された方

「入院してすぐは、病室のベッドで寝ていました。寝心地は良くなかったですが、我慢ができると思っていました。

手術後、体に大きな負担があり、病室のベッドと枕で眠ることが、さらにストレスとなったため、家族に頼んで、エアーモバイル マットレス スリムサイズと、普段使っている枕を持ってきてもらいました。

病院に、持ち込みの可否を尋ねたところ、まったく問題はありませんでした。

ポータブルのマットレスをのせただけで、体がとても楽になり、体に負担をかけずに、ベッドに横になっていることができました」

脳神経の手術で入院された方

「事前に、病院のベッドは寝にくいと聞いていたので、枕とエアーポータブルを病室に持ち込ませてもらいました。

手術の後は、集中治療室で、一夜を過ごした後、問題がなければ、病室に戻る予定になっていました。集中治療室でも、枕とポータブルマットレスを使いたい旨を、病院に伝えましたが、集中治療室での利用は、断られました。

脳の手術のため、術後、集中治療室では、大変苦しく、嘔吐も激しく、大変つらい状況でした。マットレスや枕だけでも、寝心地が良ければ、少しは、その時の苦しさも改善されていたのでは、と思います。

病室に戻ってからも、3日ぐらいは、大変につらい症状が続きました。持ち込んだ枕とマットレスがなかったら、さらに、つらい時間だったと思います。家では、ムアツふとんを長年使っているので、エアーポータブルは、ムアツふとんに近い寝心地だったので、助かりました。

入院期間は、1カ月程度でした。その間、家族がシーツを替え、洗濯をしてくれたので、助かりました」

膝の手術で入院された若いアスリートの方

「スポーツ中のけがで、1週間ほど入院しました。普段は、ベッドの上に、ムアツふとんをのせて寝ています。

入院した病室のベッドが、普段の寝心地と異なっていたため、エアーポータブルを持ち込ませてもらいました。病室のベッドの幅がシングルより狭かったため、母のアドバイスで、幅の狭い、西川エアーモバイルスリムにしました。

ベッドより、持ち込んだマットレスは、幅が狭かったのですが、マットレスがあると、寝心地が全く違って、体がとても楽な状態になったので、幅の狭さは、許せる範囲でした」

腎盂炎で入院された方

「とにかく、枕がひどくて、病気で痛みがすごい中、余計に、苦しさを感じながら入院しました。どうしても、眠れず、枕だけ、普段使っている物を、家族に持ってきてもらって使いました。枕で、こんなに、体への負担が変わるものかを実感しました」

私どものお客さまに、インタビューさせていただいたお声を紹介しました。普段、ムアツふとんや、整圧敷き布団、西川エアーを使ってらっしゃる方々なので、病室にお持ち込みになったマットも、凹凸タイプの、西川エアーポータブルエアー モバイル マットレス スリムサイズの、シリーズの中から、サイズに合ったタイプをお選びになった方々でした。

今回、お話を聞かせていただいた方々は、

  • 入院中、体が大変な時に、病室のベッドの寝にくさは、大変に負担だった
  • マットレスを持ち込んだことで、随分と、楽に、入院することができた

という点で、一致していました。

入院中、病室のベッドで、寝にくさを感じる方は、薄型の体圧分散タイプや、健康マットレスを、病室のベッドの上にのせてお使いになることを検討されることをおすすめします。

入院ベッドの上にのせて使いたいマットレススのおすすめを見る

本記事の、入院中にマットレスを持ち込まれた方がお使いになったマットレスをご紹介します。

入院ベッドの寝心地でお困りの方、ベッドの上にのせてお使いいただけるマットレスのおすすめです。お役立てください。

持ち運び可能です。ご利用の際は、入院されているベッドの大きさをご確認してから、ご使用ください。

エアーモバイル マットレス スリムサイズ

エアーモバイル マットレス スリムサイズ

病院の関係者の皆さまへ

病室のマットレスや枕、シーツのご相談は、こちらから、どうぞお気軽におよせくださいませ。ご要望に合う、寝具をご提案いたします。

タオル地のシーツの特徴と選び方。購入前に知っておきたいこと

タオル地のシーツの特徴と選び方。購入前に知っておきたいこと

タオル地のシーツの特徴と選び方。購入前に知っておきたいこと

タオル地のシーツ、お使いになったことございますか? シーツはタオル、と決めていらっしゃるご愛用者がいらっしゃる一方、一度も使ったことがない、シーツの選択肢として考えたこともない、という方もいらっしゃいます。ここでは、今までタオルのシーツをお使いになったことがなく、使ってみようかしら、と迷われている方に、タオル地のシーツの特徴、選び方、お使いになる上での注意点を、お伝えします。

目次

タオル地シーツの特徴

タオル地のシーツの特徴は、

  • 吸水性の高さ
  • やわらかな肌触りの良さ
  • ひんやりしない触感
  • パイル地のため、しわが目立たない
  • 伸縮性があり、布団やベッドにフィットして使いやすい

点があげられます。

タオル地シーツは、1年中お使いになる方、と、夏か冬、どちらかにしか使わない方もいらっしゃいます。

  • 夏の汗対策にお使いになられる方は、タオルシーツの吸水性の高さを評価
  • 冬の寒さ対策でお使いになる方は、タオルシーツのやわらかさや、ひんやりしない触感を評価

されているようです。この点は、他のシーツと異なる面白い点です。

タオルシーツは、布団用、ベッド用、どちらも販売されています。

シンカーパイルシーツ、パイルシーツなどのシーツも、タオル地シーツの部類に入ります。

タオル地シーツの素材

タオル地のシーツは、パイルの部分が、綿100% と、ポリエステルと綿の混紡があります。

パイル部分が綿100%のタオル地シーツは、よりタオルに近い肌触りで、さらっとさっぱりとした、タオルの感触がお好みの方におすすめです。

パイル部分が、ポリエステルと綿の混紡のタオル地シーツは、綿100%に比べ、肌触りがやわらかで、乾きやすさがあります。

綿のタオルと、化繊のタオルの素材による肌触り感を比較した、実験結果があります。綿100%の一般的なタオルと、ポリエステルとレーヨンの混合の化学繊維のタオルで、体を拭いたときの、吸水性や体に及ぼす影響を比較した実験結果です。一部を抜粋してご紹介します。

下記の表の右の数値は、実験の被験者16人のうち、項目の内容が該当すると答えた人の人数です。

清拭中のタオル素材の主観的な評価

項目回答綿タオル化繊タオル
ちょうどよい柔らかさ大いにそうである
どちらともいえない
まったくそうでない


10

肌触りがよい大いにそうである
どちらともいえない
まったくそうでない


13

“綿と化繊のタオル素材の肌触り感を比較すると、清拭中、被験者は後者化繊タオルのほうが「ちょうどよい軟らかさ」と感じられた。それに対して、綿タオルでは化繊タオルにくらべ肌触り感の主観的評価項目に優位差が認められたものはなかった。 中略 化繊タオルでは綿タオルにくらべ適度な柔らかさや肌触りのよさに優れていた。”

(引用元:松村千鶴・深井喜代子(2014)多次元評価指標による綿タオルと化繊タオルの部分清拭効果の比較 日本看護技術学会誌、Vol.13, No.3.)

タオルで、体を拭いたときの実験結果で、シーツとは異なりますが、タオルの素材の違いによる、肌の感じ方には、共通する部分があるでしょう。

この実験では、レーヨンが混ざった化繊タオルが使われました。例えば、タオル地シーツでよく使用される、ポリエステルと綿の混紡の化繊タオルとは、多少異なる結果かもしれませんが、綿のタオルとの比較結果として、引用させていただきました。

肌触りの柔らかさをお好みの方は、パイル部分が、綿100%より、化繊素材をお選びになるとよいでしょう。

汗かきの方の、タオル地シーツの選び方

汗かきの方、夏の汗対策をメインにお使いになる方は、パイル部が、綿100% のタオル地シーツがおすすめです。

綿100%のパイルは、さらっとして、素材に熱を持ちにくく、吸水性もあります。一般的な綿の生地のシーツで眠ると、シーツが汗でぐっしょりと湿ってしまい、不快さを感じる方にも、喜ばれているシーツです。

吸水性の高さや、タオルのさっぱり感のある、シーツをお探しの方は、パイル部が綿100% のタオルシーツの中でも、ジャガード織のタオル地シーツがおすすめです。

ジャガード織のタオル地シーツは、画像のように、凹凸のある織り柄がありますので、しっかりとした肌触りで、吸水性も高い素材です。タオル好きの男性の方にもおすすめのシーツです。

ジャガード織のタオル地シーツ。汗の多い方、さらっとした肌触りがお好みの方におすすめ

ジャガード織のタオル地シーツ。汗の多い方、さらっとした肌触りがお好みの方におすすめ

やわらかな感触がお好みの方の、タオル地シーツの選び方

やわらかな肌触りの、ポリエステルと綿の混紡のタオル地シーツ

やわらかな肌触りの、ポリエステルと綿の混紡のタオル地シーツ

ふんわりとした、やわらかな肌触りのシーツがお好みの方は、パイル部分に、ポリエステルが混紡されたタオル地シーツがおすすめです。綿のパイルより、糸がやわらかで、肌にやさしさがあります。

一般的なタオルの肌触りの印象より、ずっと軟らかさを感じていただける素材のシーツです。ふんわりとした感触が、お好みの方は、ぜひ、パイルにポリエステル素材が混ざったタイプのタオル地シーツ、パイルシーツをお使いになってみてください。

タオル地シーツの種類とサイズ

タオル地シーツは、布団用、ベッド用、どちらも販売されています。

布団用のタオル地シーツの種類とサイズ

布団用は、一枚の布タイプのフラットシーツと、布団の上からくるっとかぶせるワンタッチタイプのシーツがあります。

サイズは、シングルとダブルが販売されています。

シーツのタイプ布団サイズシーツのサイズ
フラットシーツシングル150 x 250 cm 程度
フラットシーツダブル180 x 260 cm 程度
ワンタッチシーツシングル105 x 210 cm 程度
ワンタッチシーツダブル145 x 210 cm 程度

ベッド用のタオル地シーツの種類とサイズ

ベッド用は、ベッドマットレスの上からすっぽりかぶせるタイプの、底部にゴムの入った、ボックスシーツが販売されています。フラットタイプは、ベッド用のサイズを製造する織り機がほとんどなく、現在は、ほとんど販売されていません。

サイズは、シングルからクイーンサイズまで販売されています。

シーツのタイプベッドのサイズボックスシーツのサイズ
(幅x丈xマチ)
ボックスシーツシングル100 x 200 x 30 cm
ボックスシーツセミダブル120 x 200 x 30 cm
ボックスシーツダブル140 x 200 x 30 cm
ボックスシーツクイーン160 x 200 x 30 cm

タオル地シーツを使う際の注意点

タオル地のシーツで迷われている方は、洗濯の毛羽やほこりがあるのでは? と心配になられる方がいらっしゃいます。パイル素材ですので、通常の綿生地とは、異なった注意点があります。ご購入前に、注意点を知った上で、商品をお選びになると、効果いや、失敗が少なくすみます。

タオル地シーツを使う上での注意点

パイル地のため、洗濯時、毛羽や繊維のほこりが気になることがあります

タオルと同様に、タオル地のシーツは、使い始めは特に、洗濯時、毛羽や繊維が、普通のシーツに比べると、気になることがあります。最初の何回かの洗濯は、他の素材とは、わけて、タオルシーツだけで洗濯するようにしましょう。

タオル地シーツは、商品の品質に差があり、安価な商品は、繊維のホコリが普通以上に気になることがあります。洗濯時や、布団やベッドに装着して、お使いになっている時も、繊維のホコリが気になるような商品は、快適さに欠けてしまいます。安価な商品には、注意して、品質の確かな商品を選ぶようにしましょう。

シンカーパイル織りや、マイヤー織りのタオル地のシーツは、パイルの糸の抜けにくいように、織られている素材です。数千円で、お求めいただけますので、タオル地シーツをお選びの際は、シンカーパイル織り、マイヤー織りのシーツをお選びになることもおすすめです。

商品の品質によって、毛玉がでることがあります

パイル糸の品質によっては、タオル地シーツに毛玉ができてしまうこともあります。毛玉は、洗濯や、シーツとパジャマの素材の摩擦によって、発生します。

品質の違いで、毛玉ができやすい、できにくいといった商品があります。

商品の品質をきちんと見極めて、求めるようにしましょう。

普通の生地のシーツに比べ、乾燥に時間がかかります

タオルの洗濯を想像していただくとわかりやすいですが、普通の生地のシーツに比べ、タオル地のシーツは、洗濯後の乾燥に時間がかかります。

乾燥して、晴れた日、時間の余裕をもって、洗濯するようにしましょう。また、洗い替えを用意しておくと、乾燥時間を気にしないですみます。洗い替えを別に用意しておくのもおすすめです。

タオル地のシーツのおすすめを見る

ここでは、快適にお使いいただけるタオル地のシーツをご紹介します。お使いのベッドや敷き布団、使い勝手の好みに合わせてお選びください。

タオル地のベッド用ボックスシーツ

ベッドのマットレス用の、すっぽりかぶせられる、ボックスタイプのタオル地のベッド用シーツです。

タオル地の敷布団用ワンタッチシーツ

裏にゴムが入って、簡単に装着していただける敷き布団用のタオル地のワンタッチシーツです。

タオル地の敷布団用フラットシーツ

敷き布団用の、1枚タイプの平らなタオル地のフラットシーツです。

以上、
タオル地シーツをお使いになったことがない方向けに、タオル地シーツの特徴をお伝えしました。汗でお悩みの方や、冬のシーツの冷たさが苦手の方、上記を参考に、お使いになってみてはいかがでしょうか。

体圧分散とは? マットレスの構造別、体圧分散のしくみと機能

体圧分散とは。快眠マットレスの構造別、体圧分散のしくみと必要な機能

体圧分散とは。快眠マットレスの構造別、体圧分散のしくみと必要な機能

体圧分散、という言葉、聞いたことありますか? マットレスの特徴説明で、「このマットレスは、体圧分散効果があるので、体に負担なく快眠できます」など、見たり、聞いたりする方もいらっしゃるかもしれません。確かに、体圧分散機能は、快眠寝具で大切な機能です。しかし、快眠のためには、その機能だけでは十分ではありません。ここでは、体圧分散とは?、と、マットレスの構造別の体圧分散のしくみ、体圧分散の機能以外に必要な機能をお伝えします。

目次

体圧分散とは?

寝具の説明で使われる、体圧分散とは、敷き寝具の上に横たわったときに、体の重い部分や出っ張った部分に、強くかかる圧力を分散させることで、快眠を促す機能のことです。体圧を分散させると、重く出っ張った腰などにかかる負担をやわらげ、体が楽な状態で睡眠をすることができます。

体圧分散の機能は、体に負担をかけずに、快眠するためには、重要であり、必要な機能です。ただ、体圧分散の機能だけでは、快眠寝具としては、不十分です。その理由を、次の項目でお伝えします。

体圧分散だけでは、快眠は促せない

本題に入る前に、まず、圧力が分散される、という状況について、お伝えさせてください。理科の授業で習った、圧力と力、力のかかる面積の関係性です。

ご存じの通り、力が同じでも、力のかかる面積が小さいと圧力は大きくなり、面積が大きいと圧力が小さくなる、という関係性です。

圧力の概念からみる、体圧分散

圧力の概念からみる、体圧分散

これを、ヒトがマットレスに眠るときの場面に置き換えると、体の圧力、つまり、体圧が、一番分散される状態は、体と寝具の表面のすべてに密着して、眠る状態ということになります。(接触面の摩擦がなく、体の曲線、重さを均等に受け止めると仮定した場合)

例えば、やわらかくて、たっぷりとわたの入った、厚みのある昔ながらの敷き布団や、やわらかなスプリングのマットレスに、眠ると、体は、寝具に密着します。体圧は、確かに分散されています。しかし、心地よく、質の良い睡眠が、とれるでしょうか? とれませんよね。

仮に、体の曲線や、重さの違いを均等に受け止める素材のマットレスがあったとしても、同じことです。体が寝具に密着している、というだけでは、快眠はできません。

ヒトは、睡眠中コップ1杯の汗をかきますので、密着していれば、そこに湿気がこもります。また、密着しながら、体重がかかっていますので、血流やリンパの流れが滞ってしまいます。

つまり、快眠のためには、体圧分散の機能だけでなく、湿気の調整、血流やリンパの流れの滞りがないような、対策をされた寝具が必要になるのです。

快眠マットレスを検討したり、選んだりするときには、体圧分散機能があるだけでは、選ばないことが大切です。極端な話、どんな寝具も、圧力の概念からすれば、体圧が、分散される機能はあるのですから。

では、体圧分散機能のほかに、どんな機能が必要なのでしょう。次の項目でお伝えしていきます。

マットレスの形状、構造別、快眠に必要な、体圧分散以外の機能

最近は、形状や構造の異なった、多くのマットレスや敷き布団の特徴説明で、体圧分散機能、体圧分散効果、などと表示されるようになってきています。例えば、低反発マットレス、高反発マットレス、凹凸形状のマットレスなどです。

ここでは、それぞれの構造のマットレスが、どのように体圧分散機能を発揮しているかと、快眠のためには、体圧分散機能以外に、どんな機能が必要なのか、をお伝えします。ご自身のお好みに合ったマットレス選びをする際に、お役立ていただけます。

最初に、快眠マットレスの構造の違いが、分かりやすいように、快眠マットレスの代表的な商品名を上げてご紹介し、そのあとに、それぞれの構造別の説明をお伝えします。

構造の違う、代表的な快眠マットレスの例

快眠マットレスの構造の違いをわかりやすくするために、快眠マットレスの代表的な商品名を上げておきます。いずれも優れた、快眠のための健康マットレスです。それぞれの公式ホームページのリンクも記載しましたので、構造や、体圧分散をはじめとした、機能の特徴も、どうぞご確認ください。

マットレスの構造別、体圧分散のしくみと、体圧分散以外に必要な機能

ここからは、マットレスの構造別に、体圧分散のしくみと、体圧分散以外に必要な機能をお伝えします。

それぞれの構造のマットレスは、最初にあげた代表的な商品のほかにも、様々な商品が販売されています。形状や構造が同じでも、使われている素材によって、機能性のレベルや、品質、耐久性、が、異なります。実際に、マットレスをお選びになる際は、商品の品質や価格なども吟味するようにしましょう。

低反発マットレス

体圧分散のしくみ

低反発マットレスの体圧分散のしくみは、体の曲線や重さに合わせて、体に密着しながらマットレスが沈みこみ、体の圧力を分散させます。

体圧分散以外に、必要な機能

低反発マットレスは、体が寝具に密着することにより、体圧分散をしますので、密着面の熱、温度、湿度、さらには、寝返りのしやすい機能が必要になります。

  • マットレスの通気性
  • 密着面の温度の上昇対策
  • 気温の変化によるマットレスの、硬さの変化の対策
  • 寝姿勢を正しくする、素材のサポート力

の、機能が、どの程度、どのようにあるかをチェックして、選ぶようにしましょう。

高反発マットレス

体圧分散のしくみ

高反発マットレスは、ファイバーを圧縮して作られています。具体的には、釣り糸のような特殊繊維が絡まるようにしながら、マットレスの長方形に圧縮されています。

高反発マットレスの、体圧分散のしくみは、繊維の細かな点が、体との接することで、圧力が、分散されます。

体圧分散以外に、必要な機能

高反発マットレスは、硬めのマットレスのため、体の沈み込みが少なく、圧迫される傾向にあります。そのため、血流やリンパの流れの滞りを解消するために、寝返りが必要になります。

  • 寝返りが打ちやすい機能

体圧分散がされるとはいえ、マットレスが硬いので、寝返りの打ちやすさは、快眠のためには、必要な機能になります。高反発マットレスを選ぶ際は、どの程度の体圧分散性があるのか、と、寝返りが、どのように打ちやすくなっているのかを、確認して、選ぶようにしましょう。

凹凸形状のマットレス

体圧分散のしくみ

マットレスの表面が、ぼこぼことして、凹凸形状になったマットレスの、体圧分散機能は、連続したたまごのような形状が、圧力をマットレス全体に分散させることで、実現しています。

これは、物理のパスカルの原理を利用しているといっていいでしょう。

「密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、ある一点に受けた単位面積当りの圧力をそのままの強さで、流体の他のすべての部分に伝える。」

引用:パスカルの原理、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

球体を並べることで、一点に圧力がかかっても、それぞれの球体に接する面を通じて、同じ大きさの力が発生し伝わる、というしくみです。

凹凸マットレスは、体が、マットレスの表面に密着せずに、凹凸の凸の部分に接することで、体の圧力を、均等に分散させています。

体圧分散以外に、必要な機能

凹凸マットレスは、マットレスの表面が凹凸になって、体圧を分散させますので、凸部分に、負担がかかります。

  • 凸部分の耐久性
  • マットレスの耐久性
  • 体重がかかっても、凸部分がなくならない、マットレスの固さ

凹凸形状のマットレスは、体圧分散をしながら、寝姿勢を正しくキープする性能には優れています。ただ、使われている素材によっては、凸部分が、すぐに崩れる、体重がかかると、凸部分がやわらかすぎて、平面になってしまう、などといったマットレスも販売されているようです。

凹凸形状の健康マットレスをお選びの際は、使われている素材の固さや、耐久性をチェックするようにしましょう。

以上、
敷き寝具やマットレスの、体圧分散の機能とは、と、マットレスの構造の違いによる、体圧分散機能以外に必要な機能を、お伝えしました。

快眠寝具に大切なことは、体圧を分散させ、正しい寝姿勢で眠れて、快適な湿度と温度を維持しながら、健康的で質の高い睡眠ができる寝具であるということです。お好みに合った形状や構造のマットレスの機能を、きちんと吟味して、快眠をお楽しみくださいませ。

年末年始の休業のご案内

毎度ご利用いただきまして、誠にありがとうございます。

誠に勝手ながら12月29日から1月6日まで、年末年始の休暇を頂戴いたします。

インターネットショップでのご注文は、24時間お受けしておりますが、メールでのご返信、お品のご発送などは、1月7日以降、随時いたします。ご不便をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

12月28日午前9時までのご注文は、在庫のある商品につきましては、即日ご発送いたします。在庫状況により、お届けが、年明けになってしまうこともございます。ご迷惑をおかけいたしますこと誠に申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます。

冬の睡眠の質を高める、すぐできる簡単な方法

冬の睡眠の質を高める、すぐできる簡単な方法

冬の睡眠の質を高める、すぐできる簡単な方法

冬の朝、目覚めがすっきりしなかったり、疲れが残っていたり、ありませんか? 冬は、無意識の中で、睡眠の質が低下していることがあります。ある実験結果では、布団の1か所を暖めることで、冬の睡眠の質の向上を図れると示しています。ここでは、布団のどこを暖めると、効果的に睡眠の質を高め、ぐっすり安眠できるのか、と、その根拠を、お伝えします。

目次

冬、睡眠の質を高めるために、暖めるべく寝具の場所とは

布団の1か所を暖めることで、睡眠の質を、効率的に、高められるとされています。

その場所は、敷き布団やベッドの、足のあたりです。

具体的な場所は、足からふくらはぎが、敷き寝具と触れる場所です。

冬は、足のあたりだけ、暖める工夫をなさることをおすすめします。寒い季節も、ぐっすりとお休みいただけます。

足元を暖める具体的な方法は、次の項目でお伝えします。

足元だけ暖めるのが効果的、とお伝えする、根拠につきましては、この記事の最後に、まとめてお伝えします。

寝具の一部を暖める具体的な方法

敷き布団や、ベッドの足元だけでも、暖めるって、具体的にはどこ? どんなふうに? と思われる方もいらっしゃるでしょう。

敷き寝具を暖める、具体的な場所は、足からふくらはぎが、敷き寝具と触れる場所です。

足元だけ暖める、具体的な方法としては、

  • 湯たんぽで、足元を暖める
  • 足元のあたりだけ、毛布を敷く
  • 電気敷き毛布、電気ひざ掛け毛布、電気毛布を、足の部分だけ使う
  • 布団乾燥機を、足元のあたりが暖まるように使う
  • ドクターセラ温熱マットスリープコンディショナーなどの温熱治療タイプパッドを足部保温設定で使う

などです。とっても簡単で、すぐにできることもありますよね。

足元だけ、毛布を敷く場合は、毛布を足の部分がポケットになるように折って使ったり、敷き布団やベッドマットを包むようにして使ったりします。

足元用に使う、毛布の素材で気をつけたい点

毛布を選ぶ際には、気をつけたい点があります。

  1. 吸湿性の低い、化学繊維、たとえば、フリース素材やアクリル系の素材をなるべく避けること
  2. 電気毛布や電気敷き毛布は、入眠時には、スイッチをオフにすること

です。

1.吸湿性の低い、化学繊維、たとえば、フリース素材やアクリル系の素材をなるべく避けましょう

足元に毛布を敷く場合、おすすめの素材は、ウールやキャメル、シルク、綿毛布などの吸湿性のある、天然素材がおすすめです。

フリース、ポリエステルやアクリルのニューマイヤーなど化学繊維の毛布は、汗の吸湿性が低いのでおすすめしません。理由は、足にかいた汗が、吸湿性の低い化学繊維に付着し、時間の経過とともに、その湿気が冷たい水滴となって、足を冷やしてしまうからです。

足を暖めることで、効果的に、安眠をするつもりが、逆に、足を冷やして、眠りの妨げになってしまいます。

2.電気毛布や電気敷き毛布は、入眠時には、スイッチをオフにしましょう

電気毛布や、電気敷き毛布、電気ひざ掛け毛布は、ベッドや布団に入る、30分から1時間ぐらい前にセットをします。入眠時には、必ず、スイッチを切って、眠るようにします。

スイッチが入ったままですと、布団の中の温度が高すぎてしまい、深い睡眠の妨げとなります。また、電気の熱で、肌やのどを乾燥させることもあります。

冬、朝までぐっすりと、安眠するためには、スイッチは、切るようにしましょう。

冬の睡眠の質の低下と、保温による睡眠の質の向上の根拠

ここからは、この記事の内容の根拠をお話します。お伝えするのは、次の2点です。

  1. 冬は無意識の中で、睡眠の質が低下していることがある
  2. 足元を暖めることで、安眠につながる

順にお伝えします。

1.冬は、無意識の中で、睡眠の質が低下していることがある、とする理由

冬は、睡眠の質の低下を実感される方は、あまりいらっしゃらないかもしれません。

実際には、冬、無意識の中で、睡眠の質が低下していることがあります。

理由は、ヒトが生きるために備えている、体温調節機能の働きに関係するとされています。

12月~3月、仙台市内、平均外気温2.1℃、最低外温度-7.4℃で、行われた、低温の環境時の、睡眠に関する実験結果を伝えた報文によると、

睡眠時の体温調節機能は覚醒時より低下し、レム睡眠ではノンレム睡眠よりも体温調節機能が低下する。したがって、低温環境ではレム睡眠を減少し、覚醒を増加することで体温調節機能を維持していると考えられる。

(水野、水野、松浦、松尾、岩田、城島、白川、マットレスとベッドパッドの素材の違いが低温環境での入眠過程に及ぼす影響、日本家政学会誌、Vol.67、No.7、367-374、2016)
 
と伝えています。

上記は、冬など、睡眠環境の気温が低くなると、睡眠中に適した体温を維持するために、レム睡眠を減少させ、覚醒が多くなる、つまり、気温の低さによって、眠りが浅くなったり、眠りの途中に目覚めてしまう時間が増える、としているのです。

ここで、レム睡眠、という言葉をご存じの方は、

「レム睡眠は、そもそも浅い眠りのことなので、減少しても、深い眠りの時間には影響しないのでは?」

と思う方もいらっしゃるでしょう。

レム睡眠の解明を進めている、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構、林研究室の林悠氏によると、

通常レム睡眠において、レム睡眠の持続時間が長いほど、その後のノンレム睡眠で余波が増加するという、有意な正の相関が認められた。 中略 レム睡眠は、余波を増強することで、睡眠そのものの質を高める作用があると考えられる。

(林悠、レム睡眠の意義の解明、https://www.astellas.com/jp/byoutai/other/reports_h25/pdf/25-34_hayashi.pdf )

と、伝えています。

上記の、

  • 余波、余波睡眠とは、睡眠の前半で発生する、ノンレム睡眠の中で一番深い睡眠

です。
 
先の、林氏の引用を要約すると、レム睡眠が、邪魔されることなく長く続くと、その後に続く、ノンレム睡眠の、余波睡眠が、増えることがわかったと、教えてくれています。余波睡眠が増えることで、睡眠の質も高まる、と伝えてくれているのです。

最初にお伝えしたこととつなげると、

  1. 睡眠環境の温度が下がると、ヒトの体温調節機能によって、体温を適度に保とうとする
  2. 体温を適度に保つために、睡眠時、レム睡眠が減少し、覚醒状態が増える
  3. レム睡眠が減少すると、ノンレム睡眠の中でも、一番深い睡眠の、余波睡眠に影響を与え、睡眠の質が低下する

ということになるのです。

これが、冬、低温環境で、無意識の中で、睡眠の質が低下する、とお伝えした理由です。

2.足元を暖めることで、安眠につながる、とする理由

次に、足元だけ暖めることで、低温環境でも、安眠につなげることになる、という根拠をお伝えします。

前出の、仙台市で実施された、冬の低温環境時の睡眠状況を調べる実験では、保温性の高いキャメルのベッドパッドと、保温性のあまりないポリエステルのベッドパッドを使用した場合を比べ、睡眠の質の違いを明らかにしています。

結果を伝える報文によると、キャメルのベッドパッドを使用した場合のほうが、ポリエステルのベッドパッドの使用時よりも、足部の寝床内温度、皮膚の温度、温冷感が、高く、その結果、レム睡眠に影響を与えた、と伝えています(水野他、マットレスとベッドパッドの素材の違いが低温環境での入眠家庭に及ぼす影響、日本家政学会誌、Vol.67、No.7、367-374、2016)。

特筆すべきは、同報文は、足部以外の、腰の下や胸の部分においては、キャメルのベッドパッドの使用時と、ポリエステルのベッドパッドの使用時でも、足部で見られたような、違いがなかった、と伝えている点です。

報文では、

ポリエステルのベッドパッド(条件 S)およびキャメルのマットレスとベッドパッド(条件 C )を比較した。 中略 睡眠脳波記録、皮膚温、寝床内気候、衣服内気候を測定し、温冷感、湿潤感、快適感や睡眠感等の主観申告を申告させた。条件 C で条件 S よりも優位に睡眠効率、睡眠時間、レム睡眠が増加し、覚醒が減少した。中略 低温環境でのマットレスとベッドパッドの素材の違いは、睡眠、足部の寝床内温度、および足の温冷感に影響を及ぼす可能性が示唆された。

(水野他、マットレスとベッドパッドの素材の違いが低温環境での入眠家庭に及ぼす影響、日本家政学会誌、Vol.67、No.7、367-374、2016)

と結論付けています。

つまり、腰や胸の部分を暖めることは、暖めない時と比べ、睡眠の質に差はないが、足部に、保温性の高い寝具を使うことで、レム睡眠が増加し、覚醒が減少した、と伝えているのです。

冬の睡眠の質の理由をお伝えした項目で、レム睡眠が増加することは、深い睡眠のノンレム睡眠、余波睡眠を長くし、睡眠の質を高める、と記しました。

まさに、足を暖めることで、睡眠の質を高める、との研究結果となるのです。

以上が、今回の記事をお伝えした根拠になります。

 
冬、暖かく眠り、睡眠の質を上げて、すっきりと目覚めたいという方、足のあたりだけ、暖めて、おやすみになってみてください。